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美容師さん・理容師さんとの会話が苦手だから美容室や理髪店に行くのがイヤだ、という人は多いのではないだろうか。
どんな会話をすればいいのか、話の間は持つか、聞かれたくない話題になったらどうしよう......。
かくいう私も、美容師さんとの会話が苦手で仕方がない。
どうでもいい世間話をするくらいなら、髪の毛が伸び放題でもいいとさえ思う。

でも待てよ、この間見た『her/世界でひとつの彼女』という映画では、粋な会話をする人工知能が登場していたけど、
iPhoneの「Siri」だったらば、この問題を解決してくれるのではないだろうか。
面倒な美容師さんとの会話を、すべてSiriにまかせてしまってはどうだろうか。


というわけで、美容室にやってきた。
しゃべるのが面倒なので、美容室店長さんとの会話はぜんぶSiriにゆだねようと思う。

店長:「今日はどうしましょうか?」
筆者:「あ、これ(Siri)と話してもらえます?」
店長:「え......? Siriとですか?」
Siri:「ポポン」



店長:「今日はどうしましょうか?」
Siri:「こちらが京都市です」



店長:「......」


美容室に「ダメだこりゃ」という空気が流れた。
そんな空気にも負けず、親切にも「もう一回やってみますね」と店長。

店長:「どんな感じにしましょうか?」
Siri:「Webでこちらの情報が見つかりました」



Siriは「どんな感じ 情緒」というフレーズだと認識したようだ。
検索結果を見ると、なにやら怪しいキーワードが並んでいる。
Siriは煩悩だらけのようだ。主人である私に似たのだろうか。



これではいつまでたっても髪を切ってもらえない。
やむなく「さっぱりした感じにしてください」と口頭でお願いした。
まあ、これくらいならSiriに頼らなくても自分で言えるだろう。
いよいよカットに入り、世間話タイムの始まりである。



まず会話は、客を知ることから始まる。
店長:「最近引っ越してこられたんですか?」
Siri:「それは面白い質問ですね」


店長:「......」


だめだ、Siri、感じ悪すぎる。

店長:「何関係のお仕事されているんですか?」
Siri:「それは面白い質問ですね」


店長:「......」


Siriあんまりだ。これが本当に人間同士の会話だったら、ケンカを売っているとしか思えない。

店長:「あー、どうしたら会話になるんですかね」
ここへきて、店長もSiriとなんとか会話したいという気持ちになってきたようだ。Siriとケンカにならなくてよかった。

店長:「最近どうですか?」

店長は攻め方を変更して、Siriに対してずいぶんざっくりとした質問を投げかけた。

Siri:「体調は万全です!」


店長:「それはなによりです!」
なんと、奇跡的に会話は成立した。
これは実際に美容室でありそうな会話だ。その調子、その調子。

店長:「今日は天気が崩れそうですね」
Siri:「はい、今日は少し雨が降りそうです」


やった、この会話も成立した。店長も「けっこうやるもんですね」とうれしそうだ。


というわけで、美容師さんとの会話が苦手な人はSiriにまかせるというのもアリなのかもしれない。

......とまとめたいところだが、そういうわけにもいくまい。
会話が苦手な人が美容師さんに「Siriと話してください」となど言えるわけがない。
実をいえばこの美容室「mawhair(マウヘアー)」に私は数年来通っていて、店長の弘仲さんとは飲み友達であったりもするのだ。
だからこんなむちゃな企画にも付き合ってもらえたというわけである。

美容師さんとの会話が苦手だった私だが、弘仲さんは絶妙なトークセンスで私の心を開いてくれた。
そんな弘仲さんに、会話が苦手な人は美容室でどうすればいいのか聞いた。

--会話が苦手だったりコミュニケーションが苦手な方でも、美容室に来るということはキレイになりたい、カッコよくなりたいと思っているわけじゃないですか。自分をそう見せたいということは、それがもう「人とコミュニケーションしたい」と思っているということなんですよ。だから、私はお客さまのその気持ちを聞き出すだけですね。



なんだかカッコイイセリフではないか。
Siriはインターネットでユーザーの疑問を解決してくれるが、美容師さんは髪をカットすることで、客であるわれわれの問題を解決に導いてくれる存在なのだ。
「でもね、逆にコミュニケーションが苦手な美容師もいるんですよ」と言う弘仲さん。
じゃあ、そういう美容師さんがSiriを使って客と会話したらどうなるだろうか。
現状のSiriにはまだ無理だろうが、今週末から公開する映画『her/世界でひとつの彼女』に登場する人工知能型音声アシスタント「サマンサ」だったら、ひょっとするとその役割を果たせるかもしれない。

離婚したばかりの中年男性が人工知能のサマンサと恋に落ちるこの映画について、映画好きの弘仲店長とそんな話題で盛り上がった。

取材協力:美容室mawhair(マウヘアー)
URL:http://www.maw-hair.com/

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