11月24日に生放送された『日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト2015』で、KAT-TUNの田口が来年春をもって脱退することを発表した。KAT-TUNは来年でCDデビュー10周年を迎えるが、その節目を前にして下した決断となった。
KAT-TUNの人気が出たのはCDデビューを果たした2006年ではなく、その数年前。そして、大きなきっかけとなったのはちょうど10年前、2005年1月より放送されたTVドラマ『ごくせん』第2シリーズだ。亀梨と赤西が出演したこのドラマは平均視聴率が25%超えという大ヒットとなり、ファンも急増。さらに、『ごくせん』が終了した次のクールから放送されたTVドラマ『anego』にも赤西は出演し、そこでもファンを獲得。山下智久と亀梨のユニット・修二と彰の『青春アミーゴ』もミリオンセラーに。一気にKAT-TUNの人気を押し上げる形となり、当時の若手のジャニーズグループでも飛び抜けた存在となっていた。
名古屋・横浜・大阪で全14公演が行われたコンサート『KAT-TUN Live 海賊帆』を収録したDVDは、2005年度オリコン年間DVD音楽チャート1位に輝いている。
CDデビュー前でこの勢いは本当に凄まじかった。しかし、今までジャニーズに興味のなかった人たちまでファンになったことで、マナー問題が勃発。今のように『Twitter』も『LINE』もなかったため、みんなで使うネット上の掲示板でのマナー、現実世界でのマナーの悪さが取り沙汰されることも。いわゆる“ごく出”(ごくせんからのファン)のマナーがひどい、というウワサもジャニーズファンの間では広まっていた。
そしてこれがウワサではなく、多くの一般の人が目にすることになったのが、2005年9月発売の『TVガイド』に掲載された「KAT-TUNからの緊急のお願い!」というマナーについての警告文だ。
最近ではKAT-TUNに限らず、稀にマナーについての注意文が掲載されたり、事務所がメールを発信することがあるようだが、当時では初めて目にしたの異例の事態。しかも、ファンクラブの会員向けではなく、誰もが目にすることができるTV雑誌に掲載されたことが衝撃的で、ジャニーズファンを騒然とさせた。
内容は
僕らを応援してくれるファンのみんなへ
TVガイドさんの紙面を借りて、ファンのみんなにお願いです。
最近僕らのファンの中でルールを守れない人が目立ってきています。
車の後をついてきたり、自宅やその周辺にきたり、そこへごみを捨てて行ったり、(中略)
それから、僕たちが仕事の移動で利用する電車に乗り合わせて、他の乗客の方に迷惑をかけるようなことはしないでほしい。駅のホームでも人の流れを無視して走り回ったり、通路をふさいだり、ホームから落ちそうになったり…、他の方への迷惑はもちろん、危険行為だけは絶対やめてください。
※掲載分より抜粋
プライベートまで追いかけるファンも多く、近隣の方に迷惑をかけている、僕らは本当に困っている、という内容のものだったが、このような警告文をアイドル雑誌ではなく、TV雑誌に載せることになるほど、事態は深刻化していたのだ。
飛ぶ鳥を落とす勢いの人気、急激なファンの増加で波乱を呼んだ10年前。あの頃から3人もメンバーが抜けることになるとは誰が想像していただろう。今では、「こんなこともあったな~」と思えるほど、“ごく出”やマナー問題などは懐かしい過去の話で、ファンも落ち着き、個々の活動などバランスもとれてきていたKAT-TUN。
先日の12月16日に放送された『2015FNS歌謡祭 THE LIVE』では、4人のKAT-TUNでのパフォーマンスと、画面右上に出された表記がグループ名ではなく、「亀梨&中丸&上田&田口」と個人名が連ねられていたことに、胸を締め付けられた人も多いのではないだろうか。現段階では残りのメンバーでの活動がどうなっていくのかまだ未定だが、様々な困難を一緒に乗り越え成長し、支えてきたファンと、笑顔でCDデビュー10周年を迎えてもらいたい。
※画像はジャニーズを離れ自主レーベルで音楽活動を行う、元KAT-TUNメンバーの赤西仁。(2015年12月に中国・北京にて開催された授賞式の様子)
赤西仁 オフィシャルサイト:
http://jinakanishi.com/
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