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ついに観たぞ!『GODZILLA ゴジラ』レビュー 東宝ゴジラが21世紀に復活(杉山すぴ豊)
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ついに観たぞ!『GODZILLA ゴジラ』レビュー 東宝ゴジラが21世紀に復活(杉山すぴ豊)

2014-07-17 12:00
    Filed under: AOL限定, 映画

    観終わった後、今回のゴジラのフィギュアが欲しくなりました!僕の好きなゴジラが帰ってきた!
    そして今回のキャッチ・コピーが
    「世界が終わる、ゴジラが目覚める。」
    これはすごく正しいのです!
    決して「ゴジラが目覚める、世界が終わる。」ではないのです!(笑)
    極力ネタバレなしのレビューです。


    まずはじめに、僕はいわゆるエメリッヒ版「ゴジラ(98)」も好きです。これはエメリッヒの出世作である「インディペンデンス・ディ」が、50年代の名作侵略SFパニック映画「宇宙戦争」へのオマージュだったように、彼は同じく50年代に流行した「核の影響で変異した巨大生物が街を襲う」というパターンのSFモンスター映画を作ってみたかった。そして、その企みを実現するにあたって "ゴジラ"というブランド名を利用した、と考えた方がよいでしょう。

    つまりエメリッヒにとって、"ゴジラ"とは"巨大怪獣もの"というジャンル名とほぼ同義語であり、だから"ゴジラ映画"ではなく、"巨大モンスターパニック映画"として観ると「ゴジラ(98)」は、とても楽しめる作品でした。


    そしてもう一つ、ハリウッドが作った"ゴジラ"があります。J.J.エイブラムスがプロデュースした「クローバーフィールド/HAKAISHA(08)」です。これはエイブラムスが来日した際、ゴジラのおもちゃが売られているのを見て着想したと言われています。"怪獣襲撃事件を撮影した市民のビデオ"という構成で物語が進む異色作でしたが、大都市を襲う巨大怪獣の怖さをタップリ味あわせてくれる傑作でした。登場する怪獣は、外見はゴジラとは似ても似つかないモノでしたが、ゴジラ1作目=54年版のゴジラに通じる怖さ、人間に対し無慈悲である、人知を超えた巨獣、という遺伝子は十分受け継いでいました。


    これらに対し、今度のギャレス・エドワーズ版「ゴジラ(14)」は、ストレートにかつての"東宝のゴジラ"を21世紀の映画界に復活させようという試みです。恐らくギャレス・エドワーズにとって、ゴジラはスーパーマンやバットマンのような"ヒーロー"に近い存在だったのでしょう。そう、今回の「ゴジラ(14)」は、ゴジラというスーパーキャラクターが暴れまわる、アクション・エンタテインメントなのです。


    ゴジラは、とにかく1954年の1作目の印象が強すぎて"核の恐怖の象徴"として論じられることが多い。これは、これで正しいと思いますし、改めて54年版を見直してみると、ゴジラの情報開示をめぐって国会が荒れるシーンもあったり、なによりも"核を超える、もっと恐ろしい兵器を使わなければゴジラを倒せない"というドラマの厚みもある。
    "見世物的娯楽映画を超えたメッセージ性のある作品"としての評価があることも十分うなずけます。

    しかしながら「ゴジラ(54)」が持っていた深み・重みをリスペクトしながらも、僕にとってのゴジラの魅力は、 60年代後半から70年代のゴジラ映画。このあたりのゴジラ映画は、怪獣ゴジラが豪快に暴れまわる活劇として作られており、その勇姿にワクワクしていたのです。世代的にギャレス・エドワーズ監督も、ゴジラと言えば、このイメージだったのではないか?ゴジラを復活させる、となると、やはりどうしても54年版を意識してしまう、、でもギャレス・エドワーズは、54年版よりも、むしろその後の怪獣アクション映画としてのゴジラの楽しさを追求しているのです。

    だから今回の「ゴジラ(14)」は、僕が胸躍ったゴジラ映画として復活してくれました!
    少年時代の、僕のヒーローだったゴジラにまた会えたのです。

    でも決して、子供だけに向いた映画ではありません。
    今度の「ゴジラ(14)」、は、怖いところは怖いし、パニック・スペクタクル映画としての緊張感も十分。
    怪獣がいまの世に現れたら、こういう風に人々には伝わるだろうな的リアリティもあります。

    今までのゴジラ映画になかった斬新な見せ方も魅力的。スピルバーグの「ジョーズ」を意識したそうですが、人食いサメが背びれをたてて水面を移動するように、ゴジラが、あの背中のトゲだけを見せながら、悠遊と海を渡るシーンの美しさとスケールに魅了されました。

    またゴジラが"原始怪獣にして原子怪獣"という設定も興味深い。昨今のアメコミ・ヒーロー映画同様、ゴジラ・シネマティック・ユニバースが拡がっていきそうな可能性を秘めています。この夏、是非 里帰りした、ゴジラに会いに劇場に行ってあげてください!

    ちなみに僕は仕事で、平成ガメラ・シリーズに関わっていて、「ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒」というタイトルの発案者でもあります。今度の「ゴジラ」の成功で、ガメラをハリウッドでリメイクしたい、という話も起こるかもです。ただいまハリウッドで亀と言えば「ミュータント・タートルズ」ですが(笑)

    ■すぴから皆様へ:
    ・7月18日(金) 夕刊フジさんとゴジラがコラボした「夕刊ゴジラ」が発売されます!僕も寄稿しているので、ぜひご覧ください。「ゴジラ(14)」の公式サイト NEWSの項目をご覧ください
    http://www.godzilla-movie.jp/

    ・また「G博」というゴジラのイベントも渋谷で開催です!
    http://g-haku.com/archive/index.html

    映画『GODZILLA ゴジラ』は、7月25日(金)より2D/3D/IMAXにでロードショー
    (C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC

    【参照リンク】
    ・『GODZILLA ゴジラ』公式サイト
    http://www.godzilla-movie.jp/ 

    ■関連リンク
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