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mashさん のコメント

おたんじょうびおめでとうございます!
離島には同じような理由で信号機が設置されているところが多いようですね。
子どもの頃,信号機の押しボタンを押し走る車を止めてやることで,どこか世界を支配した気分に浸っていたことをふと思い出しました。
1年が愉快な日々であることをお祈りしますよ!
No.2
119ヶ月前
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またしても 「沖縄国際映画祭」 から 「デルシネ」 の上映依頼があった! 今年の「沖縄国際映画祭」は 「 島ぜんぶでおーきな祭」 と名前を変えるようだが 前年の 「デルシネ・キャラバン」 が好評だった事から 我々はまたあの珍作映画 『エル・シュリケンvs悪魔の発明』 を携えて 来月 「沖縄」 を巡る事となった! 再三『ひろぐ』に記した通り 「デルシネ」はその日来てくれた観客を エキストラとして撮影し 本編に含めて上映するスタイルの映画だ! つまり! ただフィルムと映写機を持参して方々を回るだけでは この作品は上映できない! 映画を完成させるべく 上映会場で撮影を行うためには 入念なロケハンが必要なのだ! というわけで 狂乱の即興劇イベント 『IMPROMANIA 1』 を上演した翌日 私は急遽沖縄に飛んだ! 今回の上映依頼は 我々スタッフにとって あまりにも未知なる土地からのものだった! 「座間味島(ざまみじま)」! 那覇から高速船に乗って約1時間! 大型フェリーならば約2時間! ホエール・ウォッチングの名所として知られ 夏には海水浴客やダイバーやサーファーなどで たいそう賑わう島なのだそうだが いかんせんオフシーズンだからこそ 「デルシネ」の出番なわけだ! 港に到着して辺りを見渡すと そこそこ多くの住宅が見えるのだが 迎えてくれた役場の方によれば 見渡せる範囲の住居に 島民600人がほぼみんな暮らしているのだと言う! 「・・・で?  我々はどこでデルシネをやりましょうか?」 役場の方は港に立ったまま すぐそこを指差した! 「ああ!  あそこです!」 港からぐるりと歩道を歩いて5分! しかし直線ならばクロールでも5分! 平泳ぎで7分といったところか! なんとも驚くべき立地条件の 古い古い建物だった! 正式には 「座間味離島振興総合センター」 という名で 島の人々の集会場などに使われているのだそうだが かなり老朽化が進んだ建造物だった! 私は興奮した! これまでデルシネを上映した会場の多くは ぴかぴかに新しく 設備も素晴らしく 「さぁどうですか!」 と自らを誇示していた! しかしこの建物は違う! たくさんの人たちが過ごした思い出や笑顔を柱にして そこに建っている! 私にはそう見えた! 役場の方は笑顔でこう言った! 「当日はここに島中の子供達を集めますよ!」 私は 「山形県」 の内陸部に生まれ育ったので 海との縁は少ない! しかし以前 島育ちの友人からこんな話を聞いた事がある! 観光収入をメインとする島では 海水浴シーズンになると 人々がどっと押し寄せ 我が物顔で島を歩き回る! そうなると子供達は 遊び場をもなくし ただただ自分の家の手伝いだけをして 夏休みを過ごす! だから夏休みが嫌いだ! デルシネの面白さを考えれば 沖縄本島や内地からも観客が集まってしかるべきだが 私はまず誰より先に 「座間味島」の子供達を いっぱいに楽しませてあげたいと考えた! へんてこりんなヒーロー映画を みんなでわいわい見る楽しさ! そしてなによりも! そのへんてこりんな映画に 自分たちがエキストラ俳優として出演する楽しさ! 私がデルシネで思いついた全ての楽しさを 「座間味」の子供達にあげたいと感じた! 「観客をエキストラにして映画を撮られるんですよね?  ならばこの島にはいい場所がいっぱいありますよ!」 役場の方は 私を含むスタッフを車に乗せ 島中を巡ってくれた! 「ここはどうですか?」 「こんな景色もありますよ!」 「ここなら会場からバスを出せば五分で着きます!」 我々が見た光景は 多分に現実離れしていた! そこは楽園を描いた絵画で見るような あまりにも幸せな景色ばかりだった! なんと言う事だ! 3年前に「デルシネ」を初めて公開した時には 「そこは使わないでください!」 「ここには立ち入らないでください!」 と吉本社員に追い立てられ 結局はただの一部屋すら ただ一本の廊下すら 撮影に使わせてもらえなかった! そのため我々は 無許可のいわゆる”ゲリラ撮影”を あろう事かお客さんに強いた上で 「デルシネ」を上映した! なのに今! 「座間味」という島の あまりにも素晴らしいロケーションを 「ここもどうぞ!」 「あそこでもどうぞ!」 「なんならお客さん移動用にバスも出します!」 と笑顔で提供してもらっている! なんだかうっすらと涙が浮かんだのは 雄大な景色のせいだけではなかったようだ! 「映画って言えばこんなのもありますよ!  『マリリンに逢いたい』って映画のマリリンは  座間味に引っ越した犬だったんです!」 この像は対岸にある「阿嘉島(あかじま)」を向いており そこにはマリリンに焦がれて3kmを泳ぎ切った シロの像が 同じくこちらを向いているのだそうだ! どうですか? 今もちゃんと好きでいますか? 「すいません!  嘘をついても仕方がないので  あらかじめ申し上げておきます!  我々が作ったへんてこな映画には  これらのどの景色も  うまくはまる事はないでしょう!」 真実を告げると 役場の方は笑ってくれた! ”なんだよ散々回ったのによぉ!” といった たちの悪い不動産屋のような顔は 決してしなかった! おおらかな島に暮らす おおらかな人特有の笑顔だった! 会場となる建物の前に 信号機があった! なんだか不自然な信号機だった! 自動車信号が同じ列に配置されている! 普通は絶対こんな位置には設置しない! これでは一方の車線では 信号を高く見上げなければいけないため 目前の横断歩道が見えないではないか! あまりにもアンフェアな信号機だ! 「これはですね!  島で唯一の信号機なんです!」 驚いた! これはほぼ飾りなのだそうだ! 実際に通行人を見ていると 信号の役割はほとんど果たしていない! しかしこの島には これを設置しなければいけない大事な理由がある! いつかこの島を出て行く子供達が 旅立った町で信号機に出会った時! 「なんすかこのピカピカは?」 では済まされないのだ! そう! この信号機はすなわち”教材”として 設置されているのだそうだ! 「へぇ!  ここ!  これ!  この信号機は映画に使えそうです!  この信号機を使ってロケをしてもいいですか?  ちゃんと赤信号では止まりますから!」 普通ならば道路で映画を撮影しようものなら 交通規制を巡って大問題になる! だが役場の方は軽く首をひねりながら! 「どうぞ!」 と言ってくれた! これは面白い事になりそうだ! 大好きな”細道”を歩いているうちに 那覇に戻る最終フェリーの時間が来た! フェリー乗り場では 「スタンプ」 をもらった! ”面白いものがあればどこにでも行く” という人間でありたい! しかしそれよりも尊いのは ”面白いものを持ってどこにでも行く” という人間だ! 46歳になった本日! 私は後者でいられる事を 誇りに思っている! それが長年使い続けた 「ひろぐ」という言葉の意味の一つである! もちろん「座間味」でのデルシネには 島民以外の方も大歓迎だ! この素晴らしい島で あなたも私と一緒に 最高に楽しい時間を過ごしてみてはいかがだろう? 過去『ひろぐ』では 毎年2月23日だけ コメント欄を開放してきた! 本日もそうしてみようか!
ひろぐ
昆虫、ロケット、ロボット、サッカー、プロレス、映画などなど、多趣味な著者が書く方面から様々なゲストをよんでお送りするトークショーあり、ブロマガありのエンタメチャンネル!