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筆者はiPhone 11 Pro Max 512GB ミッドナイトグリーン(以下11PM)を9月20日に購入しました。消費税合わせて17万424円。いまメインで使っている2画面ノートPC「ZenBook 14」(購入金額15万6060円)より高価なので、正直頭がクラクラします。
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せっかく自腹で購入したわけなので、現時点で11PMに対して思うことを率直に皆様にお伝えしたいと思います。

■ようやくiPhoneに初搭載されたトリプルカメラには大満足

まず、11PM最大の売りであるトリプルカメラには非常に満足しています。自分を含めたAndroidユーザーが「そこは我々がすでに3000年前に通過した道だ、ククク」とほくそ笑む気持ちはわかりますが、iPhoneに超広角カメラが搭載されたのは今回が初めて。iPhoneを使い続けているユーザーには世界初に等しい、待ちに待った新装備です。

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▲11PMの超広角カメラで撮影

景色を広く切り取れる超広角カメラでの撮影は新鮮ですね。情報量(モノ)が多くなるので構図を決めるのが難しいですが、せっかくの新装備なので超広角カメラを多用しがち。SNSで超広角を活かした写真や動画を拝見するのが、いまから楽しみです。

なお、iPhone X/XS/XS Maxでは広角+望遠カメラという組み合わせでしたが、iPhone 11では広角+超広角カメラという組み合わせに変わりました。この路線変更には驚きましたが、その一方で納得もしました。遠くの被写体を拡大することは可能ですが、画角を広げることはできません。デュアルカメラなら広角+超広角という組み合わせがベストだと思います。

■パフォーマンスはスマートフォン最高クラス

アップルは11PMが搭載するSoC「A13 Bionic」を「スマートフォンの中で最も速いチップ」と謳っていますが、たしかにベンチマークソフト「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「460745」と、9月24日時点でAndroid最速端末「ROG Phone 2」の「396813」の116%に相当するスコアを叩き出しています。

ただし、11PMの新機能の数々はA13 Bionicに支えられているとのことですが、実際の作業で高速処理の恩恵を実感できるのは4K動画の書き出しぐらいかもしれません。現時点の3Dゲームをプレイするのが主目的なら、価格の安くなった旧型iPhoneや、iPod touchがオススメです。

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▲11PMの「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「460745」

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▲Android最速端末「ROG Phone 2」の総合スコアは「396813」

■ナイトモード(夜景モード)は発展途上

夜景を明るく撮影できる「ナイトモード」は現時点では取り扱いが難しく、また画質も先行するファーウェイ端末のほうが上です。11PMは暗所では自動的にナイトモードに切り替わり、撮影時間が決められますが、デフォルトの撮影時間ではかなりノイズが発生しています。毎回撮影時間を10秒に設定したほうが、良好な結果を得られます。

しかし11PMで10秒に設定したとしても、「HUAWEI P30 Pro」のほうが暗所ノイズは少なく、また強い光源の白飛びも抑えられていました(下記の写真では色ではなく、ノイズや間接照明の白飛びなどを比較してください)。今後のアップデートでナイトモードの画質が先行するファーウェイに追いつき、追い越すことに期待したいところです。

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▲11PMのナイトモードで撮影時間3秒で撮影

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▲11PMのナイトモードで撮影時間10秒で撮影

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▲HUAWEI P30 Proの夜景モードで撮影

■なぜUSB Type-C端子を採用しないのか?

11PM最大の不満点はUSB Type-CではなくLightning端子が採用されていること。自宅ではワイヤレス充電するので端子は使いません。でも出張などにワイヤレス充電器を持っていくのはジャマ。出張時に携帯するほとんどのデバイスがUSB Type-C端子になっている筆者にとって、Lightningケーブルを別途持ち歩かなければならないのは非常にメンドーです。

実は、今年は新型iPhoneを買うのをやめようと思ったぐらい、Lightning端子が引き続き採用されたことが残念でした。来年発売される「iPhone 12 Pro Max(仮)」には、ぜひUSB Type-C端子が搭載されることを、呪いに近いレベルで強く望みます。

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▲1万円高価な特別バージョンの「iPhone 12 Pro Max with USB Type-C(仮)」だったとしても、一瞬の躊躇なくポチりますよ

■ノッチ(切り欠き)が大きすぎ

最近Androidスマホではノッチ(切り欠き)レスモデルも登場しています。そのようななかで11PMは顔認証システム「Face ID」を搭載しているとはいえ、ノッチが大きすぎます。あくまでもFace IDにこだわるのならノッチが残ってもよいですが、せめてもう少し小さくしてほしいです。どんなアプリを使っていてもつねに情報が表示されるステータスバーはやはり便利ですし、そこにはいま以上の面積が必要です。

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多くのセンサーが搭載されているとはいえ、11PMのステータスバーは狭すぎ。個人的にはインスクリーン型のTouch IDを採用して、Face IDはなくしてほしいです

■永遠に外部ストレージは採用されないのでしょうか?

カメラ機能が向上したからこそ強く思うのですが、写真や動画を保存するために外部ストレージを内蔵してほしいです。4K動画を撮りまくるYouTuberさんなどは512GBモデルでも手狭に感じているのでは? microSDメモリーをデュアルスロットで搭載し、バックアップできてこそプロ仕様と言えます......というのは言い過ぎですけども。

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▲実売価格10万円前後の1TB版microSDXCカードはまだ高嶺の花ですが、128~256GBのmicroSDXCカードを抜き差しして利用できれば、iPhone本体の容量を気にせずに4K動画を撮りまくれます

後半は不満というか、アップル様への嘆願書的な内容になりましたが、なんだかんだで毎年買い換え続けているほどiPhoneと、それを取り巻くサービスは、筆者にとって身近で、なくてはならないものになっています。製品を作るのには美学であったり、哲学が必要ですが、10年以上懇願され続けているユーザーの要望については、そろそろ応えてくれてもよいのではないでしょうか? お代官様。
この記事はEngadget 日本版からの転載です。
RSS情報:https://news.aol.jp/2019/09/25/type-c-iphone-11-pro-max/