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8月に発売されたベストアルバムが25万枚をこえ、さらにスペシャルエディション盤が追加発売されることが決定するなど、いまだ一部に根強い人気を誇る中森明菜。全盛期からすでに30年は過ぎようというのにも関わらず、いまだ売れ続けることに驚き覚える人も多いだろう。



中森明菜だけではない。松田聖子や菊池桃子など始め、CCB、オメガトライブなど、80年代の歌謡曲黄金時代をかざった歌手たちの人気も再び高まり始めているという。事実、大手中古レコード店のディスクユニオンは、昨年11月に昭和歌謡館を新宿にオープンしており、びっくりするような値段が付けられた歌謡曲レコードも珍しくない。

なぜいま再び歌謡曲に注目があるまっているのか。歌謡曲に詳しい放送作家の中野俊成氏は「"時代の共有感"がカギ」と分析する。「ネット登場以前はネットの出現以前はテレビかラジオが音楽の大きな情報源で、自ずとみんなが音楽体験を共有することになっていました。大衆娯楽である歌謡曲がもつ、『時代の空気の共有感』みたいなことが大きいのではないかと思います」

こうした影響なのか、都内では歌謡曲のクラブイベントも登場。恵比寿にある「頭バー」で毎月歌謡曲イベントを行っているというDJタコ太郎さんは「この1、2年で急に都内の歌謡曲イベントが増え始めた」と実感しているという。
「CDJが登場した00年代初頭くらいからJ-POPをかけるDJはいましたが、最近はドーナツ盤などのアナログでかけるのが特徴」という。

また、前出の中野氏も同じ放送作家の鮫肌文殊氏らとともに、渋谷の老舗クラブ「オルガンバー」で歌謡曲をかけるDJイベントも手掛けているが、客層については「30代半ばから40代の男性女性。比率は半々。時々、レコードで音楽を聴くということを珍しがっている20代も来ますね」とのこと。ディープ過ぎない、だれでもわかる歌謡曲という手軽さが受けているようだ。

風営法のダンス規制が緩和されることもあいまって、今後都内の歌謡曲イベントはさらに増えていくだろう。若者の目を気にすることなく(!?)、昭和の歌謡曲時代をリアルタイムに過ごした30代、40代以降が気軽に立ち寄れる遊び場として、一度体験してみてはどうだろうか。

※紹介したイベント詳細
・「歌謡曲主義」 毎月第3火曜日に恵比寿「頭バー」で開催
・「輝け!日本のレコード大将」 毎月第2金曜日に渋谷「オルガンバー」で開催

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