赤道直下の国・ケニアには"女性しかいない村"が存在するという。一体どういうことなのだろうか?

https://youtu.be/UrnmBLB-UX4


ケニアの村「ウモジャ(Umoja)」(スワヒリ語で"結束"の意味)は男性が1人もいない、女性だけが住んでいる村だ。

ケニア北部に住むサンブル族は男性社会で、そのため女性や少女が暴力から逃れるための避難場所として、25年前に女性リーダーのレベッカさんによって同村が設立された。幼い頃からたびたび暴力を目にしてきた彼女は、「サンブル族の伝統的な慣習が本質的に女性に対して虐待的である」という結論にたどり着いたのだという。

この慣習に対して声を上げ始めたレベッカさんは、多くの反発を受けるようになった。訓練中のイギリス軍人に村の女性たちがレイプされた事件に対して声を上げたときには、村の男性たちは彼女を殴り、彼女の夫も妻を助けようとはしなかった。そこで彼女は1990年に女性16名と集団脱出を決行し、乾いた草原に独自の村「ウモジャ」を設立したのだ。

いまやウモジャ村は繁栄し、自給自足できるまでになった。女性たちは宝石や工芸品を作り、観光地として村を開放することでも収益を得ている。早すぎる妊娠や結婚をして、自ら逃げてきたり、家を追い出された少女たちも保護しているそうだ。なお「男性は村に住むことは禁止されているが、女性のルールに従って行動する限りは村を訪ねることはできる」とのこと。

しかし、「我々の目的は女性の生活を向上させること」と謳う同村の成功に対して、男性たちは嫉妬しているそうだ。女性たちがお金を稼ぐようになったときに、30人の男性がやってきて観光客の前で女性たちを殴ったこともあったというから非道である。

レベッカさんが「サンブル族は男性社会。女性は子どもとまとめられる。女性は物事を決定する権利も、財産を所有する権利もない。これについては、学歴のある男性や政治家とも議論になる。しかし、我々はこの状況をくつがえすために活動し続ける」と語るように、いまやウモジャ村は女性社会の成功例として認知されており、他のエリアに住む女性たちをも勇気づけているという。それは、彼女たちが「女性に暴力的な慣習がある社会をなくすこと」という共通の目標を持っているからだろう。
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