
頭に「ラ」が付かなくてイイんです。ご安心を(!?)
お互いに何も言わなくても、阿吽の呼吸で意志の疎通が出来てしまうような、ブラザーたちの熱き友情...それが「ブロマンス」。 たとえば『MARIO BROS.』と略す、あのブロスと同じと言えば、ブラザーの皆さんはお解りいただけますかな? これは肉体的な繋がりではなく、熱き魂と魂の絆であり、河原で殴り合ったらもうマブダチ! みたいな、汗臭いメンタリズムであります。そしてこの「ブロマンス」が、広大な宇宙を駆け巡るSF級なスケールだったとしたら、いったいドンな友情が繰り広げられるのでしょうか?
そこで今回はそんな「漢」たちを7組、ご紹介してみたいと思います。どうぞ!
1. 『スタートレック』:カーク船長とミスター・スポック
なにげにカーク船長は、結構な数の女性にチョッカイ出してたりするんです。それも宇宙規模で全く違う種族や肌の色が違う女性たちに...。ですが、反対にミスター・スポックはヴァルカン人の気質から感情を抑制し、とても冷徹で非論理的な物事に理解を示さないキャラクターです。
しかし、このふたり...どんな女性も、またどんな論理も立ち入ることが出来ないような、完全な理解と信頼関係で結ばれており、たとえばオミクロン星で出くわしたポッド・プラントという植物のトラブルだって、様々な出来事との遭遇だって、お互いに助け合うコトができるのです。
そしてカーク船長は、ポン・ファーというヴァルカン人特有の、7年毎に起こる発情期で獰猛になってしまったスポックを故郷へ連れ帰るべく、その職を失ってしまうかもしれない状況で、考えるより先に行動したこともあります。 もしもカーク船長にミスター・スポックという相方がいなかったなら、逆にスポックにカークが居なかったとしても、『スタートレック』はコレほど社会的に認められる作品にはなっていなかったでしょう。
2. 『ドクター・フー』:ドクターとキャプテン・ジャック

おそらくテレビシリーズよりも、カレらの寿命のほうが遥かに長いワケで、これまでも...そしてこれからも、ふたりのタイム・トラベルは永遠に続くコトでしょう。ジャックが老若男女だれかれ構わず口説くナンパ師だとしても...です。
3. 『GALACTICA/ギャラクティカ』:ウィリアム・アダマとソール・タイ

アダマ艦長が飲む時は、副館長タイと飲むコトが多いようです。お固いアタマの軍人であり、ベスト・フレンドである彼らだからこそ、本当に心を開き、(少々胡散クサい)恐怖に直面した時に助け合うコトができるんです。しかも、それがギャラクティカを救うことにも繋がったりしるのだから、ふたりともラッキー野郎すぎます。
アダマ艦長が心臓の痛みに耐えている間、実はタイ副館長が敵ロボットが送り込んできたサイロンであることが判り、徐々にボロボロになっていくものの...ふたりの友情が変わることはなく、人間側についたタイはまたギャラクティカの副館長に任命され、またふたりで酒を飲むのです。
4.『スター・ウォーズ』:オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカー

ジェダイの騎士として、共に戦ってきた友人でもあり、クローン大戦でもずっと一緒に助け合った仲です。良いトコロも悪いトコロも認め合い、身内のようにケンカもするふたりです。たとえ血が繋がっていなくとも、ドチラかがドチラかのために、全てを投げうつ覚悟を持っています。
その良い例がクローン大戦でした(「ブロマンス」的に、アナキンがちょっと身勝手な弟子アソーカ・タノの子守りをしてたの部分はチョット違いますが)。ダークサイドに堕ちかかっていたアナキンと、いつの日か確実に対決しなければいけないと悟ったオビ=ワンですが、アナキンを愛するあまり、それをできない苦悩が描かれます。しかし最後には、溶岩が流れる灼熱の惑星ムスタファーで、アナキンの手脚を切断する無残な顛末になるのですが...生命までは奪わないのがせめてもの愛情でしょうね。泣けます。
5. 『スターゲイト アトランティス』:ジョン・シェパードとロドニー・マッケイ

もちろんお互いの生命を救ったりすれば、やんわりとおだてたりもする仲だったりします。いつも一緒にいますし、マッケイは「普通の会社の同僚であったなら、生命を救うほどの友情はないだろう」と書き記したりしています。
6. 『フューチュラマ』:フィリップ・J・フライとベンダー

ノリの良さだけで生きるアホの人間・フライとやさぐれまくったポンコツのベンダーは、奇妙なまでの相性の良さを誇っており、宇宙を駆け巡る運送業でドコの惑星に行っても、ふたりの間でブラック&アホな笑いが生まれます。リーラから白い目で見られるのも苦にせず、とにかく面白ければOKみたいなトコロで気が合うのかもしれません。
一度ふたりが別々になってしまったエピソードがありましたが、この時はお互いひとりずつが全くもって上手く立ち回れず、ふたりじゃないと何も出来ないというコトが判明しました。一度ベンダーが(ナゼか)幽霊になった時がありましたが、その立場を利用して特にフライを重点的に怖がらせたりしました。ロボットなのに死んでも友人を忘れないなんて、熱過ぎる友情ですよねぇ。 普通ロボットであれば感情はなく、罪の意識も備わっておらず、自分を所持してくれているオーナーに対しての尊敬がないコトすら多いのですが...ベンダーによりますと、フライへの愛情は「人間がペットの犬を愛するようなモンだ」程度のコトなのだとか...? って、上下関係も逆になってません?(苦笑)
7.『第5惑星』ウィリス・E・ダビッジとジェリバ・シーガン

2085年が舞台のこの物語では、人類と爬虫類にソックリなドラコン星人とが宇宙戦争を繰り広げていました。ひょんなコトから人類のパイロットであるダビッジと、ドラコンのジェリバが未開の惑星に不時着し、ふたりの敵同士は生き延びるために、共に暮らすことにします。しかしこれが、壊れることのない友情へと発展するのです。 このふたりは、お互いの言葉や文化、生活などを教え合い、2種族間の理解を深めていきます。それもジェリバが死んだ時は、ダビッジが落ち込んでしまうほどに深く...。ですが雌雄同体で、交尾なしに自分自身を妊娠させるドラコンには、カレが産んだ子供がおり、ダビッジはこの子を育てていこうと決心するのです。自分と同じ人類から、残ったふたりが攻撃の対象になるかもしれないという危険性があるのにも関わらず...です。
というコトで、SF映画の「ブロマンス」には種族だけでなく宇宙をも超え、さらには「死」さえも超越してしまうモノがあるんです。みなさんには、そんな固い絆で結ばれた義兄弟はおりますでしょうか!? チョッピリ羨ましい関係ですね!
The 7 Greatest Bromances in Space[io9]
(岡本玄介)