今回の内閣改造で国務大臣(IT、科学技術、知財、クールジャパン、宇宙政策担当)を退任しました。まずは、この間、お世話になった全ての皆さまに深く感謝を申し上げます。1年弱の任期でしたので道半ばのプロジェクトも少なくありませんが、世界最速で少子高齢化・人口減少社会に突入した我が国において、全ての国民が安全・安心にデジタル化の恩恵を享受できるための一定の政策に確かな道筋をつけることができたと自負しております。
私の担当分野は、デジタル化とグローバル化が急速に進む中、「次の時代の基盤を創る」ための政策ばかりです。そのため、その解は従来の考えの延長線上にはなく、実現したい未来社会をバックキャスト的に考える必要があると考えました。そこで重視したのが、徹底した現場の取組や意見のヒアリング。政策立案のエンジンとなるプラットフォームとして「平井ピッチ(HIRAI Pitch)」を精力的に開催しました。産学官関係者から私が直接意見を伺う懇談会で、ピッチをお受けした数は約170社、機関に及びます。(※「ピッチ」とは、短いプレゼンの意味で、まだこの世に存在していない概念や、新しいアイデア等も含まれます)
数々のピッチのおかげで、今後の日本に必要な政策体系がかなり整理されました。詳細は別の機会に譲りますが、スタートアップ戦略、ムーンショット型研究開発制度、大学改革・産学連携、宇宙政策、クールジャパン政策、健康医療政策など、我が国の未来を見越した先進的な政策体系を整えることができました。
2000年の初当選以来、IT政策を政府や党の立場で推進してきました。思い起こせば国会での初質問も、インターネットの規制、電子政府推進というものでした。サイバーセキュリティ基本法や官民データ活用推進基本法は、デジタル社会推進には不可欠な法律で、私が主導した法律です。いわばライフワークとも言うべき分野を、国務大臣として担当し、限られた時間の中で懸命に走った11か月は、これに少なからず貢献できたのではないかと思っています。今後は、国会議員の立場で、社会全体のデジタル化とその先の日本を創造し、1億2千万人すべての国民が不安なくデジタル化の恩恵を享受できる環境の整備に全力で取り組んで参ります。今後も微力ながら、政治的資源である時間を最大限に活用して、全力で職務をまっとうする覚悟です。これからもご支援、ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。