お祝いの席で食べられる韓国の宮廷料理「クジョルパン」。漢字では「九節板」と表記し、8個の具材を丸く焼いたクレープ状の生地に包んで食べる、見た目も美しい一品です。
今回、筆者は4月23日から公開となる「韓国映画『花、香る歌』にちなんだ料理を作ってみよう!」という事で、このクジョルパン作りに挑戦して参りました。
『花、香る歌』ストーリー
太鼓の伴奏に合わせて歌やセリフ、身振りで物語を語り伝える伝統芸能パンソリ。朝鮮王朝時代末期、母を亡くした少女チン・チェソンは、偶然知ったパンソリの物語のヒロインに自分の人生を重ね、深く感銘を受ける。パンソリの唄い手になりたいと決意したチェソンだったが、当時、パンソリを女性が唄うことは固く禁じられていた。それでも強い思いを抱くチェソンは、性別を偽り、パンソリの大家シン・ジェヒョの下で修業を積むが……。
今回お料理を教わったのは、韓国料理研究家の本田朋美先生。2006年韓国語教室「つながるハングル」を立ちあげ、5年間に生徒数は約500人以上。人気韓国料理店「スランジェ」のアドバイザーをされており、メニュー開発も行っています。第4回キムチグランプリの優勝者という腕前の持ち主!
今回使ったクジョルパンの材料は、
・牛肉(千切りしてヤンニョムジャン※で下味を付け炒める)
・干しシイタケ(水で戻して千切り、ヤンニョムジャンで下味)
・ニンジン(千切りして軽く炒める)
・赤パプリカ(千切りして軽く炒める)
・卵(白身と黄味を分けて薄く焼き、細く切る)
・もやし(頭とヒゲをとって茹でる)
・韓国かぼちゃ(千切りして軽く炒める)
と、このとおり。生地は小麦粉を水で溶いた物を使います。
ヤンニョムジャンとは、しょうゆ・砂糖・長ネギみじん切り・ニンニクみじん切り・すりごま・コショウ・ごま油を合わせた調味料です。
そう、つまりクジョルパンとは8種類の材料を千切りにして炒める、というシンプルな料理。しかし、全部をガーッと炒める事が出来ないので、なかなか繊細なのです。
ちなみにおなじみの韓国料理「チャプチェ」も本来は、それぞれの材料を別々に炒めて最後に合わせるのが正式な作り方なのだそう。筆者は完全に全部一緒にガーッでした!
生地は小さい丸形に焼いて、ペロンとはがれたら焼けた合図。今回はホットプレートでやっていますが、フライパンでもOKです。
全ての材料が準備出来たら、8角形の器に盛りつけます。ご家庭にはなかなか無いと思うので、大きな平のお皿でも大丈夫。
白の材料の向かいには白の材料、黄色の向かいには黄色、と色を揃えて盛りつけるのがポイントです。黒い器にカラフルな食材達が映えてとってもキレイ。
中央にはクレープ生地を置きますが、くっつきやすいので松の実を間に入れて重ねると良い感じ。
クジョルパンの完成です!
普通のお皿でもすごく華やかなので、おもてなし料理にもピッタリです。
食べ方はクレープ生地に自分の好きな具材をとって、
からしソースにつけてパクリ! シンプルな調理法で素材の味を楽しめるので、どんどん食べれちゃいます。野菜もお肉もたっぷり食べられて体も喜びそう。
この日は本田先生が作ってくださった「ペクスク(鶏の煮込み)」に「プクミ(焼き餅)」やキムチをいただきました。どれも美しくて美味しくて大満足! 本田先生に色々教わったり、お料理教室に来ていた皆さんとおしゃべりしながら楽しく作ったのでより美味しく感じたというのもあります。映画の世界を舌でも感じるのって素晴らしい。
映画『花、香る歌』は厳しい時代に生きた一人の女性を丁寧に描いた人間ドラマ。韓国の歴史を知る事が出来ますし、主演のスジちゃんの歌声もとっても魅力的。“花、香る”というタイトルだけあり、今の季節にピッタリの作品となっているので、ぜひスクリーンでご覧ください。そしてその後はクジョルパンを作って、皆で韓国パーティを楽しんでくださいね。
韓国料理「スランジェ」ではこの映画の世界観を美味しく表現した期間限定メニュー「花、香る歌セット」が4月23日よりスタート。5月8日には『花、香る歌』撮影裏話トークイベントが「スランジェ新大久保店」で開催されるので、映画トークに花を咲かせたい方はぜひチェックを。
http://www.reservestock.jp/events/119564