「経営者たるもの、湯布院と京都で同時にデートできなければ、成功などしない」
これは、同時にいくつもの事業を動かして、それぞれのお客さんを満足させることができなければ、経営者としては成功しないという例え話です。例えたのは、高橋仁氏の書籍『運命のバーカウンター』に登場するとある酔っ払い社長。
破天荒で非常識な経営論を持つこの酔っ払い社長ですが、彼のアドバイスをもとに行動すると、不思議と経営がうまくいくというのです。ITベンチャーの会社を退職し、リラクゼーションの会社を起業した同書に登場する安井義男も、酔っ払い社長の言葉を受け、事業を急激なスピードで成功させた一人。
「一つのものだけにこだわって力を注いだらアカン。変化が怖くなる。相反することをいくつも同時にトラブルなく進められる能力を身に付けたきゃ、地道にやるしかあらへん」(酔っ払い社長)
「経営でいえば、親会社もグループ会社もちゃんといい関係でいられるかってことだ。連結決算といったって、頑張ってる子会社が親会社のために犠牲になってることだってある。そんなのじゃグループ全体でいい方向にはいかない。そういうのはな、ヨッ君(安井義男)。決まった相手と決まった付き合いしかしていない経営者には難しいってことだよ」(酔っ払い社長)
元々は「2人の女性とデートできないといけない」という話だったにも関わらず、聞いているうちに、何だか妙に説得力のある経営論になるのが、この酔っ払い社長の魅力。しかし、経営者ではなくとも、この厳しい時代を生き残っていく上では、変化を怖がっていてはいけません。並行していくつもの仕事や人脈を築かないといけないのです。
他にも、「経営者は朝から会社にいない方が儲かる」「企業理念なんて本当はなくてもいい」「優秀な社員は必要ない」など、小説なのに、なんだかためになりそうなテーマがたくさん。
これまで、自社の顧客や女性社員、起業志望者、若手の経営者に向けてメッセージを発信し続けてきた高橋氏による4冊目の書籍。小説仕立てで構成されたビジネス本となっています。
都会の闇にこっそり佇むバーで、今宵も闘う男たちが語り合う経営論。あなたにも刺激的で説得力のあるアドバイスを投げかけてくれる先輩はいますか?
【書籍データ】
・『運命のバーカウンター』 高橋仁著 幻冬舎
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