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9月30日、モーニング娘。'14の日本武道館公演にて、新たに加入する4名の12期メンバーが発表された。尾形春水、野中美希、羽賀朱音、牧野真莉愛という、いずれも大いなる可能性を抱えた逸材である。道重さゆみが去ったあと、彼女たちを加えたモーニング娘。'15が新たな歴史を紡いでいく。そしてまた、奇跡のようなモーニング娘。'14の10人時代はこの日、終わりを告げた。


12期メンバーが加入する前日、奇跡のような信頼関係で繋がれた道重さゆみ以下、モーニング娘。'14の10人のメンバーはお休みを利用してたこ焼きパーティーを行った。このような自主的な会合はモーニング娘。史上初めてのことであり、10人時代の最後を告げるにふさわしい素敵なエピソードだ。

道重さゆみのリーダーとしての偉大さは今後も語られるに違いないが、残りの9期メンバー以下の9名もまた、道重さゆみという星に惹かれるようにして集った奇跡のような9名であった。それはまるで、南総里見八犬伝を思わせる。それぞれが「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」の文字が刻まれた数珠を持つ八剣士が一同に集う、長編伝記小説である。

というか、これほどまでに運命的なメンバーが集うことなどあり得ないのだから、これは本当に南総里見八犬伝が現代に蘇った可能性がある。むしろそのほうがあり得る話だ。道重さゆみの精神を未来へ繋げるために、9期メンバー以降は集ったのではないか。というわけで本日は、道重さゆみをリーダーとしたモーニング娘。'14の9期以降のメンバーは、道重さゆみのどんな精神を未来へ繋げるのか、南総里見八犬伝の一文字ずつ検証してみたい。


「仁」......9期メンバー・鈴木香音
他人に対する親愛の情、優しさ。メンバーの中で優しさを象徴する存在と言えば、彼女しかいないだろう。これほどまでに親愛の情に溢れた笑顔を見せることのできる人間は世界を探しても彼女しかいない。道重さゆみと言えば、メンバーやファンに対して誰よりも優しさをもって接してきた人物。その精神を未来へ引き継ぐのが、9期メンバー・鈴木香音である。

「義」......9期メンバー・鞘師里保
欲望を追求するのではなく、正しい行いを守ること。常にセンターとして、歌にダンスに、モーニング娘。のパフォーマンスを引っぱる彼女。日々のストイックさは尋常ではなく、孤高とも呼べるその神々しさは、モーニング娘。への愛に裏打ちされたものだろう。道重さゆみもまた、個人ではなく、モーニング娘。のために常に正しくあろうとしてきた。その精神を未来へ引き継ぐのが、9期メンバー・鞘師里保である。

「礼」......10期メンバー・飯窪春菜
人間関係を円滑に進め、社会秩序を維持するための道徳的な規範。10期のサブリーダーとして、また太鼓持ちキャラとして、常人離れした人身掌握術を発揮する彼女は今後のモーニング娘。にとっても欠かせない存在になるだろう。特にリーダー就任以降の道重さゆみも、年少者ばかりの中で決して嫌な顔をせずどの時代よりも仲の良いモーニング娘。像を造り上げた。その精神を未来へ引き継ぐのが、10期メンバー・飯窪春菜である。

「智」......10期メンバー・石田亜佑美
物事をありのままに把握し、真理を見極める認識力。だーいし感、という言葉の通り残念っぷりが有名な彼女だが、しかし実は視野も広く、客観的に周囲や自分自身を観ることが出来るため、肝心なところでは外さない。道重さゆみもまた、常にメンバーと自分自身を客観的に見つめて全体としてのスキルを大幅に向上させた。その精神を未来へ引き継ぐのが、10期メンバー・石田亜佑美である。

「忠」......9期メンバー・譜久村聖
正直で裏表のないことを表す、主君に尽くすまごころ。サブリーダーとして常にリーダーを支えてきた彼女は、誰よりも裏表がなく、誰よりも正直にモーニング娘。とそのファンのことを愛している。そしてまた、仕事中でもプライベートでも常に正直な自分自身であり続けた道重さゆみ。その精神を未来へ引き継ぐのが、9期メンバー・譜久村聖である。

「信」......10期メンバー・工藤遥
あざむかないこと、誠実なこと。最年少メンバーでありながら決して自分をあざむいたりごまかしたりせず、誠実に成長を続けてきた彼女。加入当初は歌もダンスもまったく出来なかった道重さゆみと同様、彼女のこれからもまた、成長あるいは進化という名とともにあるだろう。その精神を未来へ引き継ぐのが、10期メンバー・工藤遥である。

「孝」......11期メンバー・小田さくら
子が親によく服従すること。メンバーにとっての親とはつまり、歴代のモーニング娘。に他ならない。たった一人の11期メンバーとして、期待と評価を受けながらもそこに甘んじることなく過去のモーニング娘。に負けないように努力する彼女は、あらゆる意味で過去を超えようとした道重さゆみの生き様と重なる。その精神を未来へ引き継ぐのが、11期メンバー・小田さくらである。

「悌」......10期メンバー・佐藤優樹
年長者や兄によく仕えること。誰よりも甘えん坊で、先輩や年上の同期に照れ一つなく好きな気持ちを伝えられる彼女の存在は大きい。これからもずっとメンバーを愛し、メンバーから愛されることだろう。道重さゆみもまた「モーニング娘。になるために生まれてきた」と語り、先輩を尊敬しながらこれまでの道を歩んできた。その精神を未来へ引き継ぐのが、10期メンバー・佐藤優樹である。

「特になし」......9期メンバー・生田衣梨奈
数珠の数が8つしかないため、唯一文字が与えられていない彼女。だがそれは決して悲観することではない。「キン肉マン」におけるジェロニモ的存在が彼女なのだ。選ばれし才能がなくても、引っ掻き回し、奇跡を起こすことが出来るのは彼女しかいない。思えば道重さゆみも、加入当時はここまで偉大なリーダーになるなどと誰一人考えていなかった。そんな人間が夢を叶えるからこそ、モーニング娘。は素晴らしい。その精神を未来へ引き継ぐのが、9期メンバー・生田衣梨奈である。


<結論>
11月26日(水)横浜アリーナでの卒業公演を前に、道重さゆみは自らの精神を後輩メンバーたちに叩き込んでいる。そしてその精神は間違いなく、これから本格的に活動を開始する12期メンバーにも受け継がれていくことだろう。11月26日(水)、史上最高のリーダーである道重さゆみは卒業するが、その精神はモーニング娘。に息づいている。史上最強の10人という呼び声も高いモーニング娘。'14。だがその時代を、後輩たちが超えてくれることを誰よりも望んでいるのは、道重さゆみその人に他ならないだろう。

(相沢直)








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