先週YouTubeに公開したビデオ「斉藤徹のよくわかるデジタル・マーケティング講座#1」が、今日アドビシステムズ社の特設ウェブサイトでも正式に公開されました。この「斉藤徹のよくわかるデジタル・マーケティング講座」は、ループス・コミュニケーションズの斉藤さんが、6回に渡ってこれからのデジタル・マーケティングに必要な考え方についてわかりやすく解説しているビデオです。
■斉藤徹のよくわかるデジタル・マーケティング講座#1(YouTubeバージョン)
https://www.youtube.com/watch?v=yUGSWpnV9HU&feature=youtu.be
■アドビシステムズ社の特設ウェブサイト【Webセミナー】
http://apps.enterprise.adobe.com/go/701a0000000miaOAAQ
※今日から毎日1本づつ公開される予定です。
※尚、ビデオを視聴するためには簡単な情報の登録が必要になります。
このビデオの特筆すべき点は、デジタル・マーケティングに関連した技術的な側面よりも、斉藤さんらしく、仕事の進め方や考え方といったデジタル・マーケティングに携わる人々に必要な“心構え”について詳しく言及している点だと僕は思っています。「斉藤徹のよくわかるデジタル・マーケティング講座」を全編見終わった頃には、ソーシャル時代のデジタル・マーケティングに必要なものがきっと見えてくるはずです。
今回「斉藤徹のよくわかるデジタル・マーケティング講座」をプロデュースし、撮影の現場にも立ち会った人間として、このビデオのポイントと概要を簡単に紹介しておきたいと思ったのがこの記事を書くことになったそもそものきっかけです。そういう意味では、この記事が、これから「斉藤徹のよくわかるデジタル・マーケティング講座」を視聴する読者の皆さんの指南役としての役目を果たせることを切に願っています。
本題に入る前に、デジタル・マーケティングについて簡単に定義しておきたいと思います。デジタル・マーケティングを語る上で抑えておかなければならないポイントの一つとして、デジタル・マーケティングが対象とするビジネスの範囲が、ウェブの世界だけにとどまらないという点をあげなければなりません。
たとえば、ウェブマーケティングがトリプルメディア(ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディア)の中のウェブだけを対象としているのに対し、デジタル・マーケティングは、ウェブ以外の紙を含めた広範囲な世界を対象としています。もっと簡単に言えば、ウェブマーケティングがインターネットだけを対象としたものであるのに対し、デジタル・マーケティングはインターネットとリアルの両方を対象にしたものだと考えることができるのです。
よって、デジタル・マーケティングは、ほとんどのビジネスと深くかかわり合っていると言っても決して過言ではありません。商店街の小さな花屋や八百屋でさえホームページくらいは持っていますし、たとえホームページを持っていなくても、チラシを始めとした広告をデジタルデータで制作するのは今やもう当たり前になっていると言っていいでしょう。
では、ほとんどのビジネスと何らかのカタチで深くかかわり合っているデジタル・マーケティングは、ソーシャル時代になってどう変わろうとしているのでしょうか。そして、デジタル・マーケティングに携わる人々は、ソーシャル時代のデジタル・マーケティングとどう向き合って行けば良いのでしょうか。「斉藤徹のよくわかるデジタル・マーケティング講座」の第1のポイントは、ソーシャル時代のデジタル・マーケティングに必要な考え方・心構えを職種別に解説している点にあります。
下の図を参照してみて下さい。ビデオでは、これからのデジタル・マーケティングに必要な役割を以下の5つの職種に分類して解説しています。
① マーケター
デジタル・マーケティングを使ったキャンペーンにおいて、サッカーに例えるならば司令塔の役割を担う重要な存在です。常にキャンペーン全体の進捗に気を配りながら、チーム全体に的確な指示を出すことが求められています。
② クリエイター
デジタル・マーケティングの分野では欠かすことができない、ビデオや写真などのクリエイティブの制作を担う花形的な存在です。最近のデジタル・マーケティングでは、このクリエイティブの完成度がキャンペーンの成否に影響を及ぼすほど重要性が増してきています。
③ ウェブアナリスト
デジタル・マーケティングを成功に導くために必要なデータの集計・解析を担う裏方的な存在です。最近のデジタル・マーケティングの成功は、このデータの解析にかかっていると言われるほど最近重要度が増してきています。
④ ソーシャルメディア担当者
デジタル・マーケティングでは最も新しい職種です。FacebookページやTwitterなどの運用を担う近年重要性が増してきている存在でもあります。まだ職種として用意していない企業も珍しくありませんが、今最も注目を集めている職種の一つです。
⑤ コンテンツ担当者
デジタル・マーケティングを使ったキャンペーンの成否を決定づけるコンテンツの更新を担う重要な存在です。他の担当者と緊密にコミュニケーションしながら、ユーザーの望んでいるコンテンツを提供することが求められています。
【図1】ソーシャル時代のデジタル·マーケティングに欠かせない5つの職種とその役割
恐らく、読者の皆さんが勤める企業の中には、いくつかの職種を兼務している場合もあれば、もっと役割が細分化されている場合もあるのではないでしょうか。また、職種の呼び方が違っている場合もあるでしょう。ただ、デジタル・マーケティングにおける役割という観点から分類した場合、この5つの職種に分類することに対してさほど異論が出ないのではないかと考えています。ここで重要なことは、こうした5つの職種に分類して考えることで、ソーシャル時代のデジタル・マーケティングに必要な考え方や心構えが整理しやすくなるという点です。
「斉藤徹のよくわかるデジタル・マーケティング講座」が読者の皆さんに伝えたいことは、デジタル・マーケティングに携わる役割を5つの職種に分類することではなく、図の最後にも記されているように、それぞれの役割を担った担当者がリアルタイムにコラボレーションすることの重要性についてです。そして、その重要性を導き出すために、便宜上5つの職種に分類したに過ぎないのです。
では、デジタル・マーケティングに携わる5つの職種がリアルタイムにコラボレーションするために必要なこととは一体なんでしょう。なぜソーシャル時代のデジタル・マーケティングにとって、リアルタイムにコラボレーションすることが重要なのでしょう。その答えは、是非ビデオを全編ご覧いただいて見つけてほしいと思っています。
また、明日から1日おきにこのIn the looopで斉藤さんとアドビシステムズ社のエバンジェリスト上原さんとの対談記事「デジタル・マーケティングの課題を解決する3つの重要なキーワード」を公開する予定です。是非こちらの記事も参考にしていただければと考えています。
伊藤 靖
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