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三浦哲哉 × 北村匡平 × 渡邉大輔 映画批評の新たなことばを探る ──「ポスト・シネフィリー」と映画批評の再起動
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ここ数年、日本では時ならぬ「映画批評」ブームが起きている。数々の、年代も幅広い注目すべき書き手による、それもかなり大部の著作が相次いで刊行され、話題を集めているのだ。少し前まで、かつての蓮實重彦や四方田犬彦らに代表されるような理論的射程の広さと分析の強度、文体の魅力を備えた映画批評はほとんど顧みられなくなり、「好きか嫌いか」という「食べログ的」なレビューばかりが求められていたようにも見える状況から考えると、これは驚くべき状況だと言えるだろう(名前を挙げた蓮實にせよ、これも大部の雑誌特集や論文集が刊行されるなど、再評価の機運がある)。理由はいろいろ挙げられるだろう。とりわけ2016年前後、『君の名は。』『シン・ゴジラ』、あるいはハリウッドの『インターステラー』『アナと雪の女王』、マーベル映画……などなど、数々の話題作や歴史的大ヒット作が相次いで登場したことが大きいだろう。それらの作品は、デジタル技術の進展などを受け、それまでの映画批評の文脈には収まりきらない要素(応援上映、Netflix、ワールドビルディング…)を数多く抱えており、観客に批評的に語りたい、あるいはこの作品の批評を読みたいと思わせる魅力を放っていた。そして、かたやそうした作品の魅力や可能性を、これまでの映画批評の良質の慣習を受け継ぎながら、まったく新しい枠組みで捉え直す、新しい世代の批評家が台頭してきたという事実もある。「「シネフィルである事」がまたOKになりつつある」(by菊地成孔氏)とも言われるいま、デジタル時代の新たな傑作群と彼ら新たな書き手たちによる、いわば更新されたシネフィル文化=「ポスト・シネフィリー」とでも言えるような文化圏、言説群が形成されつつあるのかもしれない。2010年代、そして2020年代の映画批評は、どのような論点を抱え、どのように進展していくのか?今回のイベントは、現在、『ゲンロンβ』で新作映画評の連載を担当している渡邉を司会役に、目下話題沸騰中の討議集『オーバー・ザ・シネマ』(フィルムアート社)の共編者であり、5月下旬に濱口竜介監督の大作を論じた4年ぶりの新著『『ハッピーアワー』論』(羽鳥書店)を上梓される三浦哲哉氏、そして、大著『スター女優の文化社会学』(作品社)で彗星のように登場し、『ユリイカ』などで精力的な批評活動も行う北村匡平氏という、いま最も注目される気鋭の若手批評家をお招きし、現代の映画批評の魅力と可能性について語り合う。(文責・渡邉大輔) 【イベントのページ】https://genron-cafe.jp/event/20180607/

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