1月15日、TBSテレビとインフォコム株式会社が協業して開発した新たなマーケティングサービス「Histrend(ヒストレンド)」の提供が開始された。同サービスは、企業のマーケティング・プロモーション・商品開発関連部向けに開発された、消費者の嗜好を"関連性"という視点で分析するサービスだ。
昨今、企業の消費者向けプロモーションは多様化している。このように表現すると安易な言い方になってしまうかもしれないが、"メディアミックス"や"コラボレーション"、"タイアップ"といった形で、ひとつの商品やサービスをプロモーションする際、別の商品・サービスそれ自体やその特性を関連付けた"何か"を併せて提供する形式が当たり前になっているのである。
たとえば、ある旅行代理店が提供する海外ツアーに「いま申し込めば〇〇の限定グッズプレゼント!」という宣伝文句が付いていたり、大手チェーン系飲食店やコンビニが人気マンガ・アニメをモチーフにしたメニューを新発売したりといった具合だ。多くの人が、このような関連付けられたプロモーション活動を目にしたことがあるだろう。
このようなプロモーションにおいて重要となるのが、「関連付けているもの同士の相性は、はたして消費者にとって良いものなのか?」ということだ。組み合わせる上での親和性が高いものでなくては、せっかく時間やお金をかけてプロモーションの用意をしたところで、意味をなさない。
この「Histrend」は、そんな視点に立ったマーケティングサービスといえる。同サービスが保有しているのは、TBSマーケティング部が約40年間継続して調査してきたという"人の好み"に関するアンケート「TBS総合嗜好調査」で蓄積されたデータだ。このデータに基づき、ブランド・人・モノなどで"共に好まれやすい"もの同士の関係性を可視化するツールとなっている。
たとえば、2012年度の同調査では以下のような嗜好の関連性があることが分かっているそうだ。
■「興味を感じる・くわしく知りたいと思う日本歴史上の人物」という設問で「織田信長」と答えた人は、「ローストビーフ」や「とんかつ・串かつ」などの肉類が好きで、同時に「とら」や「ライオン」といった攻撃的な動物を好む傾向がある
■同設問で「徳川家康」と答えた人は、信長派とは違い「白菜」といった草食を、また「イルカ」や「パンダ」といった穏やかでおとなしい(イメージの強い)動物を好む傾向がある
■「好きな芝居・演劇・演芸」で「劇団四季」と答えた人は、「好きなブランド」で「無印良品」を挙げる傾向がある
(すべて「ヒストレンドプレスリリース」より引用)
このように、様々な「共に好まれやすいもの」をジャンルを問わず把握できるというのが、同サービスの売りだ。企業側にとっては、具体的なペルソナ(ターゲット軸)をイメージすることが容易になるだろう。特に、「劇団四季」と「無印良品」の関係性のような例は、有効な販売促進プランを生むのに役立ちそうだ。
「Histrend」では今後、世代・性別・年代といった切り口で消費者を分類することが可能になるとされているほか、ペルソナと同じ経験をした同年代の消費者が時間の経過と共にどう変化するかを時系列に分析する手法やその分析例などの情報を定期的に発信していくとしている。
このようなアップデートも含め、今後「Histrend」のようなマーケティングサービスが、多様化するプロモーション活動の中で思考をめぐらす企業に重宝されていくかもしれない。
【参照リンク】
・ヒストレンド 消費者嗜好分析サービス
https://histrend.jp/
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