日本漢字能力検定協会が毎年年末に全国から今年一年の世相を表す漢字一字を一般から募集している『今年の漢字』。2015年は129647票の中から5632票を集めた「安」が選ばれました。
一見、日本国内が安らかに一年を送れたという意味のように感じられますが、日米安全保障条約の集団自衛権容認や、横浜のマンションの杭打ち問題やフォルクスワーゲンの排ガス不正の発覚などで「“安”全が揺らいだ」「“安”全性に疑問を覚えた」といった声が応募者から寄せられています。また、11月のフランス・パリでのテロ事件をはじめとする国際情勢も、多くの人の不安感を刺激しており、「安」という漢字の印象とは違ったネガティブな意味で選ばれたようです。
また、『Weblio英和・和英辞典』が会員向けに調査した『今年の英単語2015』によると、「Refugee(難民)』が第1位に。ISのシリア侵攻などに端を発したヨーロッパへの難民に関する記事の翻訳をする機会が多かったことを示しているといえるでしょう。
同調査では、「Right to collective defense(集団的自衛権)」が第二位となっており、国際的にも安保法案の行方が注目されていたことがうかがえます。ちなみに、第3位は「Heavy buying(爆買い)」。中国人観光客の家電などの大量購入も、関心が高かったようです。
日本語でのトレンドが現れる指標としては、Google検索も見逃せません。パリのテロ事件に関しては8.97億回以上とされており、やはりここでも一番に挙がるキーワードとなっています。ほかにラグビーワールドカップ(2.46回以上)や女子ワールドカップ(1.13億回以上)とスポーツ関連のトピックも上位にランクされています。
2015年の急上昇ワードやGoogleニュースでは「イスラム国」が一位となっており、やはり中東情勢への関心の高さが示されています。ほかに「マイナンバー」が両者で4位にランクされているのが、日本特有の現象といえそうです。
検索で振り返る 2015(Googleトレンド)
https://www.google.co.jp/trends/story/2015_JP [リンク]
今年の英単語2015 (Weblio英和辞典・和英辞典)
http://ejje.weblio.jp/lp/eitango_of_the_year2015/ [リンク]