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1975年、フランク・ハーバートによる同名SF小説を壮大な構想の下に映像化しようと試みたのは、『エル・トポ』や『ホーリー・マウンテン』で知られるカルト映画界のカリスマ、アレハンドロ・ホドロフスキー。彼が完成させようと試みたのは映画なのか、それとも世界の変革だったのか。
伝説の未完SFの内実を描くドキュメンタリー、『ホドロフスキーのDUNE』の日本公開が決定しました。
驚異的な才能の結集した映画『DUNE』はどのように構想され、そして失われたのか......。そのすべてが、この映画の中で語られます。
ホドロフスキーが『DUNE』映画化のために募ったメンバーは、映画界のみならず、まさに各界に渡る才能の結集でした。
バンド・デシネの巨匠「ジャン・ジロー」ことメビウスがクリーチャーとキャラクター・デザインを担当し、メカデザインにはSF画家のクリス・フォス、『エイリアン』や『トータル・リコール』で知られる脚本家で特殊効果マンのダン・オバノンをSFX担当に、音楽にはサイケ/プログレ・ロックのピンク・フロイドを起用。
デザインにH・R・ギーガーを起用したことは、後にダン・オバノンが『DUNE』のスタッフを再結集し、リドリー・スコットとともに『エイリアン』を誕生させたことの象徴的なエピソードとして記憶されています。
また、名優オーソン・ウェルズをハルコネン男爵としてキャスティングした他、サルバドール・ダリやミック・ジャガーを俳優として起用するなど、まさにお祭り状態といえる挑発的なキャスティングが行われました。
3000枚を超えるストーリーボードに、「電話帳のように分厚かった」と原作者のフランク・ハーバートが語ったシナリオ、12時間を予定した長大な上映時間......。しかし、ホドロフスキー版『DUNE』は撮影前に空中分解してしまうという結末を迎えます。
この作品がなければ、後の『スター・ウォーズ』や『エイリアン』、『ブレードランナー』も存在しなかったと語られる未完の超大作、それがホドロフスキーの『DUNE』。映画史上、最も有名な「実現しなかった映画」によせて、本作の監督を努めたフランク・パヴィッチ氏はこう語っています。
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「ホドロフスキーは映画を完成させたかったのか、世界を変えたかったのか。もし世界を変えたかったのなら、それは達成されたのだ」
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映画『ホドロフスキーのDUNE』は、未完の超大作が製作中止に追い込まれいく過程を、ホドロフスキー氏をはじめ、関係者へのインタビューや膨大な資料を基に紐解いていくドキュメンタリー。
もし映画化が実現していれば、カルト映画史に並び立つもののない偉大な足跡を刻んでいたに違いありません。12時間におよぶホドロフスキー体験は、観客に「視覚するドラッグ」としての人生の変革をおよぼすほどの衝撃を与えたはずです。
7月12日(土)には『リアリティのダンス』の公開を控えるなど、2014年はまさにホドロフスキー・イヤー。
SFファンのみならず、全ての映画ファン、そして全てのクリエーター必見の映画『ホドロフスキーのDUNE』は、6月14日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほかで全国順次公開予定です!
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(キネコ)
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