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ロバート・ダウニー・Jrは、犬の役でスタートしたそのキャリアをどのように築き上げたのか
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ロバート・ダウニー・Jrは、犬の役でスタートしたそのキャリアをどのように築き上げたのか

2016-04-06 17:30
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    映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が、5月6日(現地時間)に米劇場公開(日本は4月29日公開)する。同作でロバート・ダウニー・Jrは、トニー・スターク(アイアンマン)として6度目の出演となる。アイアンマンは、4月4日に51歳の誕生日を迎えたダウニーにとって当たり役だ。2015年8月、米経済紙フォーブスは、ダウニーが2015年に推定8000万ドルの収入を獲得し、3年連続で“世界で最も稼ぐ俳優”になったと報道した。

    観客はサクセス・ストーリーが大好きだが、ダウニーの物語は、ハリウッドの基準から見ても現実離れし過ぎているように思える。ダウニーは、前途有望な若手俳優という立場から、キャスティングに適さないと見捨てられるまでになった。それでも、ダウニーは大スターになるべく再起し、かつて彼を遠ざけた仲間から尊敬されている。ダウニーの成功は、贖罪と経済的な報いの物語だが、また、芸術的才能が開花した物語でもある。

    なぜなら、最悪の状態だった時でさえ、ダウニーの才能に疑問を持つ者はいなかったからだ。

    ダウニーは5歳の時に、彼の父親ロバート・ダウニー・Srが監督を務めた1970年の映画『Pound(原題)』にボブ・ダウニーの名前で出演し映画デビューを飾った。ダウニーの父は、カウンターカルチャー(反体制文化)の名作『Putney Swope(原題)』の成功で知られていた。『Pound(原題)』では、すべての出演者が動物保護施設にいる犬の役を演じた。いわば、作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーよりも10年先んじたミュージカル『キャッツ』のようなものだ。1970年8月19日号の本紙ヴァラエティで、批評家のリチャード・ゴールドは、同作を「つまらない寓話」と称した。ゴールドはさらに、「同作で唯一面白い場面は何の意味もなしていない。全員がバレエの衣装を着て、陽気で不愉快なロックのメロディをキーキーと鳴らして回るだけだ」と、付け加えた。ゴールドは同作を気に入らなかったが、彼の非難の言葉を聞くに、同作はかなり興味深いように思える。

    多くの俳優たちと同様に、ダウニーは自身のできることであれば何でも仕事をこなした。ダウニーは、父親の製作した映画『Greaser’s Palace(原題)』、ジョン・セイルズが脚本・監督を務めた1983年の映画『ベイビー・イッツ・ユー』、ニューヨークで公演されたミュージカル『American Passion(原題)』、ジェームズ・スペイダーが主演を務めた1985年の学園不良モノのメロドラマ『ハイスクール・ファイター』に出演した。本紙ヴァラエティの批評家レイ・ロインドは、『ハイスクール・ファイター』に出演した彼について、「素晴らしい脇役を演じたロバート・ダウニーは新鮮な驚きだ」と、語っている。

    同年、ダウニーは、ジョン・ヒューズが脚本・監督を務めた『ときめきサイエンス』に出演し、米テレビ局NBCのバラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』のレギュラー出演を獲得した。その後も仕事は続いたが、映画『チャーリー』で喜劇王チャップリンの役を演じることになった1992年に飛躍的な躍進を遂げる。

    1992年8月17日号の本紙ヴァラエティで、同作で監督を務めたリチャード・アッテンボローは、ダウニーの演技について、「奇跡的で、私がここ10年に見た中で最も圧倒された演技のひとつだ」と、語った。アッテンボローが出演者を誇大に宣伝するのはいつものことだったが、観客が実際にそれを目にした時、その多くが同意した。本紙ヴァラエティは、ダウニーの演技について、「真に目覚ましい功績」と称賛した。俳優、ダンサー、パントマイム、そして運動神経の良さといったチャップリンのユニークな才能は決して真似できないと思われていたが、「ダウニーはそうではないと証明した」のだ。

    ジョディ・フォスターは本紙ヴァラエティに対して、「世界中で他の誰があんな演技をできると思う?ロバート(ダウニー)は極めて素晴らしい人物だけど、賢すぎるせいで苦労もしている」と、語った。

    その称賛をよそに、ダウニー、スティーヴン・レイ、デンゼル・ワシントン、クリント・イーストウッドは、映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』のアル・パチーノに敗れて、同年のアカデミー賞主演男優賞を逃した。

    1996年から2001年にかけて、ダウニーは麻薬不法所持により逮捕され、出演していたテレビシリーズ『アリー・myラブ』から解雇され注目を集め、ダウニーの逮捕経歴により映画が完成保証を得られないという理由でのタブロイド紙の風評や、業界から拒絶される経験をした。2003年、メル・ギブソンが映画『歌う大捜査線』の保険料を支払い、ダウニーのキャリアは回復し始めた。ダウニーは、妻のスーザンの支えを得ながら自身の回復に試み、瞑想や12段階のプログラムをこなした(ダウニーはクリーンな状態を保ち、2015年にカリフォルニア州知事ジェリー・ブラウンから恩赦を与えられた)。

    ダウニーのカムバックが強固なものとなったのは2008年のことだ。ダウニーは大ヒット作『アイアンマン』に出演し、映画『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』で第81回アカデミー賞に再びノミネートされた。2009年には映画『シャーロック・ホームズ』が公開され、マーベル・シネマティック・ユニバースが成功を続ける中、より個人的なプロジェクトである映画『ジャッジ 裁かれる判事』(2014年)に出演した。

    2011年にアメリカン・シネマテーク・アワードを受賞した際、ダウニーは、「遅かれ早かれ、十分にスロットマシンを回せば、金の延べ棒を手にすることができるだろう。そして今、少なくともここ最近スロットマシンの調子がいいようだ。私は確かに長年地獄を見てきたが、今後18か月かそこらは最高潮だろう。もうすぐ50歳になるが、私はもっと仕事をしたい。私がいつまでも愛を注ぐことができるシリーズは『シャーロック・ホームズ』だ」と、述べた。

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