妊娠中の女性が感染した場合、頭部が小さな子供が生まれる「ジカウイルス」がブラジルをはじめとした中南米で流行しています。
本年のリオデジャネイロオリンピックは、妊娠中の女性の感染は控えることを勧める異例のステートメントが出るほど。
ジカウイルスとは、一昨年問題になったデング熱ウイルスと近縁のウイルスで、インフルエンザのような高熱を出すケースは確認されていません。また、不顕性感染(感染はするけど症状がでない)ことも多く、楽観的な見方がされてきました。
ところが、妊娠中の女性が感染すると小頭症を発症する可能性が発覚。
様々な検証が行われた結果、医師の間で信頼されている英国の医学雑誌ランセットに報告された内容によると、2013年~2014年にフランス領ポリネシアで発症したギラン・バレー・症候群(GBS)の患者のうち、約20万人の字かウイルス感染者のうち、42人がGBSを発症していたことがわかりました。
また、コロンビアではジカ熱によっておきた神経障害によって3人が死亡したと報告されています。
ギランバレー症候群(GBS)とは、体内の免疫システムが神経系の組織を攻撃する病気で、主に筋肉を動かす神経に炎症が起き、体が動かしにくくなる病気です。
今回の研究では、ジカ熱に感染した患者に対してGBSを発症した患者が少ないですので、本当にジカ熱とGBSの間に因果関係があるのか検証する必要があります。
とはいえ、小頭症に加えて、ギラン・バレー症候群を引き起こす可能性について意識しておくにこしたことはなさそうですね。
特に、日本はこれから気温が上がり、ジカウイルウスを媒介するヒトスジシマカが繁殖する時期です。今のうちに、行政と民間で対応を行っておく必要があるのではないでしょうか。
※写真はイメージ James Gathany Aedes albopictus on human skin http://img01o1.cc-library.net/box01/cc-library010002658.jpg より
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(執筆者: 松沢直樹) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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