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「久々に牙をむいた」 『OV監督』で絶賛された千原ジュニアの「クレーム」
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「久々に牙をむいた」 『OV監督』で絶賛された千原ジュニアの「クレーム」

2014-05-21 12:30
    Filed under: TV, 国内, 芸能, 深夜, 連載

    『OV監督』(フジテレビ)は昨年12月に放送されたパイロット版を経て、今年4月からレギュラー化された番組。千原ジュニア、劇団ひとり、バカリズムというレギュラー陣と数人のゲストが毎回あるテーマに沿った「OV」=おもしろVTRを制作し、3人の審査員がその回の優秀作品=MOVを決めるというものだ。


    5月19日深夜の放送の回のテーマは「クレーム」。
    ゲストのオリエンタルラジオ中田、ずん飯尾、平成ノブシコブシ徳井、そしてレギュラーの千原ジュニアがOVを持ち寄った。
    その中でも、千原ジュニアの作品は「これは凄い」「『OV監督』で一番の出来」「おもしろいし、世間に対して訴えてる」「ジュニアさんが久々に牙をむいた感じ」と他の出演者が口々に絶賛するものだった。
    これまでこの番組の千原ジュニアの作品は自分の母親を使ったり、あえてハズした感じのものが多かった。だが、ジュニア本人も「こんなにちゃんと取り組んだの初めてです」と言うように、真正面から作られたジュニアらしい切り口の力作だった。

    『ロストライフ』というドラマという設定で幸せそうな家族の光景が映し出される。
    会社帰りの父親を出迎えに行く娘。父親の姿を見つけると駆け出す娘だが、そこに走ってきたトラックに父親の目の前で轢かれてしまう。
    「まなみ!」
    絶叫する父親。娘を救おうと駆け寄ろうとするが、目の前の信号は「赤」。父親は律儀にそれが「青」になるのを待っている。
    ようやく血まみれで重傷を負った娘を抱きかかえると、父親は急いで自分の車の助手席に娘を座らせる。もちろんシートベルトをしっかり装着して。
    さらに、父親は乗車前の点検も怠らない。発車前は指差し確認だ。
    娘は見るからに重体。一刻を争う。しかし、法定速度は絶対だ。「まなみ、しっかりしろ!」と呼びかけながらも父親は40キロのノロノロ運転で病院へ急ぐ。
    そこに母親からケータイに電話が。もちろん父親はいったん車を止めて電話に出るのだった―――。

    ここまででも道路交通法を皮肉りつつ、ルールの遵守や「正しさ」を過剰に求める風潮への痛烈な風刺になっている。
    だが、ジュニアのOVはこれだけでは終わらない。そのオチにはさらなる強烈なアンチテーゼが描かれていた。

    実際の映像は現在、『OV監督』の公式ホームページで公開されているので是非見て欲しい。
    審査員の茂木健一郎も「今のVは視聴者が試される。これを見て笑える人もいるだろうけど、またこれでクレームが来るかも」と激賞。
    番組史上初の審査員全員一致でのMOVに輝いた。
    わずか5分35秒の映像だが、それは今の世間の風潮に対するジュニア流のクレームだった。

    文=てれびのスキマ(http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)

    【参照リンク】
    ・『OV監督』公式サイト
    http://www.fujitv.co.jp/ov_kantoku/ 

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