2013年06月06日発行 第0749号 特別
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 ■■■    日本国の研究           
 ■■■    不安との訣別/再生のカルテ
 ■■■                       編集長 猪瀬直樹
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 6月4日火曜日、東京都議会本会議で猪瀬直樹は今年2度目の所信表明の演
説に臨みました。24時間化を打ち出した都営バス、一元化を求める地下鉄につ
いて何を語ったか。ハイライトをご紹介します。
全文はFacebook「東京都知事猪瀬直樹の部屋」で読むことができます。
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「首都の総合的な公共交通はどうあるべきか」

 東京の交通システムの利便性を国際水準に引き上げなければなりません。ニ
ューヨークも、ロンドンも、パリも、地下鉄の運営は一元化され、バスは24時
間動いています。東京でも、都営バスの六本木と渋谷を結ぶ路線で、今年中に
24時間運行を始めることにしました。

○時間という市場を開発する●

 なぜ、この決断をしたのか。世界のビジネスは24時間動いているからです。
しかし、それだけではありません。私たちのライフスタイルに一石を投じるた
めでもあります。バスや地下鉄が24時間動いている欧米の都市では、「仕事が
終わった後、夜遅くまでオペラを見て、その後、レストランに行く」、それが
日常の光景です。日本のように終電を気にすることはありません。夜をゆとり
ある時間に変えることで、東京の新しい可能性を引き出してまいります。人生
を充実させるためには、ワークライフバランスが大切です。「日本の標準時間
を2時間早める」という提案をしたのも、「時間は有限ですが、可能性は無限」
であるからです。時間という市場を開発できれば、プライベートも充実し、内
需の拡大にも繋がって、東京の魅力にさらに磨きがかかると思います。

 現在、私鉄のバス会社は、終電後に郊外へ向かう深夜バスを運行しています。
これも、時間の新しい可能性です。今後、そうしたバス路線と都営バスをター
ミナル駅で接続させるなど、幅広い視点から検討を進め、東京の都市力向上に
活かしてまいります。

○地下鉄一元化の思想●

 稠密に張り巡らされ、安全かつ正確な東京の地下鉄網は、世界の大都市と競
争する上で最大の武器であるはずですが、二つにわかれているがゆえに、利用
者は二重運賃や乗り換えでの不便を強いられ、持てる力を十分に発揮できてお
りません。

 歴史を紐解けば、昭和16年、当時、鉄道省の官僚で、後に総理大臣となる佐
藤栄作が主導した陸上交通事業調整によって、東京メトロの前身である帝都高
速度交通営団が、東京の地下鉄を独占することになりました。同時に、東京中
心部のバスと路面電車は、東京市に一元化されました。今の都営バスと都電で
あります。そして戦後、東京都は都議会と共に、一体的・効率的な交通体系を
確立するため、地下鉄を含めた首都の交通一元化を政府に求めてまいりました。

 しかし、高度経済成長時代の急激に増大する交通需要に対応する必要から、
東京の地下鉄は、営団と後発組である都営の二元体制になったままです。地下
鉄のネットワークが概成したいま、都営地下鉄の経営も黒字となり、社会状況
も当時とは大きく変わりました。我が国は人口減少社会に突入し、東京の人口
も2020年には減少に転じると見込まれています。鉄道の経営も当然、効率化し
なければなりません。少子高齢化によって、バスへの期待も高まってくると思
います。駅やその周辺のバリアフリー化を進めるなど、バスと地下鉄の乗り換
えをさらに便利にしていく必要があります。首都の地下鉄やバスを、外国人に
も分かりやすいものへと変えていく必要もあります。我が国の政治経済の中心
部の真下にトンネルを持つ地下鉄は、セキュリティへの十分な配慮も不可欠で
す。

 九段下の壁は、九段下のバカの壁は取り払いましたが、メトロとか都営とか、
これまでの縦割りのやり方は、通用しません。過去・現在・未来を正しく見つ
め、東京の都市力を高める、利用者本位の新しい交通政策、総合的な政策が求
められています。地下鉄の一元化も、この大きな思想の中で捉えなければなら
ないのです。

○誰のための地下鉄か●

 都心部に金城湯池の独占的権益を持つ会社を、このまま完全民営化しようと
する国土交通省の姿勢は理に適ったものなのでしょうか。私はそう思いません。
公の出資を元手に、さらに5500億円もの補助を受けて、道路という公共の空間
の下にトンネルを造り上げてきた地下鉄から生まれた利益は、東京メトロとい
う一会社の自由な振る舞いのためではなく、利用者である都民・国民のために
使われるべきなのです。

 今月末の株主総会には、安全・安心の追求と利用者視点に立ったサービスの
提供を、経営理念として定款に盛り込むなど、初めての株主提案を行っていま
す。併せて、この理念を実現するため、東京都、政府、東京メトロからなる経
営改革会議の設置を要求してまいります。株主としての権利も行使し、「誰の
ための地下鉄なのか」「地下鉄の公共性とは何か」を、世に問いたいと思いま
す。

 同時に、首都政府の責任として、将来を見据え、首都の総合的な交通政策と
公共交通のあり方について、検討を進めてまいります。
  
                               (抄録)


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猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■掲載情報

・6月5日発行『潮』7月号、連載対談「日本を変える次世代の騎手たち」
 第13回にエル・システマジャパン代表理事の菊川穣氏との対談「音楽の力で
 被災地の子どもに希望を」が掲載されました。

・6月10日発行『文藝春秋』7月号、特集「父母への手紙」掲載予定です。

・You Tubeにて、6月1日に放送された MXテレビ9CH『東京からはじめよ
 う』(ゲスト:辻慎吾氏)が提供されています。
 https://www.youtube.com/playlist?list=PL874C650250E25DD7

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