ドラマや映画を観ていて、「あれ、ここ以前も見たことあるな」と思ったことがある人は、少なくないだろう。部屋のシーンなどはスタジオにセットを建てこんで撮影するが、室内シーンだけで成立する作品は稀。外での撮影はもちろん、よりリアリティのあるシーンを撮るために、店舗やビルを借り切って撮影することになる。
しかし、撮影は時間がかかるもの。ほんの数分のシーンでも、数時間貸し切らなければ撮影できない。さらにドラマや映画には多くのスタッフが関わるため、大人数のスタッフが収容でき、セットなどを運ぶ機材車やロケバスが停められるスペースが確保できる...といった条件をクリアしており、さらに撮影に協力的な店舗、建物となると場所が限られてしまう。
そんな制作サイドの事情により、違う局の作品にも関わらず、何度も登場する「有名ロケ地」が誕生するのだ。
最高視聴率42.2%を記録し、ブームになった『半沢直樹』(TBS系)。続編を希望する声が後を絶たず、放送が終了した今も、ロケ地を巡るファンは多い。そんな『半沢直樹』のロケ地にも、意外と「有名ロケ地」が多く使用されている。
劇中で何度も登場した、半沢が勤める『東京中央銀行』の階段のあるホールは東京・上野にある東京国立博物館・本館大階段が使用されている。
この階段は、『半沢直樹』の堺雅人が主演した『リーガル・ハイ2』(フジテレビ系)の最高裁判所の内部として登場したほか、TBSの作品では中居正広主演の『ATARU』でアメリカ大使館の設定で登場。『南極大陸』では木村拓哉演じる倉持岳志が南極観測の予算を頼んだ大蔵省の階段としても使用されるなど、「ロケ地の聖地」といっても過言ではない。
ちなみに公式サイトに掲載されている撮影使用料は、通常料金はスチールで2万円。ムービーでも3万円とリーズナブルなのも、よく利用される理由と思われる。
余談だが、『リーガル・ハイ』シリーズの裁判所シーンとして使用されたのは、道を1つ隔てた上野公園内にある『国立科学博物館』。堺雅人ファンはセットで巡ってみるのも良いだろう。
【参照リンク】
・東京国立博物館 テレビ・映画・雑誌等の撮影
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=190
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