お正月明けから、風邪を引く方が増えているようです。以前、風邪薬を飲むことで、風邪が治ることはないことをお伝えしました。
とはいえ、風邪も立派な病気です。大半の風邪は、体をよく休めて、暖かい食事を取ることで治ってしまいます。
ですが、インフルエンザのような風邪の場合は、すぐに医療機関を受診しなければなりません。実は、風邪という病気は存在しません。発熱を伴い、消化器、呼吸器などの症状を伴う病気を「風邪症候群」と呼んでいるだけで、「風邪」という病気はないのです。
特にインフルエンザは、インフルエンザ脳炎や心筋炎を引き起こすこともあり、文字通り命に関わることも珍しくありません。近隣の病院で、発熱の症状が続いていることを電話で告げ、診療可能かを確認してからすぐに診察を受けるようにしたほうがよいでしょう。
アデノウイルスや、コクサッキーウイルスなどといった、一般的な風邪の症状を引き起こすウイルスによる風邪も治る気配がないなら、すぐに医師の診察を受けたほうがよいでしょう。
特に糖尿病などの基礎疾患がある方は、風邪によって病状が悪化することも珍しくありません。インスリンの自己投与を指示されている方が、自己判断で投与をやめて、ケトアシドーシス(血液が急激に酸性に傾いて生命が危うくなる状態)に陥った例もあります。普段から医師に処方してもらっている薬がある場合は、自己判断で薬を中止したりせずに、かかりつけの医師の診察を受けることが重要です。
また、普段から薬を飲んでいない方も、安静にしていて体調が悪化したり、症状が改善しない場合は、医師の診察を受けたほうがよいでしょう。ごくまれですが、風邪を引き起こすウイルスによって、心筋炎を起こしたり、I型糖尿病(インスリンを作る膵臓の細胞が免疫の誤作動で攻撃されて、結果として糖尿病になる)ケースもあるからです。また、このようなケースではなくても、ごくごく普通の風邪から肺炎を引き起こすのは珍しくありません。
風邪を引いたときは、38度以上の熱があれば、インフルエンザを疑って医師の診察を受けること。
そうでなければまずあたたかくして安静に。2日以上症状が改善しないようなら、医師の診察を受けることがベストといえます。
※写真はイメージ 足成より http://www.ashinari.com/2013/01/24-375576.php
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