6月27日(土)、ディファ有明で行われた『巌流島・道場マッチ2』は前回を上回る反響を呼んだ。視聴者数は3,000人アップの36,169人、コメント数も3,000アップの22,606件と、その密度の濃さに関係者も非常に驚いている。

しかも、今回は全試合終了後に、7・18『巌流島』両国国技館大会のカード発表記者会見もライブ配信されたので、その反響ぶりも大きかった。コメントを見ても「えっ? JZが出るの?」「赤パン、参戦~~~!!」「マイティ・モー出るんだ!これはいいカード!」と、サプライズ発表の連続にリアルな反応が寄せられ、いつもの会見とは一味違うインパクトがあった。

劇団EXILE、天才ブルース・リー少年も両国参戦決定!

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道場マッチで開会宣言した小沢さん(写真一番右)はnico生にも参戦!!

道場マッチは冒頭、まずは7・18両国大会のイメージ・ポスターで宮本武蔵に扮した劇団EXILEの小沢雄太さんの開会宣言から始まった。ここで小沢さんは「7月18日、両国で僕らも巌流島を盛り上げるために太鼓を叩きます!」と発表。和をベースとした演出の『巌流島』に、劇団EXILEが全面協力することになった。当日はEXILEファンもぜひ楽しみにしていただきたい。

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このポーズも決まってます!! 天才少年・RYUSEI君の演武にも大注目!!

また、今回からラウンドボーイとして、ブルース・リーのモノマネをYouTubeにアップしたところ、世界中から反響を呼び、再生回数なんと800万超えを果たした5歳の天才少年RYUSEI君が、ヌンチャクの華麗な手さばきとともに、かわいい声で「ラウンド1」と叫んで反響を呼んでいるが、そのRYUSEI君のスペシャル演武も7・18両国で決定した。

両国大会では、これからどんどんブレイクしていきそうな彼らのパフォーマンスにも、ぜひ期待していただきたい。

まさかの判定4試合。その原因はなんだ!?

さて、反響は良かったものの、正直に言えば、今回の道場マッチの試合内容は、前回ほどの面白さには及ばなかった。前回の道場マッチではKO率90%の大迫力試合が続いたが、今回はまさかの判定決着が4試合(全8試合中)、3回の「転落」によるTKO試合が2試合、ドクターストップ1試合と、KOによる一本勝ち試合が、たった1試合しかなかったのだ。

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前回秒殺で敗れたツチヤマンは今回も出場したが、小島のパンチの連打の前に敗れてしまった

その原因はどこにあるのか? ファンや有識者の皆さんには、「議論」でぜひ意見を載せていただきたいのだが、ひとつには出場選手が二度目の選手も多く、慣れてきたのも理由のひとつだろう。

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第2試合は強烈な打撃で道越の顔面を腫らせた内田(右)が判定勝利した

しかし、立ち上がったばかりのイベントで、まだルールも安定していないことから考えたら、普通はほとんどKOで決まるもの。そこはしっかり原因を検証する必要があるだろう。

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第3試合は1RにNOBCOV(左)の左耳から出血があり、1R終了時のインターバル時にドクターチェックが行われた結果、軟骨にまで傷が達していたため無念のドクターストップとなってしまった

今回は前回の道場マッチで、一番面白い試合展開と言われたCルールをベースに実験試合が行われた。そのCルールは、8メートルの円内でしか技は仕掛けられないルールで、赤いデッドゾーンに出たら「場外」としてカウントされず、中央に戻されるだけ。ポイントとなるのは、「転落」した場合のみで、1試合ではなく1ラウンド3回でTKO負けとなる。レフェリーのブレイクの曖昧さを防ぐために、寝技は15秒までにすることにした。

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第4試合は竜之助(右)がパワーで圧倒し、竹村を三度転落させて勝利した

今回の「道場マッチ2」では、前回のCルールをベースにAルール:寝技はパウンドのみ、Bルール:寝技はサブミッションもあり、Cルール:寝技はパウンドのみだが、サッカボールキックも有りの3種類を実験として行ったのだが、結果的に今回面白かったのは、Aルールと言えよう。

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第5試合は前回の道場マッチMVPの活躍をした中島大志(左)が安定した強さで判定勝利を収めた

ただし、「寝技は15秒と決めたのだから、レフェリーの判断で止めるのはやめよう」と、今回膠着のブレイクは一切とらなかったのだが、もしかしたらこのへんに判定試合が多くなった理由があるのかもしれない。というのも、寝技になった時に下の選手はとにかく相手にくっ付いて15秒耐えるという戦法に出る選手が増えたからである。それが総合の試合で酷評される悪いパターンの塩試合を増やし、判定決着が増えた原因になってしまったのかしれない。

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第6試合は華麗な投げ技を披露した末永が大差の判定勝ちで勝利

実行委員会の中では「やはり膠着したらレフェリーの判断でブレイクさせるべきだ」「サブミッションを入れるのなら15秒では短すぎる。30秒に戻すべき」という意見が出た。また、「場外」と「転落」「同体」の明確な区分けは、さらに研究していく必要があるだろう。皆さんは、どう思いましたか?

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第7試合は延長戦にまでもつれ込む接戦となったが、飯嶋(青の道着)が判定で勝利した

しかし、そんな道場マッチの中でも、圧巻だったのはブシロードクラブの岡倫之だった。桁違いの強さ、圧倒的な圧力とパワーで、わずか40秒で相手を3回転落させてのTKO勝ち(一本勝ち)。相手とて、100キロあるアメフトと空手で活躍した選手。そんな選手が軽く吹っ飛ぶほど、レスリングの全日本王者の底知れぬ強さを見せつけた。こんなデビュー戦ももちろんあり。本人は世界最強のオタクを目指しているそうだが、7・18両国大会の本戦も当然当確。今後の格闘技界を担う逸材であることは間違いない。外国人選手にこのパワーがどこまで通用するのか、楽しみである。

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メインは圧力の差を見せつけた岡(右)があっという間に三度の転落を奪い、秒殺で戦慄のプロデビュー戦を勝利で飾った

また、この岡に限らず、敗れた選手の中にもいい選手はたくさんいたので、この道場マッチを通じて世界に通じる選手を育てていきたいと思っている。


RESULT
第1試合
Aルール 3分2R 延長3分1R 技は円内/寝技:15秒(関節技、絞め技なし)
小島勝志
(地下格闘技/ブルドッグジム/70kg)
Winner
VS
ツチヤマン
(レスリング/和術慧舟會/98kg)
Winner: 小島
(1R1分16秒、一本勝ち)※パンチの連打
第2試合
Aルール 3分2R 延長3分1R 技は円内/寝技:15秒(関節技、絞め技なし)
内田和久
(実戦空手/FSA拳真館/77kg)
Winner
VS
道越隆之
(喧嘩術/士心館/80kg)
Winner: 内田
(3R判定3-0)※20-18、20-18、20-19
第3試合
Aルール 3分2R 延長3分1R 技は円内/寝技:15秒(関節技、絞め技なし)
松浦功
(実戦空手/FSA拳真館/73kg)
Winner
VS
NOBCOV
(柔道/75kg)
Winner: 松浦
(1R終了時、ドクターストップ)※NOBCOV選手が左耳裂傷のため
第4試合
Bルール 3分2R 延長3分1R 技は円内/寝技:15秒(関節技、絞め技あり)
竜之助
(MMA/ブルドッグジム/105kg)
Winner
VS
竹村光一
(レフェリー/キックボクシング/85kg)
Winner: 竜之助
(1R1分18秒、一本勝ち)※三度の転落
第5試合
Bルール 3分2R 延長3分1R 技は円内/寝技:15秒(関節技、絞め技あり)
中島大志
(相撲/80kg)
Winner
VS
コミヤ
(新空手/士心館/94kg)
Winner: 中島
(2R判定3-0)※20-18、20-18、20-18
第6試合
Bルール 3分2R 延長3分1R 技は円内/寝技:15秒(関節技、絞め技あり)
末永喜久
(MMA/NATURAL9/70kg)
Winner
VS
磯部由和
(新空手/士心館/60kg)
Winner: 末永
(2R判定3-0)※20-15、19-14、20-15 1Rと2Rに磯部に転落1あり
第7試合
Cルール 3分2R 延長3分1R 技は円内/寝技:15秒(関節技、絞め技なし。サッカーボールキックあり)
和也
(キックボクシング/士道館/70kg)
VS
飯嶋貴幸
(MMA/NATURAL9/70kg)
Winner
Winner: 飯嶋
(延長R判定3-0)※10-8、10-9、10-9。本戦は1-0で飯嶋(20-18、20-20、20-20)
第8試合
Cルール 3分2R 延長3分1R 技は円内/寝技:15秒(関節技、絞め技なし。サッカーボールキックあり)
岡倫之
(レスリング/ブシロード/115kg)
Winner
VS
鈴木堅世
(アメフト/士心館/90kg)
Winner: 岡
(1R0分40秒、一本勝ち)※三度の転落