石破 茂 です。

 昭和39年、前回の東京オリンピックの年、皆様はどのような思い出をお持ちでしょうか?
 49年も前のことですから(!)、「まだ生まれていなかった」という方も多いのでしょうけれど、我々の世代以上の者はそれぞれが強烈な思い出を持っています。「あの時どこで何をしていた?」という会話が急に増えました。

 あの時私は鳥取の小学二年生でした。聖火リレーが鳥取県庁前を通る、というので沿道から一生懸命日の丸の小旗を振ったことをよく覚えています。
 ようやく普及し始めた白黒テレビで重量挙げやバレーボールの日本選手の活躍に声援を送ったものでした。中でもマラソンの円谷選手の劇的な最終の場面は鮮烈に印象に残っています。当時は三波春夫の「東京五輪音頭」が街中に溢れていました(今聴いてみると、これは相当に難しい唄ですね)。

 前回の東京五輪が戦後の復興の象徴であったとすれば、2020年大会は長く続