あなたの人生観を変えるかもしれないSF映画15選


『スター・ウォーズ』に『ターミネーター』などなど、SFファンなら絶対ハズせない作品は山ほどありますが、本日ご紹介するのは人間の存在や生き方、今見ている現実について深ーく考えさせられる作品のリスト。まだ見ていない作品を冬休みにたっぷりじっくり見るにもオススメですよ。

1920年代のモノクロ無声映画から来年1月公開の最新作まで、アナタの思考を刺激する15本の詳細は以下で。
 

 
■メトロポリス(1927年)


あらすじ

極端に2分化された未来の格差社会で、悪のアンドロイドに導かれた労働者たちが反乱を起こす...。

1927年という製作年からもわかるように、初めて多くの人にサイエンス・フィクションの世界に触れる機会を与えた作品。それ以降の映画に大きな影響を与え、今日のSF大作やロボット反乱ものに道を拓いたと言われています。


■地球の静止する日(1951年)


あらすじ

地球に降り立った宇宙人クラートゥは、地球人にすべての争いをやめるよう警告しに来た平和の使者だった。聞く耳を持たない地球人に、彼は最後の手段を使う...。

製作されたのは第2次世界大戦終結から数年後。冷戦で世界が2分化されようとしていた当時には珍しい反戦映画でした。斬新なデザイン、英語ではなく宇宙語が母語の宇宙人、国際政治へのメッセージ...。観衆にどこかの国民ではなく地球人としての自分を考えさせた映画でもありました


■アルファヴィル(1965年)


あらすじ

探偵のレミー・コーションがある任務で訪れた星雲都市アルファヴィルは、コンピューターのアルファー60に人間が支配される異様な社会だった。コーションはそこである女性と出会い...。

ジャン=リュック・ゴダール監督がSFとフィルム・ノワール(1940~50年代のダークな犯罪映画)をかけ合わせた作品。ソビエトの共産主義を暗示するとともに、超高性能コンピューターが人間の行動までも制御する未来のディストピア社会を描きました


■2001年宇宙の旅(1968年)


あらすじ

月面で発見された謎の物体を調査するフロイド博士と調査団。その18ヶ月後、宇宙船ディスカバリー号は5人の乗員と人工知能のHAL9000型コンピューターを乗せ、木星探査に向かったが...。

アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックのタッグによる本作が、その後のSF映画を一変させたと言ってもいいでしょう。壮大な宇宙、人間の進化、人工知能のHAL9000、そしてモノリスに象徴される「どこかにいる何か」の存在。2001年が過ぎ去った今見ても、「未来」を感じさせる作品です。


■ストーカー(1979年)


あらすじ

ある国の「ゾーン」と呼ばれる謎の立入禁止区域には、訪れた者の願いを叶える「部屋」があると言われていた。「部屋」までたどり着く方法を知るのは「ストーカー」と呼ばれる案内人。その日、「ストーカー」と2人の男が「ゾーン」に入っていった...。

ロシアのアンドレイ・タルコフスキー監督が、ストルガツキー兄弟によるSF小説『路傍のピクニック』を映画化した作品。サイエンス・フィクションを通して人間の欲望と過ち、腐敗した政府と社会の姿を描いています


■ブレードランナー(1982年)


あらすじ

2019年、人間の奴隷として作られたはずのアンドロイド「レプリカント」5体が、人間を殺して逃亡した。レプリカント処刑の専門捜査官「ブレードランナー」は5体の行方を追って捜査を開始する...。

ゴダール監督の『アルファヴィル』に影響を受けて作られた本作。フィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作に、メジャーなハリウッド映画で初めてサイバーパンクな未来を描いて見せました。


■未来世紀ブラジル(1985年)


あらすじ

徹底された管理社会で情報局に働くサムは、大した野心もなく、毎晩見る美しい女性の夢だけを楽しみに暮らしていた。しかしその美女が現実に現れてから、平凡だったサムの人生はおかしな方向に...。

テリー・ギリアム監督によるディストピアSF。ハチャメチャなコメディに見えながら、ダークな未来でまわりのすべてに翻弄される主人公が悲しみを誘います


■ザ・フライ(1986年)


あらすじ

物質転送機「テレポッド」の研究に励んでいた科学者セス・ブランドルは、ついに自分自身を実験台にしてテレポッドに入る。実験は成功したかに思われたが、セスの体に次々に異変が生じ始め...。

デヴィッド・クローネンバーグ監督によるSFホラー。ハエと融合してしまった科学者の人間でなくなる恐怖がジワジワと見る者に伝わってきます。


■GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1995年)


あらすじ

サイボーグ草薙素子が所属する公安9課、通称「攻殻機動隊」は国際手配中のハッカー「人形使い」の捜査を開始する。サイボーグの電脳を次々にハックして操る人形使いの正体とは? その頃、ある一体のサイボーグが目を覚ました...。

従来のSF作品で「魂のない存在」として描かれてきたサイボーグを否定し、彼らの姿を通して自己とは何か、意識とは何かを問いかける作品。押井守監督の傑作です。


■マトリックス(1999年)


あらすじ

ある企業でプログラマーとして働くトーマス・アンダーソンは、最近目が覚めている時も夢を見ているような不思議な感覚に悩まされていた。ある日そんな彼の元に、不可思議なメッセージが届く。「起きろ、ネオ」、「マトリックスが見ている」、「白ウサギについて行け」。真実を知ることを選んだ彼を待っていたものは...。

ウォシャウスキー兄弟によるCGとワイヤーアクションを駆使した革新的SF映画。想像の彼方にある未来ではなく、現実(だと人が思っている)世界の裏側を見せることで刺激的な世界観を作り出しました。


■アダプテーション(2002年)


あらすじ

脚本家チャーリー・カウフマンはあるノンフィクション本の映画化脚本を引き受けたが、どうしても何も書けない。仕方なく脳天気な双子の弟の助けを借りて、原作者の女性の後を追ってみると...。

本作でSF的な要素といえば、ランの花から生成される物質の部分だけ。それでも現実と架空が不思議な方向に交差する本作はこの映画リストに欠かせません。奇才チャーリー・カウフマンが自虐的に、ハリウッドへの皮肉も込めて書いた脚本を、『マルコヴィッチの穴』に続くコンビとなるスパイク・ジョーンズ監督が撮っています。


■アバター(2009年)


あらすじ

22世紀、人類は惑星パンドラに眠る高価な鉱物資源を手に入れるべく、「アバター計画」を開始した。足の不自由な元兵士ジェイクは、先住民ナヴィのDNAから作られた仮の肉体「アバター」を操り、部族の一員として溶け込んでいく。しかし彼には果たすべき任務があった...。

最新のCG技術を駆使したジェームズ・キャメロン監督によるSF超大作。自然を破壊する人間とそれを守る先住民、というわかりやすい筋書きながら、3D映画の特徴を活かしたダイナミックな映像で見る者を圧倒しました。


■月に囚われた男(2009年)


あらすじ

資源がなくなった地球からたった1人で月資源の採掘基地に派遣された男。任期は3年、地球との通信回線は壊れ、録画メッセージをやりとりするしかない。「あと2週間で帰れる...」。その時、事故は起きた...。

『2001年宇宙の旅』を彷彿とさせる孤独な宇宙空間で、淡々と進む孤独な男の物語。見た後も尾を引くような、新人ダンカン・ジョーンズ監督の今後を期待させる作品です。


■第9地区(2009年)


あらすじ

1982年、南アフリカ共和国・ヨハネスブルグ上空に現れた巨大宇宙船。乗っていたのは病気を抱えた多数の宇宙難民だった。人間は第9地区と呼ばれる一区画に難民キャンプを用意して彼らを移住させたが、28年後、治安の問題や高まる周辺住民との軋轢から、エイリアン全員を都市部から離れた地区に強制移住させることを決定する...。

人種差別や隔離政策といった要素を下敷きにした、サイエンス・フィクションでは珍しい作品。南ア出身で脚本・監督を手がけたニール・ブロムカンプ氏は「政治的な映画ではない」と明言しているものの、一般の娯楽作品とは違ったリアリティがあります。


■LOOPER/ルーパー(2012年)(2013年1月日本公開)


あらすじ

2044年、ジョセフ・シモンズの仕事は30年後の未来の犯罪組織からタイム・トラベルで送られて来る者を暗殺することだった。しかしある日、ジョセフの目の前に30年後の自分自身が送られて来る。未来から来たジョセフには果たすべき目的があった...。

サイエンス・フィクションの定番中の定番であるタイム・トラベルという仕掛けを絶妙に活かした本作。北米では公開とともに高い評価を受けました。「過去と未来」が「原因と結果」であることを痛いほど感じさせる秀作です。


...いかがでしたか? このリストに入りそうな映画は他にも『猿の惑星』(1968年)、『12モンキーズ』(1995年)、『インセプション』(2010年)など、まだまだたくさんあります。テーマに沿ってまとめて見てみるのもいいかもしれませんね。


19 science fiction movies that could change your life[io9]

(さんみやゆうな)

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