記事後半には、このゲームの世界観そのままに、『rain』チームが仕掛けた“降水確率が高まる”道案内も用意している。なかなか面白いので読み進めてみてほしい。
●透明な少女と、迷子になった少年
舞台は、夜の雨の町。
少年は、降りしきる雨の中に“透明な少女”を見つける。
怪物に追われる少女を追いかけていった彼は、いつの間にか見知らぬ場所に迷い込む。
そして雨に濡れた自分もまた、先ほど見かけた少女と同様、透明な姿になっていることに気付く。
夜の町に人影は無い。雨は、止まない。
●ただただ、非力な少年
プレイヤーは“姿を失った少年”を操って、物語を進めていく。
ゲーム的には、走る、ジャンプする、調べる、といったベーシックな動作だけなので、すんなりとこの世界に入り込めるだろう。
透明な少年は、雨に濡れると姿が浮かび上がってしまう。先ほど見かけた透明な少女と同じ見た目だ。
徘徊する“怪物”に対して少年は成す術はなく、襲われたら容赦なく“終わり”だ。そこに抵抗の余地はかけらもない。
ただし軒先などの雨の当たらないところに隠れると、少年の姿は完全に見えなくなる。こうなれば、怪物からも見つからない。音を出せばそちらに怪物の気が向くし、少年が汚れれば見つかりやすくなる。
怪物の視線を避けながら、広がる町、少女を探索していくことでこの世界の様子が徐々に浮かび上がってくることとなる。
●良質な音楽、効果音、そして陰影とテキスト
「自分はどうしてこうなってしまったのか」知る間もなく放り出された夜の町。実際にプレイしてみると『rain』の世界観はとにかく上質に描かれている。
道を打つ雨の音、水たまりを踏んだ時、あるいは素足で石畳を歩く音、そしてその隙間に入り込んでくるピアノの曲。『rain』という作品の、ほの暗い夜の町の描写は、こうした様々な要素によってとても丁寧に組み立てられていると感じた。
加えて象徴的なのはテキストの画面における調和だ。文字がゲーム内におけるただの“案内”ではなく、心地よい場所に配置されたデザインの一部となっているのだ。
この世界の雰囲気を保ったまま、“先”へと導いてくれる演出は、小説や映画やミュージックPVなどの「良いところ取り」に成功していると言っても過言ではないだろう。
●難易度もほど良い
何度も怪物にやられたりするなど、ゲーム的に詰まったりすると「hint」を見ることもできるようだ。hintを見てどんどん先に進めるか、hintを見ることなく自力でその場面の切り抜け方を見つけ出すかは、もちろんプレイヤーの自由だ。
適度な歯ごたえで進められるので、初心者もゲームマニアも楽しめるタイトルと言えよう。
個人的にはこの完成度のゲームが、1500円という新書1冊程度の価格で手に入る時代になったことに感謝したい思いだ。
『rain』の発売は2013年10月3日(木)。
「雨が映し出す透明な世界の物語」、ぜひ堪能していただきたい。
●『rain』発売日には、サイトの降水確率が上がる。ガジェ通も……?
そうそう。SCEによると、『rain』発売日である10月3日には、各地のサイトで“雨が降る”らしい。
ちなみに現時点で降水確率の高いWebサイトは、「プレイステーション」オフィシャルサイトとのこと。
一体なんのことなのか? 下記『rain』オフィシャルサイトに訪れて、確かめていただきたい。(運良く見られた場合、ちょっと、いい感じかも)
↓↓↓
rain | プレイステーション オフィシャルサイト
※ChromeやFirefoxですと、スマホへの降水確率が一気に上がるようです。
タイトルrain
フォーマット
PlayStation3 ダウンロード専用タイトル発売日
2013/10/03販売価格
1,500 円(税込)ジャンル
アクションアドベンチャーCERO
「A」(全年齢対象)
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