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〈4/5〉辻田真佐憲×鈴木邦男「政治と芸術に正しい関係は存在するか?——『ふしぎな君が代』(幻冬舎新書)刊行記念」【愛国コンテンツの未来学 #4】【2015/8/26収録】 @reichsneet
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近年、政治と芸術の関係が議論になっている。2015年6月には、それを象徴するふたつのできごとがあった。ひとつは、16日に、下村博文文科相が国立大学学長に対して、入学式と卒業式において国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう要請を行ったこと。もうひとつは、25日に、自民党の勉強会「文化芸術懇話会」において「心を打つ『政策芸術』」という言葉が掲げられたことである。後者については、ある種のプロパガンダ芸術の萌芽ではないかとの批判を招いた。芸術は政治の道具ではない。その主張が正しい一方で、芸術が政治から完全に無縁であることもまた現実的ではない。それゆえ、政治を完全に排除するのではなく、政治と芸術が関係することを認めながら、その関係を適切に管理し、運用していくことが求められているのではないだろうか。その点、「君が代」をめぐる問題は、この政治と芸術の関係を考える上で、モデルケースとなりうる。というのも、国歌とは政治的であり、また芸術的であることを運命づけられた存在だからである。しかも「君が代」は、国歌として100年以上の歴史を持ち、長らく政治と芸術の問題を抱え続けてきた。この点でも、その歴史は今日教えるところが大きいだろう。そこで今回は、来たる「政治の時代」に向けて、「君が代」を通じて、政治と芸術の適切な関係を考える機会としたい。