もうすぐ待ちに待った夏休みがやってくる。山や海にキャンプやバーベキューなどアウトドアを計画している人も多いのではないだろうか。
アウトドアの醍醐味といえば、何と言ってもテレビなど電化製品のない大自然での非日常を満喫が上げられる。しかし、スマートフォンを肌身離さず持っていたい人にとって、充電が満足にできず、通信が不自由な環境に身を置くことは心もとない。
そんなアウトドアでの電気問題解決の鍵となるのが、熱エネルギーを電力に変換する発電方式「熱電発電」。馴染みのない言葉だが、太陽光によるソーラー発電などと同様に、新時代のエネルギー源と目される再生可能エネルギーのひとつだ。この熱電発電の技術が、鍋に火をかけることでスマートフォンを充電できる「発電鍋ワンダーポット20」として、商品化されていたので、実際に新潟県・妙高山の山小屋まで足を運び試してみた。
一見、何の変哲もない鍋に見えるが、味噌汁を作るべく水を熱し始めるとすぐに、充電可能を知らせる赤いランプが点灯。続いて付属のケーブルにiPhone5sの接続を試みると、充電中という表示に一瞬で切り替わり、充電がしっかりとされていることを確認できた。至ってシンプルな使い方で、あっさりと充電が完了してしまった。
とはいえ、料理をするだけでスマートフォンを充電できる仕組みや充電時間の目安など数々の疑問が残る。そこで開発を手掛けた大阪・池田市のベンチャー企業「TESニューエナジー」の浦田友幸さんに話を聞いた。
「鍋底に内蔵したモジュールが熱すると、温度差によってプラス方向に流れる電子とマイナス方向に流れる電子が活発に動くことで発電される仕組みです。たとえお湯が100度に達して沸騰しても、鍋底は最大550度まで上昇するので、その温度差で発電し続けます。充電スピードは、PCのUSB充電時と同じくらいですね」(浦田さん)
また、このシステムを応用し、昼間は太陽光発電、夜は熱電発電で電力をまかなう屋台「ワンダーワゴン100」を開発。調理をしながら発電できることから、発電機を必要とせずに食事を提供できる次世代の屋台として、すでに国内のみならずアフリカでも活躍中とのこと。
さらに熱電発電を利用した上位機種「ファイヤーパワー150」ともなれば、木材、薪の火から最大150Wの電気とお湯を作り出す。PCの充電はもちろん、冷蔵庫から冷えたビールを出して飲み、テレビを見ながら手作り露天風呂に入る贅沢を味わえる。その詳細は動画(https://www.youtube.com/watch?v=5VY0aau_3YY)に収められているのだが、大自然の真っただ中とは思えない設備の充実ぶりとその快適さに圧倒されるはずだ。
そもそも、こうしたユニークな商品の原点となった発電鍋を開発したきっかけを、前出の浦田さんは「東日本大震災が発生した際、たき火や炊き出しだけで携帯を充電するところがない光景を映像で見て、震災の当日から何かできないと思ったんです。それから3カ月ほどで発電鍋を完成させました」と話す。
今後はアウトドアや緊急時以外の活用も検討しており、一人暮らしのお年寄りが鍋を使うことで生存確認できるシステムを搭載するなど、アプリケーションとの融合を目指していくという。
他の発電システムにはない調理ができるメリットをもつ発電鍋。皆で材料を持ち寄り、 料理を作ってわいわい食べる機会が多いアウトドアにとって、まさにうってつけ。河原でのバーベキューから本格的な山登りまで幅広い活躍が期待できそうだ。
【動画】http://youtu.be/5VY0aau_3YY
【参照リンク】
・TESニューエナジー オフィシャルサイト
http://tes-ne.com/Japanese/
・「ファイヤーパワー150」動画
http://youtu.be/5VY0aau_3YY
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