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Ollie Millington via Getty Images

米国任天堂がニンテンドー3DSやNintendo Switch用ゲームの海賊版ROMデータを配布しているサイトに対して、巨額の損害賠償請求訴訟を起こしたことが報じられています。訴えられた海賊版ROMサイトのRomUniverseは、年額30ドルの会員制であり、加入者には非加入者よりも高速かつ無制限に海賊版ゲームをダウンロードできると謳っていたとのこと。米任天堂の訴状によれば、同サイトは「任天堂ゲームの海賊版サイトのうち最も訪問者が多くて悪名高いオンラインハブの1つ」であり、Switch用ゲームは30万回近く、3DS用ゲームは50万回以上もダウンロードされたとのことです。

損害賠償請求の内訳は、著作権侵害1件ごとに1万5000ドル(約162万円)、商標侵害1件につき最大200万ドル(約2億1600万円)とのこと。このうち「商標」とされているのは、海賊版ゲームがプレイ時に「任天堂商標の偽造コピー」を表示することを指しているもの。ゲーム1本当たりの権利侵害は1000件以上と推測されるため、実際の請求額はとてつもない金額に上りそうです。

かつて任天堂はLoveROM.comとLoveRETRO.coという2つのROMサイトを告訴し、1200万ドル(約13億円)の賠償支払いで和解に達した過去があります。この訴訟が提起された後、18年間続いたエミュレーターROMサイトEmuParadiseも閉鎖に至りました。

つい先日も、イギリスでNintendo Switch改造業者のWebサイトに対してブロック判決が下されたばかり。今回の損害賠償請求額の大きさは驚くほどですが、海賊版ROMサイトは次々と生まれるだけに、任天堂も著作権侵害は割に合わないという見せしめを意図しているのかもしれません。 この記事はEngadget 日本版からの転載です。
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