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「事実は小説より奇なり」とはよく言ったもので、現実世界は「なんでそんな事になった?!」と驚いてしまうニュース・事件ばかり。特に2016年は近年稀にみる”奇想天外”なニュースが世間を騒がせています。

それは映画界でもしかり。現在公開中のワールド・トレード・センターを命綱なしで歩いた男性の実話を描いた『ザ・ウォーク』をはじめ、映画界でも”奇想天外”な実話を題材とした話題作がずらり。今回は、「本当にあったの?!」と思わず気になる注目作をご紹介します。

【世界で初めて性別適合手術を受けた男性/「リリーのすべて」(3月18日公開)】

「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したトム・フーパー監督と、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞の主演男優賞を手にしたエディ・レッドメインが、「レ・ミゼラブル」に続いてタッグを組み、世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を描いた伝記ドラマ。風景画家のアイナー・ベルナーは、肖像画家の妻ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を務めたことをきっかけに、自身の内側に潜む女性の存在を意識する。それ以来「リリー」という名の女性として過ごす時間が増えていくアイナーの、心と身体が一致しない現実への葛藤を描く。

【新聞記者がカトリック教会のスキャンダルを暴く/「スポットライト 世紀のスクープ」(4月15日公開)】

新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を、「扉をたたく人」のトム・マッカーシー監督が映画化した実録ドラマ。2002年、アメリカの新聞「ボストン・グローブ」が、「SPOTLIGHT」と名の付いた新聞一面に、神父による性的虐待と、カトリック教会がその事実を看過していたというスキャンダルを白日の下に晒す記事を掲載した。社会で大きな権力を握る人物たちを失脚へと追い込むことになる、記者生命をかけた戦いに挑む人々の姿を、緊迫感たっぷりに描きだす。

【女王からのオーケストラ指揮依頼を拒否?!/『グランドフィナーレ』(4月16日より全国公開)】

カンヌ国際映画祭を始め世界の映画祭で話題沸騰となり、本年度アカデミー賞主題歌賞にノミネートとなった映画『YOUTH』の邦題を『グランドフィナーレ』として、4月16日(土)より全国公開。『グレート・ビューティー/追憶のローマ』でアカデミー賞(R)外国語映画賞に輝いたパオロ・ソレンティーノ監督が<21世紀の映像の魔術師>と称される自慢の映像美を、アルプスのリゾートホテルを舞台に見事に映し出した作品。

物語は、引退した英国人音楽家フレッドが、今では作曲も指揮も引退し、ハリウッドスターやセレブが宿泊するアルプスの高級ホテルで優雅なバカンスを送っているのだが、英国女王からの出演依頼をなぜか頑なに断ってしまう…。その理由は、娘のレナ(レイチェル・ワイズ)にも隠している、妻とのある秘密にあった──。名優・マイケル・ケインはじめ、『スモーク』『ピアノ・レッスン』のハーヴェイ・カイテル。その他、レイチェル・ワイズ、ポール・ダノ、ジェーン・フォンダといった、映画通は唸る名俳優達が、圧巻の演技を披露している。

実は、本作の原案は、著名なイタリア人指揮者が、女王からオーケストラ指揮を依頼されたが、レパートリーについて折り合いがつかずに断ったという実話が元。才能がある者ゆえの苦悩に加えて、父娘が抱えるすれ違いなどを描いています。

【庶民が殿に大金を貸し付け、利息を巻き上げる/『殿、利息でござる!』(5月14日全国公開)】

2010年に映画化されたベストセラー『武士の家計簿』などの著作で知られ“平成の司馬遼太郎”との呼び声も高い磯田道史氏の近著「無私の日本人」(文春文庫刊)の一編「穀田屋十三郎」を、「ゴールデンスランバー」「白ゆき姫殺人事件」「予告犯」等、今最も注目を集める中村義洋監督が映画化。主演に阿部サダヲを迎え、瑛太、妻夫木聡、竹内結子など、多種多彩な豪華キャストの競演も見どころの一つ。さらに、フィギュアスケーターの羽生結弦が、映画のタイトルにもなっている“殿”、仙台藩藩主・伊達重村(だて・しげむら)役として初の映画出演を果たすことでも話題に。今から250年前の江戸中期、仙台藩吉岡宿。年貢の取り立てや労役で困窮する宿場町を守るため、千両<=3億円>をお上に貸す<奇想天外な>計画を実行した庶民たちの知恵と工夫と決死の覚悟から、人としての大切な何かを学ぶはず。

画像は『グランドフィナーレ』
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