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『ホワイトゾンビ』から『ワールド・ウォーZ』まで...ゾンビの進化を復習
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『ホワイトゾンビ』から『ワールド・ウォーZ』まで...ゾンビの進化を復習

2013-08-13 18:30
    Filed under: 国際, カルチャー, 映画, 深夜, トピックス

    ブラッド・ピット製作/主演で話題の『ワールド・ウォーZ』が、現在絶賛公開中! それを記念して、ゾンビ映画の歴史をざっと振り返ることができる動画をご紹介。すでに日本では観ることが難しい作品も含まれているが、文脈をおさえておいて損はナシ! きっとゾンビ映画を深く掘り下げるきっかけになるはずだ。

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    まず、世界初のゾンビ映画と言われる『ホワイトゾンビ』(1932年)は人を襲って喰らうゾンビではなく、怪奇俳優ベラ・ルゴシが演じる魔術師によって蘇らされた死体が登場。同じく『死霊が漂う孤島:King of the Zombies』(1941年)、『私はゾンビと歩いた!:I Walked with a Zombie』(1943年)のゾンビたちも、ブードゥーの呪術による"動く死体"といった程度の存在で、怪奇映画の一要素として描かれている。

    "史上最低の映画"と謳われる、エド・ウッド監督の『プラン9・フロム・アウタースペース』(1959年)は「宇宙人が死人を蘇らせる」という超B級作品だが、後年カルトヒット。怪奇映画の老舗ハマーフィルム製作の『吸血ゾンビ:THE PLAGUE OF THE ZOMBIES』(1965年)は凡作ながら、後のゾンビの源流となる要素が随所に散りばめられている。

    そして、1968年に誕生したのがジョージ・A・ロメロ監督による『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』。はじめて"墓から這い出て人間を襲い喰らうゾンビ"を描いた記念碑的作品で、現在はニューヨーク近代美術館(MoMA)に所蔵されている。

    70年代には早くも『死体と遊ぶな子供たち:CHILDREN SHOULDN'T PLAY WITH DEAD THINGS!』(1972年)『悪魔の墓場:DON'T OPEN THE WINDOW』(1974年)といった二番煎じのゾンビ・パニック作品が登場するが、ブラックスプロイテーション・ゾンビ映画『シュガー・ヒル』(1974年)など、時勢を反映した興味深い作品も。

    1978年にはロメロ御大が『ナイト~』に次ぐゾンビ3部作の2作目、『ゾンビ:DAWN OF THE DEAD』を発表。青白い顔で両手を突き出し、唸りながらノロノロと歩いて人間を襲う...いわゆる現代におけるゾンビのパブリック・イメージを作り上げた最重要作だ。

    そんな『ゾンビ』へのイタリアからの回答(?)である『サンゲリア:ZOMBIE』(1979年)は、海中でゾンビとサメが対決するバカ・シーンや眼球串刺しなどグロ描写が満載ということで根強いファンも多い、イタリア・ホラー界の巨匠ルチオ・フルチ監督による傑作。ちなみに同監督作『ビヨンド:THE BEYOND』(1980年)は脚本が崩壊しているため、"ながら観"しているとゾンビが出てくる以外どんな話だったかさっぱり分からないという問題作だ。なお、フルチの影響を強く受けた(というか流用した)『人間解剖島ドクター・ブッチャー:ZOMBIE HOLOCAUST』(1980年)は、タイトルからも分かるように"ゾンビ + 食人族"という胸焼け必至の無茶なトッピングが最高な1本である。

    80年代には、幼少時にテレビで観たオーバー30世代が当時こぞって真似した「脳ミソくれ~」でお馴染みの、『バタリアン:THE RETURN OF THE LIVING DEAD』(1985年)が登場。コミカルでハイテンションなゾンビたちがクセになる、殿堂入りホラー・コメディだ(後に続編が4本も製作された)。

    さて、ロメロ3部作の3作目となる『死霊のえじき:DAY OF THE DEAD』(1985年)では、ついにゾンビが人間の数を上回るという終末的世界が舞台に。そんな絶望的な状況を描きつつも、ロメロは"ゾンビの科学的研究"という新たな側面を提示し、知能を持つ愛すべきゾンビ・キャラ、"バブ"を生み出した。

    90年代は、なんといっても『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ等で知られるピーター・ジャクソン監督の出世作『ブレインデッド』(1992年)だろう。めちゃ強いカンフー神父、赤ちゃんゾンビ、巨大モンスターと化すババアなど、ゾンビ映画の枠を超えたハチャメチャっぷりが楽しいカルトな1本だ。

    00年代は、全力でダッシュするゾンビが衝撃的だった『28日後...』&『28週後...』、リスペクト精神あふれるイギリス産ゾンビコメディ『ショーン・オブ・ザ・デッド』、ファミリー層にまでゾンビを浸透させた『ゾンビランド』などが記憶に新しいだろう。

    これらの近代ゾンビ映画とも一味違った設定で観客をアッと驚かせる『ワールド・ウォーZ』は、おそらく歴史上もっとも多くのゾンビが登場する超大作。ゾンビ・ファンでなくとも、ぜひド迫力の世紀末描写を堪能するべく劇場へ急ごう!


    【動画】進化するゾンビたち



    【参照リンク】
    ・The Evolution of the Zombie
    http://www.film.com/shows/mashups/2013-19-06/mgid:uma:videolist:nextmovie.com:1709320/

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