『ファミコン』といえば任天堂の知名度を一気に高めたゲーム機。白と赤のカラーで今では“ファミコンカラー”とまで呼ばれるくらいだ。数年前からこのファミコンカラー対して、「安かったからえんじ色と白を選んだ」と言う説が広がり始めた。真実味がありそうなそんな説に皆が信じて『Wikipedia』にまで掲載されることに。
しかし当時『ファミリーコンピュータ』を設計担当した上村雅之氏が、“ファミコンカラー”についてインタビューに答えている。その驚きの回答が次の通りだ。
ファミコンのえんじ色パーツは、その素材が大量かつ安価で仕入れることができたから採用されたというウワサですが?
それは間違いですね(笑)。むしろ逆で、最初に予定していた安いスチール製のボディがあまりにも脆かったので、強度の高いプラスチックに変更したくらいですから。えんじ色にした理由は、単純に社長命令だったんですよ。社長がよく巻いていたマフラーの色もあんな感じのえんじ色で、好きな色だからという理由。社長からするとボディのデザイン面は口が出しやすいわけですよ。
※『週刊プレイボーイ』2013年 NO.18・19号より引用。
以上のように“ファミコンカラー”が安価だから使われたというのはガセであった。社長命令であり当時社長(山内博氏)が巻いていたマフラーも似たような色で、好きな色だからという理由だそうだ。赤と白が安いから使われたと書かれた大手メディアはあっても、なぜ赤と白が安いのかという疑問に対しては書かれていなかった。確かに疑問になるところだ。
確かにIIコントローラーのスタートボタン、セレクトボタンを排除しコスト削減を行っていたファミコンではあるが、色でコスト削減するならツートンではなく一色にしてもいいくらいである。
こちら上村雅之氏のインタビューは『週刊プレイボーイ』2013年 NO.18・19号に掲載されているので興味のある方はご覧になってほしい。
※この記事は、ゴールドラッシュの「ソル」が執筆しました。