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こんにちは、ソシャマノートのこのみです。みなさんの会社・サービスにもロゴはあると思います。企業やサービスのシンボルとしてとても重要ですよね。ロゴのデザインはデザイナーにとっても難しい仕事の1つだと思います。今日はとても興味深い内容だったのでThe psychology of logo designという記事からロゴがもたらす心理的な作用について、翻訳してまとめてみました。
ロゴデザインにおける心理学
ロゴのデザインをする前に、まずは一歩下がってロゴデザインの過程においてロゴの要素がどのような心理的な作用を及ぼすか考えなくてはいけません。
デザインと心理学の関係を知れば、オブジェクトを特別な意味に仕立てる事が今よりできるようになるでしょう。
基本的には「意味を付加することができる・作ることのできるもの」は覚えておく必要があります。デザインをする上で意図してそれらの作用を用いる事によって、デザインの基礎力を伸ばしてくれる事にもつながります。
もともとロゴという言葉はギリシャ語で「言葉」を意味する単語だそうです。ロゴのデザインをする時はそのビジネス・企業・団体を”視覚的な「言葉」として作成・表現しているのです。
消費者は個々人の観点・物の見方から、ロゴを見て言葉と同じように理解し反応するでしょう。
つまりそれは消費者が持つ文化的な見解と個人の経験が最終的に印象を決める事を意味します。教養の違う人たちが同じ「言葉」について異なる意味でとらえるのであれば、ロゴも同じように異なる意味を持つ可能性があります。
ロゴデザインを形成する要素はたくさんありすぎるので、それについてすべて書くのは大変です。なのでこの記事ではロゴの最も基本的な要素である「色」と「形」の心理学的作用について考えていきたいと思います。
色について
色の持つ意味
人は遠い昔から何世紀にも渡り、色に意味を与えてきました。繰り返し同じ意味を色に持たせ続け、それぞれの色の意味が固ってきたのです。デザインするロゴの色を正しく選ぶことは、意味づけにおいて一歩前進することになります。しかし注意が必要です。色も言葉と同じように、異なる社会では異なる意味を持つことがあるからです。
次にある図は一般的な”色”が持っている”意味”をまとめたものです。(でもあまり鵜呑みにしすぎないでくださいね。あくまでこれは西欧の”一般的”です)
単色の方が印象をコントロールしやすい
筆者としてはロゴに使う色を選ぶ際は1色だけにする方が良いと思います。あなたの作成したロゴを見る時、複数の色が混ざっているよりも単色の方がユーザーの印象をよりコントロールしやすくなるからです。
そしてそれをブランド戦略に使う事もできます。時間とともにユーザーは色によってあなたの作ったブランドロゴを連想し始めるのです。
その他、選んだ色だけでなく、黒地に白・白地に黒でも機能するかどうかをよく確認します。
これはあなたのロゴに強いアイデンティティを構築するためにとても良い作業です。例え色によってどんな意味を加えていっても、心理学的な見解・効果は相補的なものです。
そしてロゴの意味を理解する上で色だけが要点ではありません。
形について
心理学的な物の見方では”形”ほど影響の強いものはありません。人間の脳は形を理解して記憶します。特徴的な形は長期的に記憶されます。ナイキのロゴ、マクドナルドのロゴ、オリンピックのシンボルなどは誰でも覚えている事でしょう。
私たちは時々文字とマークを大きく区別することがありますが、文字も音や意味を表す形です。ロゴをデザインする時は1文字1文字の形に取り組んで細部を整え、文字に意味を持たせてみせなくてはいけません。
特に若い世代は色・形のもたらす心理作用に敏感に反応する傾向があるので、若年層に向けた限定的な商品などは注意が必要です。
次に出すのはロゴの心理学がよく働いている好事例と悪い事例と酷い事例です。
好事例
Fedex
Fedexのロゴデザインの心理学としてはとても良い例です。このFedexのロゴの中に矢印が隠れているのがわかりますか?EとXの文字の間を詰めることによって矢印が浮かび上がっています。このロゴをデザインしたリンドン・リーダーは「もし矢をシンボルにしたら、Fedexのスピードと精度をアピールすることができるんじゃないかと思ったのです。」と言ったそうです。
見た目の美しさや自分の気分だけを理由にデザインをすることは、時にとても罪深いことです。 特にロゴのデザインなどにおいては。
もし心理的な作用を考慮することができたら、ロゴも嬉しいでしょう。
最近ではTwitterのロゴも心理的作用がうまくいっている例といえます。新しいロゴはより形がシンプルになって、角度が変わっています。鳥が見上げるような形は、Twitterの持つポテンシャル・輝かしい未来を表しています。潜在的に記憶に残り忘れがたいロゴになりました。
悪い事例
Pepsi
これは、非常に面白いケースです。ペプシは新しいロゴのデザインに100万ドルを払い、ブランド戦略エージェンシーのアーネル・グループがロゴのデザインをしました。初めて新しいロゴを見たアーティストのローレンス・ヤンが思った事を上の絵で表しています。先に気づいていれば事態はさけられたのに。。。
つまりたとえロゴのデザインに高額な料金を払ったとしても、安心はできないということです。
でも形の心理作用によく気をつけていれば、ロゴをチェックするときに自信を持って世に出すことができるでしょう。
酷い事例
このロゴは・・・ちょっとUの部分が卑猥に映ります。マウスに見立てているのでしょうが、もしデザイナーがこれを作る過程で、人が気にするもの・嫌いなもの・見たくないものが紛れている可能性を考えなかったとしたら、誤解を受けても仕方がないでしょう。
補足
先ほども少し書きましたが、若い世代にはロゴの持つ心理学的作用が大人よりも働くため、とても限定的な状況ですが子供をターゲットにした会社・製品・サービスのロゴデザインには、そのデザインの心理的作用の理解、そしてそのレベルを維持しなくてはいけません。また一方で心理を操作する技術を使いすぎることも避けなければなりません。
最後に
色と活字・形の正しい組み合わせを選ぶことは、純粋にとても美的な活動です。デザインの後、その裏にある心理学について考える時間をつくることは、最高のアウトプットを出すことにつながるでしょう。
なるほどー!ここに並べられたロゴだけでも、ずいぶん印象に差がありますね!ロゴのクオリティには美しさだけではなく、色・形で会社やブランドを意図した印象に仕立てる知識・注意が必要なんですね。世界的に有名な企業のロゴは見てるとまた発見がありそうです。はー!勉強になりました!
著者プロフィール
ソシャマノートブログ 運営担当このみ
株式会社マイネット・ジャパンが運営するクリエイター向けのマーケティングブログを運営。デザイン業務の傍ら「マーケティングを重視したデザイン」「ソーシャルメディアでのプロモーションの分析」などをしている。
[ブログ最新記事とクリエイティブに役立つ情報を日々配信しています。]
by このみ