- PCはニールセン社「Neilsen Netview」
- スマートフォンはビデオリサーチ・インタラクティブ社「Smart M3」
当記事では、2013年1月度の ニールセン・インターネット視聴率をお伝えします。
データ元は、ニールセン社提供によるインターネット利用動向調査「Neilsen Netview」サービス。対象は「一般家庭および職場のPCユーザー」となっています。
まずは、全体概要から見ていきます。訪問者数では、Facebookが 1,767万人 と、他を大きく引き離しています。リーチ※を見ると、Facebookが29.7%と国内インターネット利用者の約3割が利用していることが分かります。(※インターネット利用人口を母数とした利用者の割合)平均訪問時間では、122分と PCベースでは、mixi が依然として長時間利用されていることが分かります。
このデータはあくまでPCを前提とした訪問者数であり、以下の点に注意する必要があります。
- フィーチャーフォンやスマートフォンからの訪問者数を含んでいない。
- 非会員の訪問、すなわち各SNSトップページへの訪問者やオープンなページ(Facebookページ、mixiページ)への訪問者を含んでいる。したがってアクティブ会員数とは一致しない。
- PCはWindows PCのみであり、MACやタブレットPCなどは含まない。
- 視聴率測定しているのは家庭と職場のみであり、学校やネットカフェなどからのインターネット利用は含まれていない。
次に、訪問者数を時系列推移です。
前月比の動向では、Facebook(99.8%→104.4%)、Twitter(100.5%→101.7%)、Google+(98.6%→105.2%)、Linkedin(110.4%→110.6%)、mixi(97.8%→98.0%)と、mixi以外の4サービスでは、若干の増加傾向が見受けられます。
続いて、ページビューと訪問時間の時系列推移です。
ページビュー・訪問時間共に、Facebookが他を大きく引き離しています。ページビューにおいて前月比ベースで増加傾向が確認されたのは、Facebook(102.0%)、Google+(131.1%)、LinkedIn (166.7%)でした。
Google+のページビューや訪問時間が増加している要因として、以下などが考察されます。
- ビジネスマンの割合が高く、インターネット利用時にはスマートフォンよりPCを活用している。
- Google+とGoogle検索の融合が進み、効果が出始めている。
- 某アイドルグループの動画が一時的にバイラルし、各指標がUPした。
昨年末に発表された、「オタク」が集うGoogle+:検索語ランキング発表なども有り、いずれにしろ、Google+はまだまだ、一部の特性を持った生活者層に利用されているサービスであると推測されます。
ここまで、PC訪問者数・PCページビュー数・PC訪問時間数と見てきましたが、大晦日と元日の写真アップロード数は新記録の11億枚 や、ツイート数の世界記録を日本の「あけおめ」が更新–「バルス」抜く などの記事から、実際の訪問者数やページビュー数などは、もう少し上昇傾向なのではないかと推測されます。本調査では対象外となっている、スマートフォンでのユーザー動向を知るという意味も含め、先日 in the looop でご紹介させて頂きました下記記事を再掲載させて頂きます。スマートフォンでは、Twitterの利用率が2012年6月〜12月の半年間で、「64.5%→77.9%→88%」と順調に伸長している点など、参考となる要素が報告されています。
【スマホ版】mixi, Twitter, Facebook, LINE, カカオ 2012年12月ソーシャルメディア最新視聴率調査【VRI】
次に、サービスごとの訪問者重複状況をチェックしたいと思います。
この表は、たとえばmixiユーザーの56.3%はTwitterを、67.8%はFacebookを、16.8%はGoogle+を0.7%はLinkedinを利用しているということを表しています。Facebook(73.2%)及びTwitter(59.7%)の平均重複利用率が非常に高く、mixi利用者であろうが、Google+利用者であろうが、FacebookあるいはTwitterを利用している可能性が非常に高いことが分かります。
最後に、各サービスの訪問者属性を見てみます。
あくまでもPCベースの調査結果とはなりますが、mixiは、5サービス中最も女性の割合(48%)が高く、30代までのユーザー層が56%と、他のサービスよりも、年齢層が若く、かつ女性ユーザーの割合が高いサービスとなっています。一方、Facebook及びTwitterとの比較では、男女比率はほぼ同一であるものの、20代以下に利用されている割合はFacebook17%、Twitter25%と、PCのベースではTwitterユーザーの方が20代以下の若年層の割合が若干高い。Google+、Linkedinともに現時点では男性ユーザーに偏りがありました。Linkedinに関しては、30代の割合が非常に高い傾向が出ています。
職業分布及び世帯年収分布では、5サービスともに、訪問者の約6割がビジネスパーソンとなっています。また、mixiでは主婦、Twitterでは学生の割合が高いなどサービスにより特徴が現れています。世帯年収に関しては、Linkedin以外のサービスがほぼ同傾向の構成となっていました。一方、Linkedinについては、86%がビジネスパーソンとなっており、世帯年収分布では700万以上のユーザーが51%と、高所得者・ビジネスパーソンの割合が非常に高いサービスとなっていました。
ここまで、PCベースにおける各指標を見て来ましたが、マイクロソフトの「Bing」、サイドバー表示でFacebookとの連携強化を発表や、Twitter、写真と動画の表示を強化–タイムライン内にフルサイズの画像を表示など、活性化を狙う施策が次々に実施されている中、Facebook、Twitter などでは訪問者の動向に大きな変化は観察されず、安定期に入っていることが確認できます。
訪問者数活性化という視点では、例えば、まだ日本では本格導入が開始されていない、Facebook、新検索機能「グラフ検索」を発表 Googleと異なり“つながり”を重視などの導入が待たれます。
最後に、本調査はあくまでもPC利用者を対象にしたパネル調査であるため、各サービスの一面を捉えたものであることは、多くの方からご指摘を頂いている通りでございます。以下の様な興味深い報告も多数なされています。
- 意外?Facebookのユーザデータを調べてみてわかった3つの事実(年齢・男女別)
- モバイルから主に Twitter を利用するユーザーは若く、反応がいい――Twitter と Compete 調査
- SOCIAL PLATFORMS GWI.8 UPDATE: Decline of Local Social Media Platforms – See more at:
一方、2月20日にFacebook Japanより、日本国内の月間アクティブユーザー数が1,900万人突破が発表されました。2月末日での数値公表であることや、スマートフォンやフィーチャーフォンオンリーユーザーも含んでいることを考えると、PCベースの本視聴率データも、ある程度の傾向は把握可能なのではないかと考えております。パネル調査の特性を十分に理解頂いた上で、マーケティング担当者の方の情報収集や企画立案の際に、少しでもお役に立てれば幸いです。
本調査に関連する過去データは「ソーシャルメディア視聴率」からどうぞ。
■ インターネット利用動向調査「Nielsen NetView」に関して
インターネット利用動向調査「Nielsen NetView」は、日本のウェブサイトの利用状況を毎週、毎月ウェブサイトごとにユニーク・オーディエンス(当該期間に1回以上、ウェブサイトを訪問/視聴したとされる、同一人物の重複を除いた推計利用個人数)などのデータとして契約顧客向けにニールセン株式会社がレポートを提供しているものです。 詳細は ニールセン株式会社 お問い合わせ窓口まで。
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">by 関根 健介