先週はサイバーエージェントが開催する「スタートアップ版あした会議」にメンターとして参加させていただきました。
「スタートアップ版あした会議」とは、設立2年以内のスタートアップ企業を対象にビジネスプランを競い合うコンテストで、今回初めて開催されました。サイバーエージェントの経営陣や事業立ち上げ経験豊富な子会社社長などがアドバイザーとなって、参加チームと共に事業を飛躍的に伸ばすプランを一緒に考える1泊2日の合宿形式で行われました。
私が経験のないうちから経営者をやらせていただいていることもあって、こういった会議以外にもアドバイザーのような役割で私より若い起業家と話す機会が何度かあります。今回はその中で感じたことを書きたいと思います。
私が起業をした頃に比べると、最近の起業家である彼らは本当に優秀な人が多いと感じます。情報感度も非常に高いですし、集めてくるメンバーもすぐにでも事業が始められそうな人を集めてきます。しかしながら、事業内容が決まりそれに向けて走りだすまでには意外と時間がかかってしまうケースがあります。
なぜ優秀な人がこんなにも事業立ち上げまでに時間がかかるのかを考えてみると、リーダーとしての決断経験が足りてないことに原因があることが多いです。社長やリーダーとして最も大事な仕事は「何かを決断し、決断した選択を正解にする」ということです。
その決断はリーダーしか出来ないのですが、この決断経験がないとなかなか難しいのです。
市場にはありとあらゆるチャンスがあるので決断経験がないリーダーだとあれもこれもやりたくなってしまうのです。
魅力的な選択肢がある中のどれか一つに決断しそれ以外のものは諦め集中しないとベンチャー企業に成功はありません。
また、事業を絞り込めたあとでもたくさんの罠があります。
検討して諦めた事業で隣のベンチャー企業がぐんぐん伸びていったり、決断した事業が想定外の壁にぶつかってしまいすぐに新しい事業に手を出そうとしてしまったりすると、事業が進んでいきません。
決断できないリーダー、決断したことをやり切らないリーダーをメンバーは本当によく感じとります。
リーダー以外の人は気づいているのにリーダーだけ気づいてないケースも多いのです。
何かを決断しそれ以外の事を諦めて飛び込むのは本当に怖いことです。
しかしその飛び込みがなければ大きな成果は手に入れることはできません。
「あれもやります、これもやります」は何も言ってないのと同じです。決断を先延ばしにしたり、決断したことをやりきているかどうかは定期的に見直す必要があるでしょう。
株式会社アプリボット
代表取締役社長 卜部宏樹
【参照リンク】
・株式会社アプリボット
http://www.applibot.co.jp/
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