NoGoD
ONE MAN TOUR -2013-【V-21SHOW TIMES】
2013.05.06 恵比寿リキッドルーム
【SET LIST】
1. 現世ホラーショー
2. 絶望、バイバイ。
3. 空の公園
4. 心臓
5. 翼
6. 球根
7. 鐘を鳴らせ
8. STAND UP!
9. パンドラ
10. IV-他者 / Philosophia
11. Sabbath
12. カクセイ
13. 闘争本能
14. 感情
(ENCORE-1)
15. 神風
16. 激烈叫喚乱痴気教
17. 祝福の唄
18. 啓発フラストレス
19. ノーゴッド
(ENCORE-2)
20. 最高の世界
団長(Vo)
Kyrie(G)
Shinno(G)
華凛(B)
K(Dr)
マズい!! NoGoDがフツーのロックバンドになってきた!! このままじゃヤツらバカ売れしちまうよぉ~!!
日本では古来より笑いのネタとして重宝されてきたヘヴィメタル。そして、ひと目見た瞬間から笑わずにはいられなかった団長のルックス。最凶ツープラトンにプログレバンドも真っ青の奇怪展開楽曲が加わることで漆黒のアングラロードをひた走ってきたNoGoD。しかし、出来が悪い子ほどかわいいとはよく言ったもので、筆者はそんな彼らが大好きだった。団長の錯乱ナルシストぶりやKyrie、Shinno、華凛、Kの自己陶酔型超絶アンサンブルが客を引かせれば引かせるほど“それでこそNoGoD!!”とこっそり膝を叩いたものだった。
そんな彼らがニュー・アルバム『V』で変わった。
生き馬の目を抜くヴィジュアルシーンでバンドとしてのアイデンティティを確立するためには、常軌を逸したインパクトが最重要課題であることは今さら説明する必要もないだろう。その意味においてNoGoDはこれまで、実に正攻法な戦い方をしてきたと言えるのだが、そんな小手先の技術やハッタリが要らなくなくなったことを見事に証明してみせたのが『V』だった。持ち前の美メロをよりストレートに響かせるシンプルなアレンジ。負のオーラを一蹴するポジティヴなパワーに満ち満ちたヴォーカル。“この世に神など存在しない=自分自身を信じることこそ正義”という激動の21世紀を生き抜く上で最も必要なメッセージをメタルファンやヴィジュアル系ファン以外にも届ける術を、彼らはついに会得したのだ。冒頭に述べた“フツー”とは、つまりそういうことだ。
だからこそ『V』を引っ提げた全国ツアー“V-21SHOW TIMES”のファイナル、恵比寿リキッドルームはステージにも客席にも笑顔が溢れていた。まるで高校生が初めてライヴをしたときのように、ことあるごとに目を合わせてその楽しさを確かめ合うKyrie、Shinno、華凛、K。その視線はオーディエンスはもちろん、これまで完全放置プレイを続けられてきた団長にも向けられていて、NoGoD史上最高の人数がダメ人間ジャンプで飛び跳ねた「球根」や、叫びながらタオルを放り投げた「鐘を鳴らせ」、団長とKyrieが嬉しそうに肩を組んだ「STAND UP!」の晴れやかな景色は眩いほどに輝いていた。