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2013年から2014年にかけての冬、最も成功したウインターソングのひとつは、バンド「SEKAI NO OWARI」による"JR SKISKI"のキャンペーンソング『スノーマジックファンタジー』だろう。


1月22日に発売された同曲は、初週で10万枚を売り上げ、同バンド初となるオリコン週間ランキング首位を獲得した。同曲のヒットにより、"新進気鋭のバンド"から誰もが認めるビッグアーティストへと進化したといえそうな「SEKAI NO OWARI」。彼らについて、最初に誰もが気になる点といえば、なんといってもそのバンド名だ。

漢字にすれば「世界の終わり」となるこのバンド名は、一見すると曲名のように思えなくもない。しかし、そんな"変な"バンド名でも、認知度が高まれば自然と「セカオワ」という略称も生まれ、最初に抱く違和感もいつの間にか消え去るのだ。

現在、日本の音楽シーンでは、このような「一見、曲名と勘違いしてしまいそうなバンド名」の若手バンドが増えている。まとめサイト・NAVERまとめの「これ曲名じゃなくてバンド名?!って戸惑うことが増えてきた件」という人気ページでも一部紹介されているそのようなバンドを、いくつか挙げてみよう。

男性スリーピースロックバンド「忘れらんねえよ」、メンバーの津野がSMAPに曲提供もしているガールズバンド「赤い公園」、現在人気急上昇中の「ゲスの極み乙女。」、芸術性の高いパンクバンド「それでも世界が続くなら」、東京中西部で育った6人の若者で活動する「失敗しない生き方」などだ。

このほかにも、「さよならポニーテール」、「さよなら、また今度ね」、「テスラは泣かない。」、「森は生きている」といった、曲名に思えそうなバンド名のグループは複数存在。「THE〇〇」や「~ズ」「~ツ」に代表されるような、バンド名を付ける際の言葉づかいのセオリーにとらわれないアーティストが増えている傾向があるといえそうだ。

そして彼らは、日本語を大切にしているともいえるだろう。英語圏のバンドでも、日本人にとってはバンド名として違和感をもたないが、本国では「おかしい」とその名前が指摘されるバンドは複数ある。グラミー受賞バンド「Hootie and the Blowfish」は日本語だと"ふくろうとフグ"という意味であるし、全世界で4000万枚以上売り上げるカナダのロックバンド「Nickelback」は、"5セントのお釣り"という意味だ。

上に挙げたような日本のバンドも、セオリーにとらわれないだけでなく、外国語に頼らずに日本語でバンド名を付けている。その姿勢は、それぞれのオリジナリティーあふれる音楽性とも無関係ではないだろう。

「SEKAI NO OWARI」のヒットは、何よりも音楽、すなわち実力が最も重要であることを示しており、上に挙げたようなバンドのヒットが続けば、バンドだけでなく日本のあらゆるグループ名のネーミングが変化していくかもしれない。

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