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【2012年10月最新版】ソーシャルサービス認知度調査。LINE+5pt、DeNAのcommも追撃は不可能なのか?
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【2012年10月最新版】ソーシャルサービス認知度調査。LINE+5pt、DeNAのcommも追撃は不可能なのか?

2012-11-22 09:31
    ■同時公開の注目記事
    mixi, Twitter, Facebook, Google+, Linkedin 2012年10月最新ニールセン調査

    プログラミングを勉強したいメンバーが集う!新しいシェアハウス PGHouse 豪徳寺

     

     

    お世話になっております。

    ループス直人です。

     

    2000人規模のインターネット調査を毎月追うのもどうかと思ったのですが、メッセージングサービス界隈、というかLINE界隈が賑わっているようなので今月も書いてみたいと思います。

     

    ■過去の記事 
    Facebook国内認知率がmixiなどと同等水準に。LINE、Google+の認知も拡大(2012/6/28)
    LINE躍進!2012年9月最新版、ソーシャルサービス認知率レポート【マクロミル調査】(2012/10/30)

     

    SNSサービス認知率

    まずは各SNSサービスの認知率です。「内容まで知っている」「名前は聞いたことがある」「知らない」の3択で、「内容まで知っている」人の割合を時系列でグラフにしました。名前を聞いたことがある程度の人を合わせると、Facebook、Twitter、mixi、mobage、GREEまではいずれも90%を超えています。

     

     

    Google+以外は全体的に増加している傾向が見られました。このあたり、若干調査対象のブレがあるのかもしれません。

     

    ただ、逆に認知率がほとんど伸びていないGoogle+はあまりPRされなかったということでしょうか。さっと調べられるものもないので、とりあえずGoogleブログ検索でブログ記事の量を見てみると7月は22.4万件、8月は23.9万件、9月は11.4万件、10月は8.5万件。8月はエンタープライズ版に対する言及が多かったのですがその後減少しています。一般ユーザーの認知とブログ記事の量が密に関係するとも思えないのですが、大きな話題になるようなネタが最近は少なかった気もします。

     

    LINEは前月比5.0ポイントと他のサービスと比べても突出した伸びを見せています。以下の記事でも触れましたが、新規スマホユーザーがそのままLINEユーザーになるという循環ができつつあるのだとしたら、急速な伸びも頷けます。聞くところによると、テレビCMの出稿量は一時期に比べると減っているようですが、PRにこれまで通りのコストを割かなくてもネットワーク外部性を利用して自然に認知が広がっていく流れを作れているのであればかなり素敵な感じですね。

     

    ■関連記事
    【マニア向け】DeNAの「comm」は、先行するLINEとどう戦うか?
    Yahoo!と連携するカカオトーク、国内市場でLINEを越える戦略はあるか

     

    LINE関連といえば、先日発表された来春リリース予定の新サービス「LINE@」が注目です。

     

    画像クリックで公式サイトへ

     

    これはローソンで1回10万人を集客したと言われる強力なプッシュメディア「LINE公式アカウント」の廉価版です。これまでの公式アカウントは数百万円からのコストが必要でした。LINE@は友達数1万人までという制限があるものの、月額5,250円で登録できるようです。集客をアカウント保有者自身で行わなければならない点が課題ですが、普及すれば Line が本格的な B to C プラットフォームへ向かう大きな一歩となるでしょう。

     

     

    雑談 : 来月からは comm の認知状況も調査対象となるそうです

    来月からは、マクロミルさんのご厚意により、DeNA社の comm、再来月からはKAKAO JAPAN社の KAKAO TALK が調査対象に入るかもしれません。

     

    LINEがテレビCMを控えているらしい一方、同カテゴリである DeNA社の comm が吉高由里子氏のCM攻勢をかけているようですので、11月度調査から対象となる comm の認知度やユーザー数がどのように伸びていくのかは気になるところです。

     

    仮に、 comm のユーザー数増加スピードが初期のLINEと同程度であった場合、ユーザーはネットで騒がれているほどにはアドレス帳アップロードに抵抗がなく、「知って、ダウンロードして、バイラルする」という流れを作るためには認知獲得競争以外にさしたる参入障壁もないのではないかとも考えられます。となると、多くの端末にLINEとcommが両方ダウンロードされている状況になり、次の展開はユーザーのアクティブ率・利用時間をいかに高く維持するかという点に焦点が移ってくるのではないかと思います。

     

    コミュニケーションサービスが実質的にLINEしか存在しないのであれば、ちょっと迷惑なくらいプッシュ通知を送ってもユーザーは我慢するか、いくつかのアカウントをアンフォローするだけ。LINEユーザー全体の利用時間やユーザー数に影響はありません。しかし、comm がコミュニケーションサービスの競合としてある程度の存在感になりうるのであれば、競合への乗り換えが発生してしまう可能性が生まれます。

     

    出典:『ロイヤルティリーダーに学ぶソーシャルメディア戦略』高見俊介著

     

    上図はロイヤルティと収益性で顧客をマトリックス化したものです。ロイヤルティはそのサービスに対する愛着、収益性は文字通りの意味です。先ほどの説明は、comm のシェア拡大が、LINEにとっての上図「抑留者」流出のリスクにつながる恐れがあるということです。最近発表されたLINE@はLINE側からトラフィックを流さないので大きな影響はないかもしれませんが、いずれにせよペイドメディアはそのトラフィックから得られる収益の最大化を目指すことになるため、乗り換え対象の有無はアグレッシブな戦略を採れるかどうかに大きな影響があると考えられます。

     

    ここまでの話は comm のユーザー増加ペースがLINEと同程度に早かった場合ですが、ここでもし comm が苦戦するようであればしばらくはLINE安泰と見て間違いないのではないでしょうか。やはりネットワーク外部性は強かった、先行者利益があった、という解釈をされるのでしょう (当事者じゃないので実際どうかは永遠にわからないのですけど)。

     

    国内のスマホ契約数を約3000万強と見積もると、LINEのシェア(ユーザー数3,200万)は絶対的なように見えます。実際は競合とも同居可能なアプリなので利用時間までを見ないとわからないのだと思いますが、comm がマスメディアを中心としたプロモーションで利用者数800万人あたりを超えてくるなら、どうなるかわからないんじゃないかと思います。

     

     

    雑談の上に余談で恐縮ですが、DeNA社の本当の強さは確立した経済圏の中での収益最大化ノウハウにあると思います。上記書籍をご覧になっていない方は是非ご一読されることをおすすめします。まずは登録者数増、本当の勝負はそこから、ということになるのでしょう。最低限のエコシステムが回りはじめるまではかなり強力なプッシュが続くのではないかと妄想しています。

     

     

    浅い認知度

    雑談が長くなってしまいました。すみません。

     

    続いて、インターネットの新しいサービスにはうとい人でも、「名前は聞いたことあるな・・・」というような浅い認知にどこまで達したかという観点並べてみました。

      

     

    改めて見ると、ネットユーザー(調査方法がインターネット調査なので)の約7割が「名前くらいは聞いたことがある」と回答するGoogle+は驚異的なのかもしれません。もしかしたら「Google」そのものと間違えているんじゃないか、という気すらしてきます。もしくは、単にGoogle+がわかりづらいサービスということなのかもしれませんが・・・。

     

    余談ですが、Googleに所属していらっしゃる方も「Google+は製品・サービスというより “コンセプト” に近い。もっと抽象的な存在。」とおっしゃっていました。こういうところで並べる方がおかしいのかもしれませんね。

     

     

    利用状況・利用意向調査

    ここまで、なんだかLINEとGoogle+の話ばかり書いてしまいましたが、続いてFacebook、mixi、LINEの利用状況・利用意向を見てみたいと思います。

     

    繰り返しになってしまい恐縮ですが、PCからのインターネット調査なのでそれなりのバイアスはかかっています。人口分布には沿っていますがモバイルメインのサービスは弱めに出ているかも知れません。予めご了承ください。

     

    Facebookの利用状況・利用意向

    クリックで拡大、データ出典マクロミル

     

    先月に比べ、じわりと「現在利用している」層が増えました。また、その他の指標にもポジティブな傾向が現れています。1ヶ月の動態なので誤差かもしれませんが、これが数ヶ月続くのであれば革新的な動きです。

     

    Facebookの広告管理ツールによると、日本におけるFacebookのアクティブ利用者(月1回以上ログイン)は1,600万人。日本のインターネット利用者が9,000万人台後半だと思いますのでいわゆるキャズムの16%を超えたあたりです。キャズムは、そこを超えるとサービスが自動的に普及するティッピング・ポイントではなく、イノベーティブなテクノロジーがメインストリームに対する挑戦権を得る段階だと認識しています。

     

    いつだったかのハーバード・ビジネス・レビューで読んだところによると、マジョリティは感化されやすいものだそうです。実利を優先するので、これまで頑として否定していたサービスでも周りが使い始めると手のひらを返す、言葉はよくないですがそういう傾向がある、と。

     

    Facebookのような、例えば「日本では絶対に受け入れられない!」とされてきたサービスがキャズムを越え次のステージに挑戦するということは、非常に面白い可能性を秘めているのではないかと思います。これまでは地道な人間関係の構築に血筋をあげてきた同サービスですが、次の段階でマジョリティに効果的にリーチするという観点からは、例えばテレビCMを打ってくる可能性なども否定はできません。

     

    mixiの利用状況・利用意向

    クリックで拡大、出典マクロミル

     

    続いてmixiですが、Facebook同様にポジティブな傾向が出ています。特に「利用したくない」層が4ポイントも減少しているのは特筆に値します。

     

    ここでちょっと思い出しておきたいのが、今回のパネル(調査対象)の特殊性です。各SNSサービスの「内容を知っている」割合が軒並み増加し、Facebookの利用状況もポジティブな数字が出ている。ちょっと良い感じの人たちを捕まえちゃった可能性も否定できません。その点ご承知おきの上、続きをご覧ください。

     

    で、mixiですが、10月9日に「ユーザーファーストなmixiを目指して」という、ユーザー志向を代表の笠原氏自らの署名で発表し、ユーザーアンケートやインタビューの実施、ユーザーファーストウィークの実施、あしあとリアルタイム表示の試験的再開など意欲的な姿勢を見せました。マクロミルの調査期間が2012年10月19日~10月23日と発表直後だったことを考えると、ミクシィ社の取り組みがユーザーに好意的に受け止められたと見ることもできると思います。

     

    9月から10月上旬は、ミクシィ社としても様々な取り組みを発表した月でもありました。10月9日以前のプレスリリースを引用したいと思います。

     

     

     

     

     

    最近では、ユーザーファーストを実現するための手段の1つとして、ネットマイルリサーチを活用し、ユーザーリサーチを迅速に行いやすい仕組みを導入することで、サービスの改善につとめてまいりますということでネットマイルとの提携も発表しており、サービス改善に向けた様々な取り組みが進んでいることが伺えます。今後の動向に注目したいです。

     

     

    LINEの利用状況・利用意向

    クリックで拡大 出典マクロミル

     

    非常に勢いのあるLINE。「現在利用している」層を3ポイント伸ばしました。

     

    国内ユーザー数は2012年10月時点で3,200万人を超えるとされる同サービス、アクティブ率はわからないものの若干少ない数字になっているのは同サービスがPCからのインターネット調査である影響が少なく無いかも知れません。

     

    Facebook、mixiに比べて「無回答」の割合が少ないのは、前者に比べて認知率が低いためです。伸びているサービスだけにこのグラフからは悪いところが見当たりません。「現在利用している」割合が同程度の時点でのFacebookに比べて「過去に利用していたことがある」割合が低いのもLINEユーザー定着率の高さを物語っているようです。

     

    終わりに

    (自分の周りでの)Facebookブームが終わり、最近ブログを書くネタがなくなったなー、と感じていた昨今ですがLINE、KAKAO TALK、commのおかげでまた少し楽しくなりそうな予感がしています。

     

    オープンな情報があまりないのでブログ記事にはならないかもしれませんが、何しろインターネットのコミュニケーションサービスでビジネスとして成功した話が聞こえてきたのは本当に嬉しいです。

     

    引き続き各サービスの動向に注目していきたいと思います。

     

     

    調査概要、及び調査対象のプロフィール

    自主調査レポートはマクロミル社のWEBサイトから資料請求できます

     

    【調査方法】 インターネット調査

    【調査日時】 2012年10月19日~10月23日

    【調査対象】 15才~69才の男女 2,171人

    【調査目的】インターネットの利用動向を時系列で捉える。

     

    【調査項目】

    ・インターネットの利用機器・頻度・目的

    ・インターネットのサービス認知および利用状況

    ・利用しているインターネットサービス など

     

    ■同時公開の注目記事
    mixi, Twitter, Facebook, Google+, Linkedin 2012年10月最新ニールセン調査 

    プログラミングを勉強したいメンバーが集う!新しいシェアハウス PGHouse 豪徳寺

     

     


    by 許 直人
    RSSブログ情報:http://media.looops.net/naoto/2012/11/22/macromil201210/
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