フルサイズ6100万画素で高精細感ハンパないと話題の「α7R IV」。カメラは、仕事や子供の写真を撮る初心者に毛の生えた程度のおじさんである筆者が、こともあろうか、およそ40万円もするカメラを購入してしまいました。今回は、そんなおじさんが購入してしまった経緯とα7R IVの魅力をお伝えします。
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α6400を半年前に購入。でもより高みを見たかった?
もともとは、キヤノン派だった筆者。「EOS 8000D」を所有しておりましたが、半年ほど前にミラーレス機が欲しくなりカメラを物色。キヤノンもミラーレス機を投入してきていたのですが、やはり以前からミラーレス機を手掛けているソニーのαシリーズが気になり、乗りかえようと決意しました。決め手は瞳AFです。子供の写真とか撮っていると、動いているのでなかなかうまくピンが合わないことが多く、目にピンがきてくれるだけで非常にありがたいからです。
とはいえ、フルサイズ機は実売で30万円以上もします。そこでカメラマンにフルサイズとAPS-Cとどちらがいいですかねぇ、なんて聞いたところ「ブツ撮りがメインだったらAPS-Cで十分じゃない? ボケにくいし扱いやすいよ」とのこと。子供の写真は撮るものの、仕事で使うのがメインなため、ブツ撮りでラクできるほうがいい、ということで選んだのが「α6400」です。
瞳AFもついていて、軽くて小さい。SEL18135(E 18-135mm F3.5-536 OSS)が同梱されたモデルを購入したのですが、これまでと比べ非常にパキッとした画になり、暗所でもキレイに撮れるため、取材時には大変重宝しています。選んでよかったと思いました。
もちろん子供とか猫とかの撮影にも大活躍。EVFを覗かなくても瞳AFのおかげでディスプレーを見ながら気軽に撮れるのもありがたかったです。カメラでの撮影がとても楽しくなりました。
そうすると欲が出てきます。α6400では人物撮影が私のようなレベルでもバシッとキレイに撮れるので、もっと人物を撮ってみたくなったのです。そこで、とある撮影会に参加してみました。構図とかはもっともっと勉強しなければなぁと痛感しつつも、限られた時間内にテキパキ動いて夢中でシャッター切っていたのですが、仕上がりの写真には大満足。もう一歩前へ進みたくなります。
仕事もそうですが、撮影会が室内だったため、明るいレンズが欲しくなります。7月に某お菓子の発表会でカメコたちの中に紛れて撮影したかったので、奮発してSEL70200GM(FE 70-200mm F2.8 GM OSS)を購入。続いてタムロンのModel A036(28-75mm F/2.8 Di III RXD)も購入して、沼に片足入れた状態になっていました。
そんなときに「α7R IV」の予約開始です。人物の写真を撮っていると、より高みを見たくなってしまいます。フルサイズで6100万画素という超高画素機......。魅惑的なワードに押されてクラクラしながらソニーストアーのサイトとにらめっこしていたのであります。
支払総額は38万8152円......でも分割や残価設定も!
さてサイトで確認したところ、支払い総額は筆者の場合クーポンを使って38万8152円でした。まぁ、ポチるには勇気のいる金額です。でも、でも、24回払いまで分割払い手数料が0%。さらに残価設定クレジットの分割払い手数料も0%なのであります。「男は黙って一括払い」を貫いているのであればともかく、α7Rシリーズはだいたい2年毎に新製品が投入されており、製品もいいことがわかっているから2年間フル活用するのは目に見えています。2年間で月額払いでもいいんじゃないかと思い始めました。
カートに入れては消し、購入手続きへ進んでも、なかなか最後の購入まで進まず、ものすごく考えましたが、結局24回払の初月1万8176円、月々1万6100円で購入しました。月1万6000円なら、仕事をちょっと頑張ればペイするなという気分で買えます(いや罠かもしれません。そのぶん違うところで出費が......)。
また、クルマでは当たり前になってきた残価設定クレジットもサポート。残価は16万3000円に設定され、残りの額を24回払いで計算すると、だいたい月々9300円ほどで購入できます。もちろん、2年たったときに返却するか、残額を支払う(クレジット払いも可能)ことになりますが、次の製品であろうα7R Vが発売されている時期かもしれません。なので買い替えを考えているのであれば、月々の支払いを抑えて買えるので残価設定クレジットもありかと思います。
38万8152円を一括で買わなくてもいい、月々僅かな金額でα7R IVが手に入るんだって考えたら、ほらポチりやすくなるでしょ(悪魔のささやきともいう)?
発売日に到着ワクワクが止まらない
ということで、9月6日に無事に届きました。α6400に比べるとデカイですが(当たり前)、本体単体では意外と軽く、グリップもしやすいです。シャッターの押し具合がα6400と違うので(シャッターを切るときの手ブレを抑えている)、最初はちょっと戸惑いましたが、シャッター音は静かで優しい感じなので、室内でのパシャパシャと音が部屋中に響かないのが嬉しいですね。
機能は、あまりにも多すぎて正直把握しきれていません。基本的にはα6400と近いので、項目をみればどんな機能なのかはある程度わかるのですが、いまだに撮影時にどんなモードが最適なのか迷うことも。ホント、しっかりと学んで自分のものにしてみたいものです。
▲メモリーカードスロットは再度に2つ。どちらも、UHS-IIに対応
▲PCとの接続はUSB Type-C端子。ケーブルは付属している
▲バッテリーは、NP-FZ100。RAWで保存し、フラッシュなしで2000枚程度撮影しても半分ぐらい残量が残るスタミナ
撮影して驚いたのは、ほかの方も言及していますが、6100万画素もあると、トリミングしてもそれなりの解像度があります。もうちょっと寄りたいなんてときは、トリミングして大きく見せるだけでなんとかなります。ホント、パキッと解像感があるので、トリミングしても問題ないのです。
▲たまたま上空を飛んでいた自衛隊機を28-75mm F/2.8 Di III RXDのレンズで撮影。f/2.8、1/6400、ISO100、75mm。Lightroomで現像して書き出しているので、4MB弱のファイルサイズ。クリックすると実サイズで見られます
▲自衛隊機の部分だけを横幅1421ドットにトリミング。書き出しによりJPEGノイズが出てしまっているが、機体に書かれている文字もハッキリ読み取れる。元画像はより鮮明だ。クリックすると実サイズで見られます
ただ、画素数が多いことで、いくら補正されていても微妙にブレが発生していることがあります。これが、3インチの小さな液晶ディスプレーでパッと見てもはっきり言ってわかりません。拡大表示してやっと気がつくくらい。しかし、撮影するタイミングは一瞬のこと。いちいち、撮影したカットを拡大して確認なんて時間はありません。なので、しっかり固定して撮影することに不安な方は、数撃ちゃ当たる方式で、連写したほうがいいでしょう。
画素数が6100万ともなると、ファイルサイズもゴージャスです。RAW画像1枚(9504×6336ドット)あたり約60MB(圧縮時)。これは、α6400の約27MB(6000×4000ドット)の倍以上になります。筆者はRAWで撮影してJPEGは同時保存していません。筆者は一発で最適な画ができる自信はないので、Lightroomで現像することが基本になっています。このため、128GBのSDメモリーカードに保存できるのは、約2100枚(α6400のときは約4600枚)となるため、撮影会で夢中になって連写とかしていると、あっというまにいっぱいになってしまいます。
SDメモリーカードは、2スロットともUHS-II対応なので、高速な読み書きが可能です。連写は内蔵メモリーにより、ある程度プールされますが、書き込み速度が遅いSDメモリーカードだと、ずっと書き込み作業中となり、その間はプレビューもできません。
そこで、ソニーのTOUGHシリーズSF-G128T(128GB、リード300MB/s、ライト299MB/s)もゲット。2万4000円しました。確かに、書き込み時間は、UHS-I対応のものより速く、バッファーの時間を短縮してくれます。
ただ5枚連写とか多くても10枚とかいうレベルで、撮影する間隔がある程度空いていれば、UHS-I対応のもの(筆者が試したのはリード100MB/s、ライト90MB/sの製品)でも、そんなに気なるレベルではないかもしれません。まぁ、そんなことを気にしながら撮影するよりは、UHS-II対応のものを使ったほうがいいですよね。
また、APS-Cのレンズがそのまま使えるというのも魅力です。自動的にレンズを認識して、APS-Cモードの約2620万画素(6240×4160ドット)にて撮影できます。これってα6400より解像度が高いんですよね。こうなるとα6400の立場は、となるかもしれませんが、軽量コンパクトで、自撮りやパノラマ撮影もできるなどα7R IVにはない機能もあるので、今後も積極的に使っていきたいと思っています。
▲α6400で使っているSEL18135を装着。設定をオートにしておけば、自動的にAPS-Cモードになる。フルサイズレンズでも強制的ににAPS-Cモードで撮影も可能
▲α6400の液晶ディスプレイの可動範囲。自撮りもできるのでかなり広い
▲α7R IVの液晶ディスプレイの可動範囲。α6400に比べるとかなり狭いが、自撮り以外は対応できる範囲内
ということで、まだまだ触り足りていない状況なのですが、α7R IVの魅力にはどっぷり浸かっております。瞳AFのおかげで、筆者のような腕でも、被写体がどんなポーズを取っていようが、瞳にピントが合っている画がカンタンに撮れます。ただ、やはり構図も大切だしよりカメラを深く理解するためにも、独学より簡単なセミナーに参加してみたり、撮影会への参加頻度を上げるなど、いろいろとトライしたいですね。というより宝の持ち腐れにならないよう、努力したくなるカメラです。
今度子供たちの運動会があり、そこで顔認識が活躍できるのか、ちょっと試してみたいですね。リレーとかで、他の選手がいるなか、わが息子にバッチリピントが合うのか。また、レポートできたらと思います。
この記事はEngadget 日本版からの転載です。