「最初は・・・、何か違和感があるっていうか、変な感じがしました」
当時大学生だったSさんはそう語る。
大学生時は昼が学校、夜は家庭教師と居酒屋のバイトをしていた為、帰りはいつも遅かった。
「私は自分で生活費と学費を支払っていたから、バイトも学業もかなりまじめだったと思います」 
Sさんは当時中野の1Kのアパートに住んでいたが、毎日がクタクタの生活であった。
部屋が狭かったこともあり、学業は大学の図書館を主に使用していた。
その為、家には夜遅く帰るだけだった。
そんな生活が続く中で、ある日部屋の様子に何か違和感があったという。
「きっか
けは夏休み。その年は実家に帰らず、バイトも休みだったので、家にいました。
・・・その時、何か家のものが動かされている気がしました」
例えば壁に貼ってある写真が微妙にずれていたり、
教科書の位置が微妙にずれている気がしたという。

「鍵はきちんとかけていたし、親にも渡していませんでした。