• このエントリーをはてなブックマークに追加
ナチスが作った3D映画、日本初の3Dポルノ......3D映画のトリビアが詰まった本『3D世紀』
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

ナチスが作った3D映画、日本初の3Dポルノ......3D映画のトリビアが詰まった本『3D世紀』

2012-12-10 21:31
    121207Book3DSEIKI.jpg


    3D映画トリビアその1「第二次大戦中、ナチスは3D映画で軍事訓練を行っていた!」

    3D映像の歴史映画の歴史と言い換えることもできます。映画の父・リュミエール兄弟『列車の到着』(蒸気機関車が駅に到着する様子を撮影したもの。列車は画面の奥から手前へ走ってくる)を上映したとき、初めて「動く絵」を見た観客たちは列車がスクリーンを飛び出してくるのではないかと恐れおののいた......という伝説があります。つまり映画はその誕生の時期から「3D映像」であることを期待されていたと言えるのではないでしょうか。

    以来100年以上に渡って、映画の世界ではさまざまな技術革新を伴いながら「3D映像」が追い求められてきました。そんな「映画と3D」の歴史についてまとめたのが、『3D世紀 驚異!立体映画の100年と映像新世紀』(著者:大口孝之、谷島正之、灰原光晴)という本。今までに制作された700本超の3D映画を完全網羅800点を超えるビジュアルを掲載した632ページの大ボリュームの一冊です。

    冒頭でご紹介したトリビアは、発行元のボーンデジタルさんから本書に収録された数々のエピソードの「予告編」としてご提供いただいた情報。1939年、ドイツ軍は「ラウルフィルム・システム」という3D映像装置を導入、のべ30万フィート(約55時間半)ものフィルムと2000台もの映写機を使用し、各地で軍事訓練を行った......のだそうです。うーん、VR訓練みたいなもの? と考えると、なんかこう、パラレルワールドの歴史SFみたいでアガるものがあります。しかし、地下深くに保存されていたフィルムは爆撃で焼失、現存するものはごく僅かだそうです。実に興味深い。

    続きで、本書から抽出したその他のトリビアをご紹介します!
     

     
    ■3D映画トリビアその2「日本初の3Dエロ映画は45年も前に作られていた!」

    肉体のいろんな箇所いろんな液体が飛び出して見えるというのは、男性陣にとっては何よりも魅力的な3D映像の使用方法です。近年の3Dアダルトビデオの源流とも言える日本初の3Dピンク映画は、なんと今から45年前、1967年(昭和42年)に制作されていました。それが関考二監督の『変態魔』。味わい深いタイトルです。

    この作品は全編が3Dだったわけではなくエロシーンのみが3Dだったそうで、観客はお話がエロい雰囲気になると3Dメガネをかける→一戦終えたらメガネをはずす、という観賞方法だったようです。これもまた味わい深い

    この作品の他にも数多のピンク映画を手掛けた関考二監督は御年101歳、そして日本初の3Dピンク映画『変態魔』は東京国立近代美術館フィルムセンターにしっかり所蔵されていますので、今後も実際に観賞できる機会があるかもしれません。


    ■3D映画トリビアその3「シリーズ3作目は3D映画にしちゃう法則、あるかもね」

    3作目だから3D! って誰でも考えつくことですが、本当にそうなってる作品が多いことは確か。『ジョーズ』3作目の『ジョーズ3D』(水族館でサメが大暴れ)、『13日の金曜日』3作目の『13日の金曜日 PART3D』(ジェイソンがホッケーマスクかぶるのはこの作品からなのでお間違いなく)などの古い例もありますが、ここ数年の3D映画ブームの中では『トランスフォーマー ダークサイドムーン』『メン・イン・ブラック3』『マダガスカル3』、そして日本でも『THE LAST MESSAGE 海猿』『ALWAYS 三丁目の夕日'64』(このシリーズの3D化を誰が望んでいたのか......)などなど、「やっぱ3作目だから3Dだよな! だよな!」「そうっスねー」という制作側のやり取りが想像できるような3D映画化はいっぱいあります。『ダークナイト・ライジング』が3D映画になる、なんていうデマが流れたことも記憶に新しいですね。


    ■3D映画トリビアその4「バーチャルリアリティの先駆け、3D映像アーケードマシン・センソラマ」

    1964年に映写技師・映像作家のモートン・ハイリグが発表したアーケードマシン「センソラマ」。この時代のアーケードマシンというのはビデオゲームではなく(そもそもまだ、アーケード用ビデオゲームが誕生する前の時代です)、すごく大雑把に言うと今のエレメカのご先祖様のようなものです。

    このセンソラマ、コインを入れて座席に取り付けられたフードに頭をすっぽり入れると3D映像を見ることができ、さらに画面にあわせて風や匂い、振動を感じることができるというもの。まさにバーチャルリアリティ、ヘッドマウントディスプレイの先駆けといえるマシンでした。

    ちなみに、90年代初頭のマルチメディアブームの頃に発表されたインタラクティブムービー『GADGET - Past as Future -』では、この「センソラマ」が洗脳装置として登場しています。


    いかがでしょうか。このように、3D映画・3D映像に関する興味深いエピソードがぎゅっとつまった『3D世紀 驚異!立体映画の100年と映像新世紀』は、3,990円で現在発売中です。なお、ボーンデジタルの公式サイトでは、本書の詳細な内容やサンプルページ他、今回紹介したもの以外のトリビアも公開中です。


    3D世紀 驚異!立体映画の100年と映像新世紀[ボーンデジタル]

    (マコ小林)

    関連記事

    RSSブログ情報:http://www.kotaku.jp/2012/12/history_of_3d_films.html
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。