キリンビール・キリンビバレッジ・メルシャンのキリングループ3社による新商品やリニューアル商品の報道関係者向け試飲会を取材した。
飲料メーカーのこうした試飲会や発表会では、美味しさをPRするために科学的分析や数値を示しての売り込みを図るケースが多い。
競合商品が山ほどある中で、他社との差別化を明確にするために、こうした戦略を取らざるを得ないのは仕方のないことでそれはそれで理解できる。メーカーの苦労がうかがわれる。
しかし残念ながら、そうした科学的、統計的データを見て商品を選択する消費者はほとんどいないと思われる。
要は飲んでみて美味いかそうでないかが絶対的な基準になるのであって、そのために人間には「舌」という素晴らしいセンサーが備わっている。
数値的なデータと違い、人間の舌による評価は絶対的なものではなく、個人による差があるのは紛れもない事実ではあるが、記者は自分の舌だけに頼って試飲してみた。
参考程度にとどめ、最終的な判断は読者の舌に委ねたい。
最初に試飲したのは3月22日リニューアル新発売のキリン生茶。
ペットの形状を変え、グリーン一色で決めたボトル。記者にデザインセンスはないので積極的な評価は避けるが、好むか好まないかは個人差によるだろう。
甘みも感じられるが苦みはほとんどなく、むしろ最後に若干の緑茶らしい渋みがある。
玄米茶系の味が感じられた。
おススメの組み合わせとしてメーカーが提供したマカロン。
マカロンが甘すぎて緑茶の味はほとんどわからなかった。
500ミリリットルを一気に飲んでみたが、さらっとした緑茶で夏には喜ばれる飲み心地かもしれない。
一番飲用シーンが多いと思われるお弁当との組み合わせについては、癖がない緑茶なので、ミネラルウォーター同様に合うと思われる。
常温では茶葉を丸ごと粉砕したという製法がよくわかる、良い意味での抹茶のような粉末感を感じることができる。
お次はビール。3月22日リニューアル発売のGRAND KIRIN(グランドキリン)だ。
低温で長時間発酵させるラガータイプのビール。
泡が細かく口当たりは良い。
キリンらしい伝統的なビールの苦みが楽しめる。
のど越しはさほど強くないので、ビール本来の味をゆっくり楽しめそうな感じがした。
3月22日発売のグランドキリン「うららかをる」。
常温短時間で発酵させたエールタイプのビールだ。
花系の香りが広がる。
根っからのビール党には好みが分かれるかもしれない。
後味に若干の酸味が残り、いつものビールとは違った味を求める向きには選択する価値があるだろう。
最後にワイン。
写真左は「甲州きいろ香」。
酸味の強いさわやかな味だが、さほどパンチは強くない。
普段飲みに向いているのかもしれない。
写真右は「甲州グリ・ド・グリ」。
かんきつ系の香りが立つやわらかい味だった。
いずれのワインも渋みはなく、万人が飲みやすい国産ワインだと感じた。
多くの新製品が出る季節なので、決まったブランドがある人も、そうでない人も、新しい「自分好み」を探すべく手に取ってテイスティングを楽しんでみてはいかがだろうか。
※写真はすべて記者撮影
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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか