ペルーのリマで開催されているCOP20(気候変動枠組み条約第20回締約国会議)に合わせる形で、環境保護団体グリーンピースのメンバーらが、世界遺産として知られている「ナスカの地上絵」付近に、布で作った巨大メッセージを並べた事件が、現在、世界中で物議を醸している。
これは同団体が、この会議に参加している人々に向けて発信しているメッセージで、「TIME FOR CHANGE! THE FUTURE IS RENEWABLE GREENPEACE」という、黄色い布でかたどられた巨大文字。しかしこの付近は地上絵の保護のためにそもそも立ち入りが制限されている場所で、無許可でこうした活動を行うことはもちろん違法。また、今回の巨大文字作成に際し、周囲の地面が踏み荒らされたり、布を固定するために、土の表面を削り、鋲を打つなどの行為も行われていたとみられており、ペルー文化省は「違法な行動により、深刻な影響があった」とこの前代未聞の事態を深刻に受け止め、責任者が国外に出国しないよう、検察当局に求めているそうだ。
この「環境保護団体が環境保護を訴えて文化遺産を蹂躙する」という、前代未聞の大事件に、世界中の人々から非難が殺到。日本のユーザーからも「石動かした ら駄目だろ」「落書きじゃなく破壊だよこれ」「予想を遥かに上回るひどさ。洒落にならない」「奇跡的に保全されてたのに、ほんと酷いな」「環境破壊する環境テロリストか」「表面完全に削ってるな、もう元に戻せん 修復してもうっすらとこのアホどものメッセージが残る」「これ、誰も反対しなかったのか?」「環境のためなら環境を破壊してもいい連中 それが緑豆」といった激怒の声があがっている。
なお、こうした今回の事件について、日本にあるグリーンピース・ジャパンは、「今回の国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)で気候変動に対する解決の糸口を見つけられなければ、このような貴重なナスカの地上絵も未来に残すことができなくなります」とし、問題の行動についても、(1)考古学者が監督し、4ヶ月もの長きに渡って準備をしてきた、(2)実行にあたっては、当日も考古学者が同行し、スタッフは遺跡に跡を残さないよう、指導を受けながら慎重に行った、(3)ナスカの地上絵には一切触れていない、という説明を12月10日付のプレスリリースで発表してい るが、これについてもネット上からは「謝罪もないのか」「この期に及んで言い訳と正当化とは見苦しい」「詭弁もいいところ」といった批判が相次いでいる。
文・今岡憲広
【参照リンク】
・Peru,"indegnado"porla accion de Greenpeace en lineas de Nazuca
http://www.infobae.com/2014/12/10/1614207-peru-indignado-la-accion-greenpeace-lineas-nazca
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