冬至さん のコメント
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怪獣ブーム の影には、子供を惹きつける 奇想天外な発想 が必要だったのです。
【大きな画像や動画はこちら】 『ゴジラ』や『ガメラ』など、小さい頃から慣れ親しんだ 大怪獣映画 。私たちは子供の頃から観ているので、怪獣が放射能火炎を吐いたり、甲羅の中から火を噴いて空を飛んだりと、 当たり前 になっていますが...よくよく考えてみれば 非現実的 でおかしな設定ばかりですよね。
太古の昔に恐竜が地上を闊歩していた事実もあることですし、まぁ 100歩譲って 大怪獣たちが存在していたとしましょう。
ガッツポーズをする大怪獣
そして遥か銀河の彼方に、地球上の生き物とは全く異なる生命体がいる可能性も 否定できない と考えたとしても、やはりお手伝い ロボット が物理法則を無視して巨大化したり、ハニワの石像に 生命 が宿ったり、ましてやフランケンシュタインまでもが巨大化したりっていうのは相当ブッ飛んでいると思わざるを得ません。
大怪獣映画そのものが、想像上のエンターテイメントだとしても、やはりそのジャンルから 珍妙な方向に派生 していった怪獣映画も在るワケで、今回は「io9」による選りすぐりの「史上最も珍妙なSF怪獣映画9選」をご紹介したいと思います。
特に順位はありませんが、色々と ツッコミながら 読んでいただければ幸いです。ではどうぞ!
■ 『ゴジラ対メガロ』(1973年)
人類が行った核実験により、シートピア海底王国にも被害が出てしまい、シートピア人は人類に復讐するために、王国の 守護神メガロ を地上に送り出します。
そこへ、元々は人間の生活をお手伝いするロボットだった ジェットジャガー が立ち上がり、さらには人間サイズだったのが巨大モンスターと同じサイズにまで大きくなり、ゴジラを交えて大乱闘を繰り広げます。
「東宝チャンピオンまつり」で公開されたこの映画では、『ゴジラ』はもう人間の味方になっており、ジェットジャガーとタッグを組んでメガロ&ガイガン組と プロレス をするのです。
上の動画では、 良心回路 を持っているはずのジェットジャガーが、卑怯にもメガロを後ろから 羽交い締め にして『ゴジラ』の空飛ぶドロップキックを待ち構える場面です。ふっ飛ばされたメガロを抱え上げ、さらなるドロップキックを浴びせさせるジェットジャガー...相手が悪い怪獣だとしても、正義のヒーローがそんな戦い方でイイのでしょうか!?
■ 『北京原人の逆襲』(1977年)
リメイク版『キングコング』の成功に憧れた香港ショウ・ブラザーズが、 香港版『キングコング』 を作りたいという発想から撮られたのがこの映画です。実際は特撮スタッフのほとんど全員が日本から呼び寄せられ、オリジナルの『キングコング』に 似せないよう 北京原人という体で作られたそうですが...。
上のトレイラーを拝見する限り、見世物として街にやってきた北京原人に、原人が想いを寄せる 美女 、街を破壊しビルの屋上に登るシーンなど、色んなところで『キングコング』を思わせます。
当時のスタッフたちの 苦労話 もなかなか興味深いので、詳しくは ウィキペディア を読んでみてください。香港中から 300人分の人毛 を集めて北京原人に植毛したとか、金髪のスウェーデン人女優が一時帰国から戻ってきた際に太ってしまい、ビキニからよく ポロリ していたとか、面白い話が色々書かれていますヨ。
■ 『ザ・ジャイアント・クロウ』 (1957年)
白黒時代に作られた特撮映画で、何億光年も遥か彼方からやってきたという、 巨大なハゲワシ が世界中を恐怖のズンドコに叩き落とすという、SFパニック映画です。
戦艦と同じサイズ だというこの怪鳥は、戦闘機ですらクチバシでパクっとくわえられるサイズ。例えば『ゴジラ』であれば、一応は地球で生まれたモンスターなのですが、地球に存在するハゲワシに ソックリ なのに、宇宙から飛来したモンスターというのがいかにも古き良きSFパニック映画ですよね。
それでも、 反物質バリアー を纏っているこのモンスター。通常の銃弾などはすべて跳ね返されてしまうのです。しかしながら人間は、ほとんど脈絡なく 中間子原子 を使えばそれを破壊できるのだと突如ひらめいたりするんです。おかげでこのジャイアント・クロウは撃破されましたとさ。めでたしめでたし。
■ 『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』(1969年)
こちらは第1回目の「東宝チャンピオンまつり」で公開された、 超低予算 『ゴジラ』映画。
両親が共働きで 鍵っ子 の少年、一郎。いじめられっ子の一郎は、同じアパートに住む 発明おじさん の部屋で、彼が作った発明品で遊ぶのが大好き。ある時、 夢の中に行ける という発明品で遊んだ一郎は、憧れの怪獣島に行くことに成功し、ミニラと仲良くなり『ゴジラ』を含む9大怪獣たちが戦う姿を目の当たりにするのです。
物語の90%は一郎少年の夢の中の話であり、残りの10%は古い『ゴジラ』映画で撮影された ネガフィルムを継ぎ接ぎ して編集したもの(以後、その手法が主流に...)。
■ 『大魔神』(1966年)
特撮映画でありながらも、戦国の世を舞台とした 時代劇 の『大魔神』。非常にこだわりの強い特撮技術と、 強烈なインパクト を持つ武神『大魔神』のキャラクターから、後世に語り継がれる作品として日本ではお馴染みです。
しかしながら海外では、『ゴジラ』や『ガメラ』ほど有名ではないようです。 「悪魔のような巨大サムライ」 が町を壊す、シュールな映画としかうつっていないとか。
まぁ確かにあの血走った目に青くて怖ろしい形相をしていますし、名前に「魔」の字も入っていますからね。でも町民のために怒りを露わにしている、正義の味方なのです。
■ 『宇宙大怪獣ギララ』(1967年)
ギララは地球上から生まれ出た『ゴジラ』とは違い、宇宙からやってきた怪獣です。
東宝の『ゴジラ』と大映の『ガメラ』から起こった怪獣ブームに乗っかり、 松竹 が制作したのがこちらの映画。動画の冒頭では、全国の子供たち(210,564人)から「ギララ」のネーミングを 公募 したのがわかりますね。
あらすじは、日本宇宙開発局・富士宇宙センターの宇宙船「アストロボート」が、月から還る途中に謎の発光体と遭遇し、 謎の物質を噴霧 されてしまいます。地球に帰り着いた宇宙船には、岩石のような発光体が付着しているのが発見されるのですが、実はそれこそがギララに 成長する源 だったのです。
ギララは地球上の エネルギーを吸収 するべく、原子力発電所や水力発電所を破壊しつつ巨大化していきますが、発光岩石の 残りカス だった白い物質が全てのエネルギー吸収と放射線を遮断する 「ギララニウム」 だということが判明し、これによってギララは弱体化するのでした。
しかしこれは、『スーパーマン』における クリプトナイト の役割りですね。地球の資源を吸い取りに来るのは、かつての記事 「愛すべき史上最高のモンスター/巨大怪獣映画10+1選」 で4番目にご紹介した 『クロノス』 と同じでもあります。色んなエッセンスの イイとこ取り で、お得な作品と言えなくもないかも?
■ 『ゴジラ対ヘドラ』(1971年)
またしても「東宝チャンピオンまつり」で公開されたのが、こちらの1本。
高度成長期の日本が直面した、 公害問題 を敵とした社会風刺的な作品で、制作の前の年に起きた 光化学スモッグ事件 から着想を得たことでヘドラが生まれたのだそうです。
多数の微生物が寄り集まって出来ているというヘドラの弱点は、ズバリ 乾燥 。これは人間の科学者によって判明した撃退方法で、電極板と熱線を用るまでは良いのですが、不思議と(?) 『ゴジラ』は人間側が用意した作戦を理解しており、 人類の知恵のおかげでなんとかヘドラを倒すことができたのでした。
一応は打倒できたヘドラですが、身体から飛び出して逃げた本体を追いかけるため、放射能火炎をジェット噴射のごとく吐きながら 空を飛んだ『ゴジラ』 ...これは人類にとって公害にはならなかったのでしょうか?
ちなみにですが、ヘドラの縦長の目は 女性器 をモチーフにしているそうです。でも血走った眼がコワい...!!
■ 『フランケンシュタイン対地底怪獣』(1965年)
ドイツから、わざわざナチが 広島 に運び込んだ 「フランケンシュタイン博士の創造した不死の心臓」 。これを研究し、不死身の兵士を生み出そうという作戦が行われようとしたその時、アメリカから 原子力爆弾 が落とされ、その心臓は失われたものと思われていたのですが...。
それから15年後、広島を徘徊する浮浪児がタクシーに轢き逃げされるも、保護され助かったその少年は身長 20メートル の巨人に成長するのです。
そう、彼こそが15年前に失われた 不死の心臓が人間化 したものだったのです。そして同じ時期、秋田県で起こった大地震によって復活した バラゴン が暴れ出し、保護施設から逃げ出し行方不明になっていたフランケンシュタインと戦う...という、想像力豊かなストーリーなんです。
はじめは 20世紀フォックス社 が『キングコング』とフランケンシュタインを対決させようと企画し、それが 東宝に持ち込まれて怪獣映画になった んですって。荒唐無稽かと思われるかもしれませんが、ナイス 日米合作 って感じです。
■ 『ガメラ対大悪獣ギロン』(1969年)
謎の宇宙船に乗り込み、辿り着いた第十番惑星テラにて一見優しそうな異星人の女性たちに 脳ミソ を食われそうになる少年たち。
そして宇宙船を追い、彼らを助けにやってきた『ガメラ』が戦うのは、 元祖ナイフヘッド の大悪獣ギロン。ギロンが放つ手裏剣が、『ガメラ』の目の下にブっ刺さったりしながらも、鉄棒で大回転したり 「宇宙の果ての怪獣オリンピック」 を始めてしまう、コミカルなストーリーがこの映画の大筋です。
しかもこの作品の最後には、ギロンによって真っ二つにされた宇宙船を、『ガメラ』が吐く 火炎で溶接・修理 してしまったという、恐るべき秘技が炸裂しました。
この時すでに日本語がペラペラな イーデス・ハンソン さんと、コメディアンにして俳優の 大村崑 さんが出演されているのも、この映画の大きな見所かと思います。
近藤巡査という役名だったため、映画の中でも 「コンちゃん」 と呼ばれた大村さんでしたが、英語の吹き替えでも「コンちゃん」と呼ばれるも、外国人にはワケが解らず「 コーンジョブ (とうもろこしの仕事)」と 間違った聴き取られ方 をしてしまったのがザンネンなところです。
以上、「io9」が選んだ「史上最も珍妙なSF怪獣映画9選」はいかがでしたでしょうか?
子供ウケを 狙いすぎる がゆえに、今となっては有り得ないほど 失笑モノ の演出(失礼)があったり、結構 ブっ飛んだ キャラ設定だったりと、当時のご苦労が色々と伺える映画ばかりでしたね。
とはいえ改めて観ると、どれもが素晴らしい エンターテイメント 性を持った名作揃いです。それに、こうした歴史があって『クローバー・フィールド』や『パシフィック・リム』といった 現代のSF怪獣映画 に引き継がれて行ったのも事実です。
ここには掲載されずとも、皆さんがお好きな怪獣映画の 取り分け 珍妙なシーンなどご存知でしたら、ぜひとも教えてくださいね!
The Weirdest Giant Monster Movies Ever Made [io9]
( 岡本玄介 )
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