現地時間2月8日に開催された第57回グラミー賞の「最優秀アルバム賞」でプレゼンターを務めたプリンスの短いスピーチが、現在の音楽シーンや世相を反映した深い内容として話題となっている。
プリンスは檀上に上がると、「Albums, Remember Those? Albums still matter. Like books and black lives, albums still matter. (アルバムって皆覚えてるかい? アルバムはまだ大事だ。本とか黒人の命と同じようにアルバムって重要なんだよ)」とスピーチ。
「アルバムを覚えてる?」というのは、ダウンロード配信などでアルバムが軽んじられている現在の音楽シーンに、「アルバム作品の重要性を忘れてないか?」と若干皮肉を込めたニュアンスで最優秀アルバム賞を紹介するという彼独特の表現方法だが、「アルバムはまだ(音楽にとって)大事なもの、本のように、そして黒人の命のように」と続く。
本も電子化で軽んじられていると言っても、まだ紙の良さを実感する商品もあるが、ポイントは「黒人の命のように」という表現。ここで敢えて「人の命」ではなく「黒人の命」といったのは、昨年相次いで起きた黒人青年が警官に殺害された事件に対して強い懸念を込めたコメントと言えるだろう。
この言葉、音楽を愛するプリンスのアルバムへの強い拘りと同時に、黒人の一市民として人種差別的な暴力への反対の意味も込めた世の中へのメッセージと受け取れる。
【動画】https://vine.co/v/OUv7bvLbPY2
非常に短いスピーチだったが「最も意味があった言葉」ということも含め、このシーンは数ある今回のグラミーの中でもハイライトとして取り上げられている。
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