従業員が勤務中に悪ふざけ、そして、その写真をツイッターに投稿し、拡散、炎上といった事件が、今年になって続きました。ローソンをはじめ、ミニストップ、バーガーキング、ほっともっと、ブロンコビリー......身近なお店で次々と勃発する炎上事件。東京のそば屋では、この事件が引き金となり、破産手続きの開始決定を受けるなど、深刻な事態にもなっています。
書籍『迷惑行為はなぜなくならないか』では、このような事件が立て続けに出てくる背景について分析しています。
「ふつうの人は、食材の上に寝転がっている写真を見て喜ぶ人間など、多くないことがわかっている。ところがツイッター騒動の当事者たちは、『みんな喜んでいるみたいだから』と思いこんでいる。自分の想定する『みんな』が、ごくごく特殊な人であることに、気がついていないのである。そのギャップが、こういう炎上騒動が後を絶たない背景にあるのではないか」
次々と起こる炎上事件。自分がやらかす前に他の誰かが問題をおこし、社会から制裁を受けているのを見ているはずです。しかし、誰だってやっていることだし、そんなに騒ぐとこではない......といった軽いノリで模倣してしまうのだとか。
非社会的な行為は許されないことですが、こういった"悪ノリ"は以前から見えないところで繰り返されてきたもの。仲間内で「バカだなあ」と言い合ったりし、あくまで身内ネタだけで終わっていました。しかし、今はツイッターといったツールが登場し、状況が異なってしまい、こういった炎上事件につながっています。
これらの愚かな行為を批判するのは当然ですが、社会も不寛容になりすぎてはいないかと、同書では警鐘を鳴らしています。
「マスコミやネットの反応を見ていると、集団リンチの様相を呈していないだろうか。犯罪と断じるようなレベルでもない、不快なる程度のものを、社会的に抹殺されるほどにまで追い詰めるのは、正直怖い。『若気の至りだな』『高級店じゃないし、こんなもんだよな』と、生暖かい目で見る程度ですむ話ではないか。低賃金のアルバイトに一流の仕事・サービスを求める過度の高望みが、こういうかたちで噴出してきている気がする」
また、最後に私たちの生活上の注意点についてもアドバイスが。
「私たちが漠然と、もしくは疑いもせず、『このくらいならいいだろう』とか、逆に『やってはいけない』『守らなければならない』と思いこんでいることも、所属する集団のルールが違えば、180度変わってしまうほど、あやふやなものである」
自分の当たり前は他人にとって当たり前ではない。このことを再確認し、お互いマナーよく生活していきたいものです。
【書籍データ】
・『迷惑行為はなぜなくならないか』 北折充隆著 光文社
【参照リンク】
・【バカッター】店員・客による炎上まとめ【バイトテロ】
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