小渕:決め手勝負になりがちな東京と京都の開催になると、やはり堅い決着が多くなりますね。直線が長く、上がりの速い決着となる東京や京都の外回りでは、先にリードを取ることがアドバンテージになりづらく、瞬発力のある馬が慌てることなく運べるため、あまり展開の紛れが起きませんからね。このようなコースで優れた決め手を持つ馬が出てくるとどうしようもないときが多いですし、関係者もわかっているので、そのような決め手のある馬は東京や京都に使ってくることが多いのです。WIN5的に考えると、そういったレースは買い目を絞って手堅く仕留め、第3場や、ダート、京都の内回り戦などで波乱を期待する買い方がセオリーかと思います。
秘書(や):先週は中京や京都の内回り、東京のダートも堅めの決着でしたものね。
小渕:中京11Rは少頭数で素質馬オーヴィレールが少し抜けている組み合わせ。ペースが落ち着きそうでこちらも決め手勝負となりそうなのがミエミエでした。オーヴィレールが追い詰めるところをフィドゥーシアが粘り切るのですが、誰かが動いていればオーヴィレールの餌食だったでしょうし、最終週でも馬場が良好で、結果的には波乱を期待するのは無理筋でしたね。京都11Rは内回りの1200m戦。Bコース替わりとハンデ戦で斤量の軽い馬の一発に期待しましたが、ソルヴェイグ、セイウンコウセイ、セカンドテーブルなど、そういった馬たちがどれもこれも色気を持ちすぎて積極的な競馬となったため、地力で勝るダンスディレクターにまんまと展開がハマってしまいました。東京11Rはダート1400m。今のダートは霜が立つのを防ぐため、散水がほとんど出来ず、スタミナを消耗しやすいパサパサの馬場。前が止まりやすく、差し脚に秀でたカフジテイクなどの人気馬たちにとって有利な状況でしたから、波乱の目は少なかったですね。
秘書(や):今週は中京が終わって東京と京都のみでの2場開催。どんなところに注意が必要でしょうか?オススメの1頭なども挙げて頂けると嬉しいのですが…。
小渕:芝のレースは仮柵の移動なく、引き続き東京はDコース、京都はBコースでの施行です。東京のDコースというと、通常は横幅が狭くて外を回して差し切るのが難しいとされていますが、雨がほとんど降っていない今は馬場が硬くて時計が速く、決め手勝負となるので、直線で鋭い脚を使える馬が台頭しています。京都はBコース替わりだった先週でさえ展開次第で差し届くケースが見られたので、もう今週あたりから差し馬たちが台頭してきそうですね。ダートは東京と京都で両極端。東京は差し有利、京都は先行有利といったところでしょうか。メインレースの東京新聞杯は決め手だけなら足りそうなロイカバード、きさらぎ賞は好メンバーのレースを勝ち上がったスズカメジャーに注目しています。
秘書(や):おっとそこまで。今週のWIN5も小渕さんの意見を参考にしたいところですね。週末のWIN5予想は『競馬道OnLine 小渕高慶の「本日の3番勝負+WIN5』で!
小渕高慶(おぶち たかよし)プロフィール
業界を牽引する専門紙・競馬ブック紙上にて年間回収率1位の座にも輝いた経験もある元トラックマン。現在もトレセンに身を置き調教師や騎手、馬主などと深い交流を持つレーシングアドバイザーとして活動。
一方でトラックバイアスや関係者の事情を考慮した独自の予想を展開する現役の予想家でもある。あわや3週連続WIN5的中(14R連続的中まで)や3連単100万オーバーなどの派手な当たりは机上の予想ではなかなか辿り着けない芸当。能力分析と現場の事情が融合した他では聞けない深みのある予想は必見である。