今回は、海外の注目サービスに関する記事をピックアップしてご紹介します。既に日本でも展開されているハイヤー配車アプリの「Uber」、VRヘッドマウントディスプレイの「Oculus」、ライブ映像の配信サイト「Twitch」を取り上げました。

(ニュース収集期間は2014年3月1日から6月30日)

 

Uber

 

「Uber(ウーバー)」は、2009年にスタートしたアメリカ発のアプリで、GPSデータを活用しハイヤードライバーと利用者を結びつけるサービスです。38カ国で、特に都市部にフォーカスして展開され、ユーザーは事前にクレジットカードの登録をしておくことにより、指定の場所から場所へのハイヤー移動がキャッシュレスで実現できます。

 

推定時価総額が170億ドルという数字には、過大評価との声もありますが、アイスクリームのワゴンを配車する「Uber IceCream」やバイク便サービスを提供する「UberRUSH」など、幅広く“人やサービスを効率的に届けることを通じて喜びを提供する”といった点で、価値創造が期待されているアプリです。

 

Uberが12億ドル調達、世界で最も価値あるスタートアップに[英文] (2014/5/23)

  • 今回の調達額は、Pinterest、DropBox、Airbnbなどの実績を抜き、最高調達額に。

 

Google Mapがメジャー・アップデート -乗換案内、ナビ情報が強化され、Uberを統合- (2014/5/7)

  • Google Mapのメジャーアップデートにより、UberはiOS及びAndroid版のGoogle Mapに統合され、経路検索オプションの一つ使用可能に。

 

オンデマンド配車のUber、今後は「家族向けサービス」を開始へ (2014/5/2)

  • 家族向けに「Uber FAMILY」を正式リリースし、幼児のいる家族向けにチャイルドシートのセッティングや、評価の特に高い運転手の指名などを10ドルのオプションとして、ニューヨークで提供を開始。

 

Uberがマンハッタン地区でバイク便サービスをスタートへ[英文] (2014/4/7)

  • バイク及び飛脚便サービスをローンチ、マンハッタン地区でサービスの提供を開始。
  • 価格は15$から、指定されたサービス提供地区内であれば最大でも30$。

 

Uber_service_image(出典:Uber)

 

 

Oculus

 

「Oculus」はバーチャルリアリティ(拡張現実)ヘッドマウンドディスプレイで、2012年にクラウドファンディングサービス「Kickstater」で資金を調達したことからスタートしたプロジェクトです。これまでのゲーム体験を大きく変えるプロダクトとして期待され、7月には最新プロダクト「DK2」が日本向けにも出荷開始される予定です。今後は、エンタテイメント分野以外でも、教育や医療分野での活用が期待されています。

 

Facebookが話題のVRヘッドセット、Riftのメーカー、Oculusを20億ドルで買収 (2014/3/26)

  • FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグは「われわれは一層楽しく、有用なユーザー体験をもたらような次のプラットフォームについて研究する時期に来ている」と述べ、Oculusを通じた体験が「まったく新しいコミュニケーションプラットフォーム」になるとした。
  • Oculusは3Dゲームの父と呼ばれるJohn CarmackをCTOに迎えており、FacebookもOculusのテクノロジーをゲームへ応用することを第一に考える、としている。
  • Oculusは独立した組織として運営される予定。

 

「みんなをがっかりさせはしない」 -Facebookに買収されたOculusの創業者が説明- (2014/3/27)

  • Oculusの共同創業者、パーマー・ラッキーは「Facebookと協力することでバーチャルリアリティ(仮想現実)をより早く確実に提供できるようになると確信した」と述べた。

 

Facebook傘下のOculus VR、Carbon Designを買収へ –仮想現実技術を強化- (2014/6/25)

  • Carbon Design Groupは、Oculusは、「Xbox360」向けコントローラやKinectをはじめ、Microsoftの多くの製品デザインを担当してきた。
  • 両社は既に複数の未発表プロジェクトで協力しており、買収後、Carbon社のチームはOculusの製品エンジニアリングチームの中心的存在になるとみられる。

 

 

Twitch

 

Googleによる買収も噂されるTwitchは、ゲームのプレイ動画をストリーミング配信出来るサービスです。ゲームのプレイ動画を配信する“ストリーマー”に対して、視聴者はフォローしその動画を閲覧するとともに、チャットルームでのコミュニケーションも可能です。YouTubeからの誘導導線がひかれ、一層のユーザー数拡大が見込まれます。

 

米グーグル、ゲーム実況配信のTwitchを買収か (2014/5/20)

  • Twitchは「PS4」や「XboxOne」に対応し、各機器から動画配信が出来るようになっている点が特徴。
  • 月間の配信者数は100万、視聴者数は4,500万に上る。

 

Twitch、YouTubeでの自動実況告知アノテーション機能を追加 (2014/5/20)

  • YouTubeで配信する動画に、実況中の動画へ誘導するアノテーション(動画にレイオーバーされるクリック可能なテキスト)を表示させる機能「Twitch Live Annotation」を追加したと発表。

 

 

(トレンドニュース担当:高萩 克也、矢野 悠貴、関根 健介、岡田 純一、若月 翼)

 


 

ピックアップ・ポイント

 

Uberは、効率的な移動手段を提供するアプリとしてのみ捉えると、その価値が見出しづらくなります。例えば、飲食店を出る時間に合わせてUberで配車を依頼すれば、店の前で待ち構えててくれる黒塗りのハイヤーに乗り、次の目的地にスムーズに移動、精算にもまごつくことなくスマートに下車…そんな体験が得られます。

 

人を運ぶという機能以上に、人に”喜び”や”驚き”、”非日常的体験”を運ぶといった情緒的な価値がUberの肝であり、そこに過剰とも言える期待感が醸成されているのだと思います。

 

 

コンサルタント紹介:矢野 悠貴(やの ゆうき) 

 

矢野悠貴プロフィール

エイベックスにてマーケティング、アーティストマネージャーを担当。現在は企業向けのソーシャルメディア活用支援を行う他、アーティストとソーシャルメディアの活用に関する記事執筆、講演等も実施。中目黒住民。昨年ホノルルマラソンを完走し次の目標はホノルルトライアスロン。

 

 

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