Did You Know Gamingのゲーム豆知識シリーズ、今回は歴史に残るFPSクラシック、idソフトウェアによる『DOOM』シリーズです。
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『ゴートシュミレーター』の動画ではしゃいでたMarkiplierさんが、『DOOM』シリーズのストーリの秘密や、ロックやヘヴィメタとの関連性、ナチが出てくる隠しステージなど、知られざる豆知識の数々を語り尽くしてくれます。
『DOOM』は1995年に最もインストールされたソフトと推定されています。マイクロソフトのWindows 95よりも多くのコンピュータにインストールされたとか。
その人気は、マイクロソフトのビル・ゲイツさんも『DOOM』開発元のidソフトウェアの購入を考えたほど。しかし、結局マイクロソフトはWindows 95ポート版の『DOOM』を出すことで、Windows 95をゲームプラットフォームとして宣伝しました。1995年10月19日、『DOOM』の世界の中にビル・ゲイツさんが登場するというWindows 95のプロモ動画を出しています。
『DOOM』の開発は、idソフトウェアが『ウルフェンシュタイン3D』をリリースした後から始まりました。同社の新プロジェクト『DOOM』には、リードプログラマーであり、FPSの生みの親としても知られるジョン・カーマックさんが1人っきりで取り掛かり、他のチームメンバーは『ウルフェンシュタイン』の続編に取り掛かりました。
『DOOM』の新たなゲームエンジンにカーマックさんは、天井や床のテクスチャマップ、ライティングの明暗などをコーティングしました。他にもスロープ状になった床などもコーディングしたそうですが、こちらは後に省かれてしまっています。
当初開発チームは映画『エイリアン 2』をベースにしたゲームをつくろうとしており、idソフトウェアはライセンスを取得しようと20世紀フォックスと交渉を始めてもいました。しかし、この案は開発者たちがもっと自由に開発できるようにするためにボツになりました。
最終的な『DOOM』のコンセプトは『エイリアン 2』から影響を受けていますが、他のハリウッド映画からも影響を受けています。チェーンソーとスーパーショットガン(ダブルバレルショットガン)は映画『死霊のはらわた』シリーズから直接影響を受けています。
タイトルの『DOOM』は、映画『ハスラー2』でトム・クルーズさんが、カスタマイズされたキューの入ったケースを見せるシーンで、ケースに何が入っているのか尋ねられて『DOOM』(破滅さ)と答えるシーンから。
ゲームの敵にデーモンを使うというアイデアはidソフトウェア社員が『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ』で「ポータルからデーモンが現れてゲームをめちゃくちゃにして終わり」というキャンペーンをプレイたところから生まれたそう。
クリエイティブ・ディレクターのトム・ホールさんは、ゲームのデザインドキュメント「ドゥーム・バイブル」(DOOM Bible、ドゥームの聖典)の中に『DOOM』のストーリー草稿を記していました。そのなかでは、テイタンガという星にある軍の研究基地を舞台にしており、突然地獄からのクリーチャーたちがあらわれ、襲ってくるというものでした。
5人のプレイアブルキャラクターたちがおり、それぞれに特殊能力が備わっているという設定。元々のストーリーでは地獄まで行って戻ってきて、最終的にはテイタンガは破壊され、主人公はその責任を取らされて刑務所行きになるという話でした。
しかし、ジョン・カーマックさんはこの詳細なストーリーを認めず、ゲームの最終バージョンでは「ドゥーム・バイブル」はほとんど無視された内容となっています。2003年にゲームの「ナラティブ」に関して語ったカーマックさんは「ゲームの中のストーリーは、ポルノ映画のストーリーのようなもの。そこに存在して当然だと感じられているが、さして重要なものではない」と語っています。
ストーリーこそ無視されはしたものの、「ドゥーム・バイブル」に書かれていた内容には最後まで残ったものもあります。地球外の星の基地が舞台になっているところ、地獄を行き来するところ、そして武器や敵も「ドゥーム・バイブル」から派生したものです。
また、トム・ホールさんはidソフトウェアを去り3D Realms(※『デューク・ニューケム』などで有名なところ。『ウルフェンシュタイン3D』のパブリッシャーでもある)に所属した後も「ドゥーム・バイブル」からのコンセプトを活用し、『Rise of the Triad』(※1994年のゲーム、昨年リメイク版が発売された)の登場人物が「ドゥーム・バイブル」に書かれていた主人公キャラクターたちが元になっていたり、空中戦ゲーム『Terminal Velocity』にテイタンガという惑星が出てきたりしました。
カコデーモンは『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ』のビホルダーに影響を受けた敵ですが、見た目のデザイン的には別の『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ』のキャラクター、アストラル・ドレッドノートが元になっています。
『DOOM』シリーズにはシークレットやイースターエッグもたくさんあります。初期のバージョンでは、マップ「コマンドコントロール」に、床と天井に鉤十字が出てくる部屋がありました。これは『ウルフェンシュタイン3D』関連のイースターエッグなのですが、問題になり、後に削除されました。
『ウルフェンシュタイン3D』は、続編『DOOM 2』でも出てきます。レベル15から行くことのできる隠しレベルには『ウルフェンシュタイン3D』の「エスケープ・フロム・ウルフェンシュタイン」から1面と9面のマップと、敵もナチの兵士たちが出てきます。最後にはidソフトウェアのゲーム『コマンダー・キーン』の主人公コマンダー・キーンが吊り上げられた姿で登場します。
『DOOM』のステージ名の由来には興味深いものもあります。『DOOM』の最初のエピソード「Knee-deep in the Dead」は「ドゥーム・バイブル」からのもの。『Ultimate DOOM』4つ目で最後のエピソード「Thy Flesh Consumed」はジェームズ王訳の聖書の箴言5章11節「And thou mourn at the last, when thy flesh and thy body are consumed.」(そしてお前の肉と体が滅びるとき、最後にお前は嘆くだろう)からきています。
また、「Thy Flesh Consumed」内のレベルの名前も聖書からとられています。『DOOM 2』の21面は「Nirvana」(ニルヴァーナ / 涅槃)と名付けられており、ステージ開始時には目の前にショットガンが置かれています。これは『DOOM 2』のリリースされたのと同じ年にショットガンで自殺した、ニルヴァーナのリードシンガー、カート・コバーンへのオマージュかもしれません。
『DOOM』シリーズには他にも、「Thy Flesh Consumed」の最初のレベルにはナイン・インチ・ネイルズのロゴが見られます(※ナイン・インチ・ネイルズはその後idソフトウェアの『Quake』で音楽を担当している)。また、『DOOM 2』のサウンドトラックも有名なロックやヘヴィメタ曲からインスパイアされたものがたくさん。
『Doom 2』「Bye Bye American Pie」は、アリス・イン・チェインズの「Them Bones」
『Doom 2』「Shawn's Got the Shotgun」は、スレイヤーの「South of Heaven」のドラムビート
『Doom 2』「Into Sandy's City」は、ストーン・テンプル・パイロッツの「Sex Type Thing」
『Doom 2』「The Demon's Dead」は、ブラック・サバスの「After All (The Dead)」のオープニングメロディー
『DOOM 3』では『DOOM』のチートを入れると「your memory serves you well(よく覚えてますね)」と表示されます。『DOOM 3』の最初の方にでてくる共用区画ではアーケードゲーム機「スーパー・ターボ・ターキー・パンチャー3」が。『DOOM』のグラフィックと『ストリートファイターアルファ3』っぽいロゴの架空のアーケード機です。
火星基地には「GameHog」という雑誌があり、その表紙には『DOOM』の主人公である「ドゥーム・ガイ」が驚いたような顔が。『DOOM』のステータスバーに表示されるドゥーム・ガイの顔ですが、この驚いた表情はバグのせいで『DOOM』ゲーム中にはほとんど見ることができません。
地獄のペンタグラムにも隠し要素が。UAC(Union Aerospace Corporation / ユニオン・エアロスペース・コーポレーション『DOOM』シリーズ通して登場する複合企業)のロゴやドゥーム・ガイの顔が隠れています。
今回も色々な豆知識が出てきましたね。先日行われたE3 2014では、長らく新作『Doom 4』として開発されていたシリーズの新作が、新たに名前を初代と同じ『DOOM』としてティザー動画が公開されたりしました。
おそらくは7月17日から開催される「QuakeCon 2014」でもっと情報が公開されることでしょう。これを機にシリーズを遊びなおすのもいいかもしれませんね!
All The Info There is About The Original Doom In One Video[via Kotaku]
(abcxyz)
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